大手光学機械メーカーと派遣元に賠償命令が下されました。 →関連トピックス
派遣労働者の安全衛生管理に関する責任や義務は、派遣元か派遣先か、果たしてどちらに及ぶのでしょうか?
例えば派遣労働者が派遣先で労災に遭った場合、労災補償責任は派遣元にあります。(ちなみに社会保険の加入義務も派遣元)
しかし、不法行為や安全配慮義務違反による損害賠償責任は、派遣元のみならず派遣先も負うことになります。
参考判例があります。
「雇用主だけでなく実際の就労先においても、安全衛生措置を講じるなどの安全衛生法上の義務を負うだけでなく、安全配慮義務を負うべき立場にある(一部略)」(三菱重工業事件 最高裁平成3年、テクノアシスト相模・大和製罐事件 東京地裁平成20年)
ちなみに労働安全衛生法では、派遣先の責任として次のことを規定しています。
・職場における安全衛生を確保すること(派遣元も)
・法定労働時間の遵守に伴う具体的な労働時間管理
今回の事件、遺族が鬱病による過労自殺は長時間労働が原因として、不法行為および安全配慮義務違反で派遣元・派遣先両社を訴えていたものです。
そして12年という年月を経て、ようやく1つの決着をみました。
長時間労働と鬱病・過労自殺との因果関係が認められ、両社に損害賠償命令が下されたのです。
「長時間労働」「非正規雇用」「偽装請負」「精神疾患」「過労自殺」…現在の社会的問題が凝縮されたようなこの事件、非常に考えさせられます。
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