企業は命を優先せよ

GW前半に起きた高速道路での痛ましいツアーバス事故。

過度な規制緩和に加え、会社(業界)の法令違反やずさんな管理実態、利益追求体質、下請け構造等、さまざまな要因が絡んでいるようです。

 

疲れて居眠り運転をした運転手は日雇いだったといいます。

もし疲労困憊の原因が「兼業」によるものだとしたら、今後の労務管理の在り方を考え直すきっかけとなりそうです。

 

アルバイトやパート等の非正規労働者はフルタイムでもない限り、兼業しているケースは決して珍しくありません。

会社が非正規労働者へ兼業禁止を求めたり、兼業についての調査をすることは、よほどのことがない限りないでしょう。「暗黙の了解」ってやつです。

 

しかし、今回のような重要な職務を非正規社員へ任せる場合、会社は兼業について事前把握し、適切に労務管理する必要があるのではないでしょうか。

 

 

ちなみに兼業について労働法に何ら規制はありません。

認めるも認めないも原則使用者の自由ですが、兼業禁止を適用する場合は就業規則への規定が必要です。

一方、憲法で「職業選択の自由」が保障されています。

 

そこでよく問題になるのが、兼業した社員を懲戒処分できるのか、ということです。

 

判例では(ざっくり言えば)、兼業により業務に支障をきたした場合や、企業情報を漏えいした場合、企業の信用失墜が認められた場合等に、何らかの懲戒処分ができるとされています。

 

 

いずれにせよ今回の事故、過度な規制緩和や企業の利益追求体質、非正規労働者の労務管理を見直すきっかけとなりそうです。

安全や命に勝るものはないですから。


社労士は選ぶ時代。

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コメント: 2
  • #1

    Mヨシ (日曜日, 06 5月 2012 11:01)

    企業の賃金引下げ、ボーナスカットなどで、労働環境は悪化していますね。今後ますます兼業を考えなければならない人々は増えていくでのしょうね。
    自分に趣味を副業にする才能でもあればいいのですが、なかなか・・・(^^;)

  • #2

    tomono (月曜日, 07 5月 2012 22:00)

    そうですね、兼業・副業せざるを得ない人は多いでしょうね。
    私は将来、漫画家として副業できれば…なんて^^