時々、経営者の方から「適正な賃金ってどれくらい?」って聞かれます。
そんな時は、主に次の2つを説明します。
・同業他社の賃金水準
・労働分配率
このうち労働分配率ってご存知ですか?
労働分配率とは 「付加価値」に占める「人件費」の割合です。
これで自社の「支払い能力」が分かります。非常に重要な指標です。
付加価値とは、簡単に言えば売上総利益や粗利のことです。(違う算出方法もありますが)
人件費とは、賃金や退職金掛け金、社会保険料(法定福利費)、求人募集費等です。
一般的に60%を超えると、経営的に「危険」と言われることが多いのですが、但しそれは一概に言えません。なぜなら業種・業態によってその基準が異なるからです。(下表参照)
製造業 | 47.2 | 卸売業 | 53.5 | 飲食・サービス業 | 62.0 |
電気・ガス業 | 19.7 | 小売業 | 49.8 | 娯楽業 | 48.5 |
情報通信業 | 57.1 | 金融業 | 42.4 | 合 計 | 47.9 |
いかがですか?かなりバラつきがみられます。
一般的に「労働集約型」と呼ばれる業種(平たく言えば人を多く使う業種)は人件費が高くつくため、労働分配率が高くなるのが特徴。飲食店等の接客業や介護事業などはこれに当たります。
反対に「装置産業」と呼ばれる業種(機械化された業種)は、労働分配率が低くなるのが特徴です。製造業などがそうです。
また賃金水準も併せてみる必要があります。(これを見落とす人が実に多い)
労働分配率が高い場合、「賃金が高すぎる」のかもしれませんね。
その場合、賃金水準を下げることで労働分配率を下げることができます。
(但しこの場合は「労働条件の不利益変更」という問題が発生)
逆に労働分配率が低い場合、「賃金が低すぎる」のかもしれませんね。
放っておくと、社員の不満がつのり離職の原因となりえます。賃金は「不満要因」(衛星要因)だからです。
その場合、賃金水準を上げることで労働分配率を上げ、社員の不満を解消することが賢明です。
私は可能な限りクライアントのP/L(損益計算書)を拝見させていただきます。
まず労働分配率を確認するためです。
これを確認しないことには、クライアントに適した賃金水準をご提案することなどできませんから。
労働分配率、皆さんも一度確認してみては?
社労士は選ぶ時代。
トモノは「労務」のみならず「人材」「社労士不満の払拭」という観点からお客様の満足度を追求し続けます。
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