以前とある同業者が私に言いました。
「中小企業の経営者は、賃金制度なんて必要としていなくて、欲しいのは『賃金表』。だから賃金表さえ作って渡せば、それで充分なんだよ。」
なるほど、確かに賃金制度や評価制度(以下「制度」)を導入している中小企業は圧倒的に少ないですよね。
しかし私の考え方は違います。
単に「処遇することだけ」を目的とするのであれば、賃金表だけで十分です。
しかし制度の目的や役割というものは処遇だけに留まらず、むしろ「人材育成」だったり、「経営者のメッセージ」だったりするんです。
故に、例え中小であっても人を雇用している限り(シンプルなものでいいから)制度はあってしかるべきなんです。
だから「賃金表だけで充分」という発想は、私には出てきません。
確かに中小の経営者は「ウチはまだ小規模だし、制度までは必要ないよ」っていう方多いです。
でも一方で口を揃えてこう言います。「人材ってやっぱ大切なんだよなぁ」って。
そんなとき私はこう突っ込みます。「そうですよね、人材こそ宝です。では一体全体、御社はどうやって人材育成をするつもりですか?社長の思いをどうやって伝えますか?社員が5年後、10年後の自分の姿を自ら描けますか?賃金だって、いつまでも社長の頭の中で決めていてはツジツマが合わなくなってきますよ。シンプルなものでいいので、制度の必要制は感じませんか」ってな具合に。
そうすると多くの経営者は「そうだよねぇ…必要だよねぇ…」ってなります。
要するに経営者は制度の必要性や重要性を気づいていなかったり、充分に理解していないのです。
そしてそれを気づかせること・理解させることこそ、社労士(私)の役目だと思っています。
「賃金表ちょ~だい!」って言われて、のこのこ賃金表を渡しているようでは、単なる御用聞きもいいところ。せっかくのビジネスチャンスをみすみす逃していることにもなります。
ビジネス用語で「ニーズ」と「ウォンツ」というのがあります。
ニーズとは顧客の(意識化された)必要性、ウォンツとは顧客の(意識化されていない)欲求です。
まさに制度の必要性を経営者に「気づかせる」「理解させる」ことこそが、「ウォンツを引き出す」ことなんです^^
先日、とある経営者と話をする機会がありました。
方や「新卒採用をしたい」という経営者、方や「求める人材が育たない」という経営者。
そこで私は、それぞれの経営者に制度の必要性を説明しました。
その結果、両者とも制度の設計・運用をお手伝いさせていただくこととなりました^^
恐らく経営者は気づき理解したのだと思います、制度の必要性を。
まさにニーズを超えたウォンツを引き出した結果だと自負しています。(やっぱ私の考え方は間違っていなかった…)
さてこれからが本番。
従業員のモチベーションを維持向上させ、クライアントの発展に寄与すべく制度を提案・設計・運用し、「トモノさんにお願いして良かった!」って言ってもらえる仕事をしてみせるぜぃ↗!!
お見せします、新しい社労士像。
トモノ社労士事務所
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