本のご紹介です。
思わずタイトルにつられ手に取ったこの本、読んでみると勉強会云々というより、ハマキョウレックス社長、大須賀正孝氏の経営哲学が詰まった本。
しかし、どれも共感できるものばかりでした^^
同社は年10回ほど、本社のある浜松で勉強会をやっています。勉強会では、全国から集まった参加者が自分の目標や問題を話します。
それに対し社長はヒントを言うだけ。現場に考えさせることを重視しているのです。トップダウンでは人は本心から動きません。動機づけのツボをよく心得ています。
この勉強会を通じ、知恵を出すためのキーワード「日々収支」「全員参加」「コミュニケーション」が周知されているのです。
「日々収支」とは、日単位で収支・利益を出すためのノウハウ。
日々の物量が正確に読めない物流業界は、収益を出すにはいかに日々のコストを適正化するかにかかっています。
そこで同社は、一番のコストである人件費を日々コントロールしています。具体的には、パートの出退勤時間を流動的に調整しているのです(同社では「アコーディオン方式」と呼ぶ)。
この日々収支は、全国の社員ができるよう徹底されているというから凄い。
これこそ、16年連続増収増益・営業利益率10%超の最たる理由なんでしょう。
私は、社員が収支を出せるようになることは、非常に大切なことだと思っています。
でも多くの企業は、収支については経営陣しか把握していないですよね。一般社員が収支を知ることをタブー視している企業さえあります。
また「うちの社員は賃金のことばかり主張する」という経営者の嘆きをよく耳にします。
そんな会社には、日々収支の考え方が効果的です。利益を捻出することがいかに大変なのかを社員に理解させることが、何よりの特効薬になるからです。
日々収支に限らず大須賀社長の考え方や経営哲学は、どれも理にかなっていて分かりやすいものばかり。例えば…
・全員参加…パートだけでも1週間は仕事が回るよう、誰でも全ての仕事ができるようにする。また、1日に何度も状況報告・確認し合い互いに仕事をサポート、その結果残業0。
・日替わり班長制度…パートを日替わりで班長に登用する。これにより立場の違う相手の気持ちがよく分かる。
・目標の与え方…目標設定期間は短いほどいい(それが日々収支)。
・パートとのコミュニケーション…正社員はとにかく仕事を全て覚えることが大切。パートの方が仕事を知っているとなめられ、言うことを聞かなくなる。
・問題解決…現場の意見を尊重、現場で解決させる。トップダウンでは人は動かない。
・秘め事はしない…来客との打ち合わせは、あえて職場に聞こえるような場所で行う。また、自社のやり方をどんどん人に教えることであえて危機感をあおる。等々。
貧しい家庭に生まれ育ち、起業しても何度もピンチに陥った大須賀社長曰く「ハングリーだからこそ知恵が働いた」「家族4人が1日1000円で暮らした経験こそが、ハマキョウレックスで実践している経営の原点だ」…深いお言葉です。
大須賀社長の経営哲学は、そんな自身の苦しい経験から生まれた知恵の結晶なんですね。
私はこの本を読み始める前、正直あまり期待していませんでした。
なぜなら、大企業を舞台としたビジネス書は、変に小難しかったり抽象的で、結局ほとんど参考にならないという過去の経験からでした。
ただこの本(会社)は違いました。
ハマキョウレックスがやっていることは、恐らく中小企業の延長(←失礼?)なんです。
4000人超規模の会社が実際にできているんです。ましてや中小企業ができないわけがない!
そんな自信が思わず湧いてくる、お勧めの本です。
お見せします、新しい社労士像。
トモノ社労士事務所
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