先日TVで脳科学者の茂木健一郎氏が、東大生を相手に講師を務めていました。
同氏は、今の日本の偏差値教育こそ「不平等」であり、イノベーション(新しい付加価値を創りだすこと)を起こしにくくしている元凶であると力説していまいた。
偏差値教育によって理論的・合理的に考える術が身につくため、自然とリスク回避するようになるのです。そうなればイノベーションを起こすなど程遠いわけです。イノベーションとリスクは表裏一体ですからね。
さらに同氏は、イノベーションを起こすには次の要素が欠かせないと言います。
①行動 ②気づき ③受容
この中で東大生ほど特に「②気づき」が弱いらしい。集中力がずば抜けている分、周囲が目に入らないというのです。
これは非常に納得できます。クイズ番組など観てますと、東大生などは難しい問題はいとも簡単に答える反面、いわゆる「なぞなぞ」的な頭の柔らかさが問われる問題は全く解けない光景をよく目にします。
一方、ハーバード大等、海外の有名大学の入試はペーパー試験でなく「彼は面白そうな人物だ」と先輩が後輩を推薦して合否を決めるそうです。
個々の人物にちゃんと目が向いているわけです。これこそ「平等」な入試と言えます。
先日、カーラジオから建築家の安藤忠雄氏が大学生相手に「今の偏差値教育は皆同じ顔に見える」と講演する様子が流れていました。
日経には、今の日本の大学教育で必要なのは「とんがった人材」を育てることだとの記事も。
偏差値だけで合否を決める、人の価値を決める教育はもう時代遅れなのです。
今は、イノベーション(付加価値)が求められる時代です。
同業他社と同じような商品やサービスを提供していても過当競争に巻き込まれるだけ。我々の業界も然りです。
「こうでなければならない」という変なこだわりやプライド、アイデンティティが、イノベーションの邪魔をします。
どれだけのイノベーションを起こせるのかということは、自らそれらをどれだけ壊すことができるのかにつきるのではないでしょうか。
そして「とんがった人材」を受容すべくダイバーシティに対する個々・社会の意識改革が必要です。
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