この仕事の醍醐味の1つに、「ビジネスを間近で感じられる」というのがあります。
ビジネスに関心がある私にとって、さまざまな企業や経営者に「接近」できることは、最高にエキサイトなことです。
世の中、星の数ほどビジネス書がありますが、これに勝る教科書はありません。
さて、最近クライアントを見ていて再認識することがあります。
それは「経営改革に痛みはつきものだ」ということ。
例えば、賃金制度を新たに導入した場合、残念ながら賃金が下がってしまう社員が出てきます。そうすると、そのうちの何人かは決まって辞めていきます。
これが「痛み」です。
ちなみに、私が賃金制度導入のお手伝いをする場合、着手する前に経営者にその痛みに耐えられるか、その覚悟はあるかの確認をします。
他にも、新たな事業展開を図る場合や、経営者の理念を追求する場合なども痛みは発生しやすいものです。
しかしながら、経営者はいちいち気にしていては改革などできないのも事実。あえて「鈍感」を装うことも必要です。
社員からすれば「ひどい社長だ」ということになるのでしょうが、情に流されていては改革などできません。経営者の覚悟が問われます。
改革の代償とも言える痛みは、長期的にみて企業にとってプラスになるものでしょう。というか、プラスにしなくてはいけない。
同じ屋根の下で働く限り、労使とも同じベクトルに向かって進むことが重要なのは言うまでもありません。
ちなみに、「経営方針」とは(ハーズバーグの動機づけ論で言う)「衛星要因」であり、動機づけとして作用させることが難しいのも事実です。
経営方針をコロコロ変えたり、言っていることとやっていることが伴わない場合は、ほぼ間違いなく社員のやる気を損なわせることになるため注意が必要です。
ともあれ経営改革に痛みはつきもの。それでも貫き通す、経営者の信念と覚悟が必要です。
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