先日、道路交通法など重要な法改定がありました。
①道路交通法(6/1施行)
②自動車運転死傷処罰法(5/20施行)
③通達「意識の消失等の症状を有する労働者が業務として自動車を運転する場合等の健康診断等における留意点」(基発0530第4号)(5/30発表)
①ですが、公安委員会は免許の取得・更新をする者に対して、一定の病気等(統合失調症、認知症およびてんかんなど)に該当するかどうか判断するための質問票を交付できるようになり、該当すると疑われる者に3ヵ月以内の免許停止をすることができるようになりました。
★詳しくはコチラ
http://www.jtsa.or.jp/new/koutsuhou-kaisei.html
さらに②では、危険運転致死傷罪の適用対象が追加・新設され、一定の病気等にある運転手が無免許運転で死傷病事故を起こした場合の罰則が強化されました。
★詳しくはコチラhttp://www.pref.shizuoka.jp/police/anzen/jiko/kotsuho/documents/jidousyauntenshobatu.pdf
そしてそれら法改定を受け、厚労省から以下のような③の通達が発表されました。
『業務上、自動車(大型特殊等を含む)運転に従事する者(業務上、移動手段として自動車を利用する者を含む)等に対しては、労働者の健康・安全の確保のために必要な場合は、雇入れ時又は定期の一般健康診断において、意識を失った、身体の全部又は一部が一時的に思い通りに動かせなくなった、活動している最中に眠り込んでしまった等の症状の有無を確認することが望ましいこと。』
特に業務中、労働者が運転事故を起こした場合、ケースによっては企業が被害者から損害賠償請求されることも十分考えられます。
企業には「使用者責任」(民法第715条)がありますので、原則逃れられません。
そこで、少しでもそれらのリスクを減らすためにも、企業として例えば次のような実務対応をとっておくことが重要になります。
・法改定の周知
・採用時において一定の病気等に該当していないかの確認
・定期健診の徹底と、健診時において一定の病気等に該当していないかの確認
・運転業務に支障をきたさないための労働時間管理や健康維持管理
・免許証や保険が失効していないかの定期的な確認
・一定の病気をもつ労働者に対する薬の服用の徹底や業務の見直し
・飲酒運転禁止の周知徹底
・事故防止対策(運転者研修・ドライブレコーダーの備付け・運転経歴証明書の取得など)
特に一定の病気等の確認をする場合は、事前にその目的を告げ本人の同意をとった上で行う配慮もお忘れなく。
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