いい会社の経営指標

先月から法政大学月例セミナーに参加しています。

坂本光司教授
坂本光司教授

第1回目は「いい会社の200の指標」。講師は坂本光司教授でした。

 

教授の話は過去に3回くらい拝聴したことがありますが、今回もおおむね同じようなお話でした。

しかしこれは承知の上。私は、むしろ教授の話は定期的に聴くよう意識しています。

「人材は宝」と分かっていても、悲しいかな、時間と共にその意識が薄れていくことがあるからです。

 

教授曰く

・企業の経営判断は『正しいか正しくないか』である。

・いい会社とは『人間の命と生活を守る会社』のことをいう。

 

いつ聴いても教授の話はブレません。でも究極です(笑)

「きれいごとだ」「夢物語だ」と感じる人もいるかもしれません。

しかし実際にこのような中小企業が存在し、しかも業績が伸び続けているという事実がいくつもあるとしたら、どうですか?

 

教授によると、過去に見てきた国内の中小企業7000社のうち、世に知らせたい「いい会社」は700社ほどだそうです。

10社に1社。この数(確率)は、今までいろんな中小企業をみてきた私なりに実感するところとほぼ一致します。

 

ちなみに驚くべきことに昨年、あのサムスン電子の会長らが直々に教授宅まで訪ねてきて、「当社も大企業病にかかるのか?」という質問をされたそうな。

その時教授は「既にかかっている。会社として1番大切なことをないがしろにしているから。」と回答したそうな。めっちゃカッコいいッス。

 

 

さて講義の中心は、700社(いい会社)に共通するいくつかの経営指標の解説でした。(当経営指標は近日中に書籍として出版されるようです)

 

印象に残った指標を紹介すると…

★過去5年間平均の正社員の転職的離職率は3%以下である

 ※全国平均は2%ほど。飲食業界やタクシー業界では30~40%にものぼる。

★顧客の80%以上は口コミ客である

 ※横浜のさくら住宅は、営業社員0人だが増収増益を続けている

★発注単価は、仕入先や協力企業等の経営も十分に考えた適正単価で発注している

 ※ここでいう適正単価とは、発注者と同じ利益が得られる単価のこと。

 ※ちなみに教授は、仕入先や協力企業のことを「社外社員」と呼んでいる。

★組織図は顧客や社員が最上位の逆ピラミッド図である

★中長期経営ビジョンの成長計画は意識的に前年比20%以上にはあえてしない

 ※20%以上の成長は異常。(背景にバブル等、何があるかよく見極めること)

★経営理念の浸透のための朝礼等は勤務内に行われ、1週間に1回以上は30分以上

 ※徳島の西精工は1日50分の朝礼を実施、ES(従業員満足度)90%以上で離職率0%。

★出産や子育て、更には入院等の支援のための独自の制度が3つ以上ある

 ※大阪の東海バネ工業は、第四子が生まれたら100万円を支給。

★全社員の過去3年間の有休平均取得率は70%以上である

 ※帯広の六花亭は23年間取得率100%。

 ※長期休業中の社員に対して、職場の社員が自分の有休を1人1日ずつプレゼントしたという会社あり。←泣ける!

★本社社員比(間接部門の人員比率)は5%程度以下である

★社員1人あたりの人材育成経費は年間10万円以上で、総実労働時間に占める社員1人あたりの研修時間は5%以上である

 ※中小企業の人材育成経費は平均5000円ほど 。

 

 

ちなみに教授は今秋、「人を大切にする経営学会」を設立するそうです。その折は、是非参加したいと思います^^


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