リーダー本の紹介。
この本は、80対20の法則(パレートの法則)からリーダーシップ論を独自の観点で展開・解説したユニークな本。
この法則は「売上の80%を占める取引先は、取引先全体の20%」とか言われる、アレです、アレ。
結構、ビジネスや日常生活でも当てはまったりする。
そして「80対20マネジャー」とは、「少ない労力で達成できる大きな目標は何かを日々考え・行動するマネジャー」のこと。
この本は(法則を半ば無理やり当てはめている感も否めないが)、80対20マネジャーをいくつかのタイプに分類し、各マネジャーになるための方法について具体的に説明している。
これらを1つでも多く身に付けられれば、より並外れたマネジャーになれるということ。
さて、印象深い80対20マネジャーを少しだけ紹介しますと…
①探偵マネジャー
・「極端」を見つける。ビジネスを動かしているのは平均ではなく「極端」。極端を見つけるには圧倒的な利益をもたらしてくれる商品や顧客を見極めるだけ。
・自社のコアを強化する。企業活動のほとんどはどうでもよく、ごく少数の活動が極めて重要であり企業に存在意義を与えている。
②連結の達人マネジャー
・常にオープンな心で「社会的ネットワークの遠くの人々」とのつながりをつくる。
・有力な情報や人生の転機になるのは、普段の生活でほとんど関わりのない人や、その存在すら忘れている人だったりする。
③メンタリングマネジャー
・部下に対し、5分でいいのでその場にふさわしい共感や関心を示す。そうすることで大きな効果を生む。
④レバレッジマネジャー
・何かを成し遂げようと本気で思う。そうすると、潜在意識が働き答えを助けてくれる。
・意思決定する案件を最低90%減らす(部下へ任せる)。
⑤自由にやらせるマネジャー
・特に独創性が問われるビジネスを展開する企業は、Y理論(人は好奇心や協力して何かをしたいという思い、自分のスキルに喜びを見出すことでやる気を出すものであるという考え)こそが結果の80%をもたらす20%の解決策となる。
⑥単純化するマネジャー
・イノベーションが重要なビジネスでは、製品やプロセスをシンプルにすることがカギ。
⑦怠け者マネジャー
・怠け者で賢明なマネジャーが、最高の上司・最高の経営者になる。など。
僕も80対20の法則で1つ思い出した。
それは人事評価だ。いくつも評価項目を並べて点数をつけ、その合計点で査定する方法ってよく見かける。
ただ僕は、この「合計点方式」は基本賛成しない。 一見合理的な方法に見えるが、合計点(結果)だけに目が行きやすく、部下の優れた点を見落としがちになったり、伸ばそうという発想になりにくい。 また多々ある評価項目のうち、1つ2つ点数が上がったところで全体に及ぼす影響はたかがしれている。動機づけになりづらいのだ。 結局のところ「合計点方式」は平均点で見るのとほぼ同じ。日本の悪しき偏差値教育的発想だ。 そうではなく、部下の優れた点を承認・伸ばしてやることがリーダー・評価のあるべき姿だ。 上の例で言えば、①と③だろうか。
現代のビジネスの世界では、より少ない労力・コストでより大きな成果を出すことは、マネジャーやリーダーに課せられた使命だ。
その使命を果たす上で、この本は新たな気づきやヒントを与えてくれると思う。
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