先日、セミナー参加者から次のような質問を受けた。
「契約社員が労働契約法の無期転換申込権(※1)により無期労働契約に転換した場合、会社は65歳まで雇う必要はあるのか?」
なるほど、今まであまり深く考えたことは無かったのだが、確かに言われて見ればその通り。
今後、実務ではこの疑問は必ず出てくるはずだ。
ということで早速、然るべくところへ確認。
で結論は…「本人が希望したら、65歳まで雇用しなくてはならない」というものだった。
高年齢者雇用安定法第9条(※2)の対象は、あくまでも「期間の定めのない者」であり、例え短時間のパートでも期間の定めがない場合は、65歳までの継続雇用制度の対象となり得る、とのこと。
そうなると懸念されるのが、5年を超える前の雇止めだ。
無期雇用したら65歳まで雇用しなくてはならなくなると聞けば、企業によってはますます雇止めを助長することにつながるだろう。
ちなみに、経過措置(老齢厚生年金の支給開始年齢以降は、会社が決めた再雇用基準に合致する者のみ継続雇用すれば足りる措置)の無期転換後の労働者への適用は「できないこともない」というちょっとアバウトな返事だった。
当所のクライアント先でも契約社員を雇用している会社がある。
法的な観点はもちろんのこと、人材活用・確保という観点も踏まえ、契約社員に対する今後の対応について、今から企業は準備しておく必要がある。
そして我々は、そのための適切なアドバイスが求められる。
今まで定年が適用される正社員のみが、継続雇用制度の対象だと思っていた自分。まだまだ勉強不足…
※1
昨年4月以降から始まる労働契約が通算5年を超える場合、その5年を超える期日を含む契約期間中であれば、労働者はいつでも企業に対して無期転換するよう申し込むことができ、企業は次の更新以降は、その労働者を無期労働契約に転換しなくてはならない、というもの。
※2
企業は希望する従業員を65歳まで雇用する何らかの継続雇用制度(定年の廃止・定年の延長・再雇用等)を導入しなくてはならない、というもの。
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