賃金が上がる人、上がらない人

先日の解散総選挙。

予想通りの与党圧勝だったが、大義のない選挙に”しらけ感”が漂う中、やはり投票率は低かった。

やるべき課題は目の前に山積しているのだから、とっとと国政を進めて欲しいものだ。

正直、与党とか野党とかどうでもよいとさえ感じる。

 

そんな選挙中も含め安倍首相は景気回復を連呼し、経済界に賃上げを要求し続けた1年だった。それに応えるように、今年は大企業中心に賃上げの話題が続いた。

一方、景気回復の恩恵を感じにくい中小企業では、賃上げムードとは程遠かった。円安の恩恵を受けた中小と、人手不足を解消せざるを得ない中小だけが賃上げに動いた。

 

 

さて、そんな厳しい中小企業だが、実は大企業より賃金が大きく上がることもある。

主な理由は2つある。

 

1つは「経営者の裁量」が大きく効くためだ。

中小企業は(良い悪いは別として)明確な賃金制度がないことも多く、経営者の裁量で賃金が決定される。

特に優秀な人材の流出を防ぐために、賃金を大きく上げることはよくあることだ。

賃金制度がしっかりしていて、人材が潤沢な大企業ではそうはいかない。

 

そしてもう1つは「抜擢人事」があるためだ。

抜擢人事により一気に昇格(昇進)すれば、それだけで一気に賃金は上がる。仕事や責任も増えるが、それはやりがいにつながる。

大企業のように、一歩一歩階段を上がるような人事運営をしていたのでは遅過ぎる。

 

昇格するには、成果を上げたり、会社に貢献することは当然として、更に大切な要素がある。

それは「経営者や上司が何を評価するのか、よく考え察し行動すること」だ。

ただこれを実践できる人は、せいぜい100人中1人か2人くらいだろう。

 

 

賃金が上がらないと、人は不平不満を抱きやすいもの。私は前職で人事をしていた頃、特に若手社員から時々愚痴られた(笑)

まぁ、その気持ちも分かるが、愚痴る人ほど長期的・大局的な観点が乏しいものだ。

 

目先の賃金を追うより、抜擢され昇格する方がよほど賃金は上がる。またそのチャンスがあるのが中小企業だ。

そのことに気づき、そのための行動をとれる人は賃金が上がる。それができない人はなかなか賃金は上がらない。


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