営業本の紹介。
インパクトのあるタイトルや挿絵、そしてなんとも大げさな副題である。
書店で思わず手にしたこの本は、いわゆる営業本で、よくあるハゥトゥ本ではなく、物語仕立てになっている。
普段めったに読まない類の本だが、自分は仕事柄、営業と無縁ではないので、たまには読んでみることにした。
主人公は、うだつの上がらない保険営業マン。あることをきっかけに1000円ゲームを生み出した伝説の「元副社長」に出会い、1000円ゲームを通じて営業の真髄について教えを請いていく。
1000円ゲームとは、営業のロープレ。
2人一組になって、1人が1000円を出す。もう1人がその1000円をゲットするために、1000円以上の価値ある情報を相手に提供する。時間は5分間だ。
ただし、1000円以上の価値がないと判断されればゲットできない。
実際にある保険会社では実践しているそうだ。
さて一読した感想だが、やはり副題は大げさだった(笑)
営業マンとして心得ておくべき、当然のことが半ばもったいぶって書かれている。
・決して売ろうとしてはいけない
・売るのでなくお役に立つこと
・相手のニーズや本音を引き出す
・傾聴に徹する
・また会いたいと思わせる
・饒舌でなくてよい などなど
ただ、どれも営業には大切な要素だ。知っていることと、できていることは全く違う話だし。
私は開業当時、営業してもなかなか契約に結び付かなかった。今思えば、「契約が欲しい」オーラが半端なかったんだと思う。
それがある時、もっと肩の力を抜いて「自分という人間を知ってもらえればいい」「少しでも自分に興味をもってもらえればいい」という考え方に切り替えた。
そしたら不思議なもので、比較的契約が取れるようになった。
自分が思う以上に、こちらの心情が言葉のハシハシや態度に出ているんだろう。
「決して売ろうとしてはいけない」というのは、身をもって実感した次第である。
ページ数も少なく、あっという間に読めるので、たまには読み返して営業の初心に帰るのには丁度いい本かもしれない。
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