そして誰もいなくなった

仕事柄さまざまな経営者に会う。

当所がお手伝いさせていただく中小企業の経営者は、40歳前後と比較的若い方が多い。

会社自体も若い場合が多い。

 

そんな若き経営者・若き会社に共通することがある。

 

それは数年のうちに、社員の多くが辞めていくこと。ほとんど例外はない。

総入れ替えとまではいかなくとも、それに近いケースは珍しくない。

 

でもこれは何ら不思議なことではなく、むしろ自然なことだと私は思っている。

なぜなら、若き経営者は経営のセンスや営業力はあっても、人の扱いは初めて・不慣れ、という場合が多いからだ。

例え会社員時代に部下をもった経験があったとしても、いざ経営者という立場になれば同じようにはいかないものだ。

 

経営者はそういった経験を積んでいく中で、いろんな気づきを得て、自分なりに人の扱い方を学習していくのだと思う。

 

 

そして、私は経営者に決まってこう言う。


「組織を立て直すいいチャンスですね」

 

 

タイトルにあるアガサクリスティの小説は、かつて悪行を働いた人間が無人島に連れられて、そこで1人1人順番に謎の死を遂げていく、というミステリーである。

以前、モノクロ映画を観た記憶がある。

 

でも経営の世界では、何ら恐れることはない。むしろ、社員がいなくなったときこそ組織を立て直す絶好の機会到来なのだ。


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