本の紹介。
タイトルに惹かれて読んでみた。
筆者は、ドイツの生活慣習や労働法制、政治的背景、或いは国民性などを紹介し、日本の過重労働・非生産性を改善すべく提言している。
ドイツ人は年間、有休(30~40日)、祝日、代休なども合わせ、計150日ほど休みを取るそうだ。一気に2週間の有休を取ることも不思議ではない。
上司は、部下が有休取得しないと評価に影響が出ることもあるから必死だ。
更に1日の労働時間は、原則10時間を超えてはならず、長時間労働を繰り返す企業には、「労働安全局」(日本でいうところの労基署)が厳しく取り締まる。労組も日本より機能している。
ドイツのGDPが高い理由はいろいろあるようだ。
労働法制(有休取得や労働時間の短さ)、輸出産業等の堅調な経済、経済改革「アゲンダ2010」、社会的市場経済、国民性(自分の仕事が終わればとっとと帰る、法令を遵守する、費用対効果を考え行動する、家族との時間を大切にする等)などなど。
更に現在はインダストリー4.0を推し進めるべく、海外の優秀な人材を取り入れることに注力しているという。
同じモノづくり大国として、今後益々差をつけられていくような気がする。トヨタの自動車販売台数はドイツメーカーを抑え世界トップを維持しているが、浮かれている場合でない。
日本の生産性の悪さは最悪だ。
2013年のデータによると、GDPの総額では日本は世界2位。ところが国民1人あたりのGDPは18位。労働時間1時間あたりの国民1人あたりのGDPにいたっては21位で、(遊び人のイメージが強い)イタリアやスペインよりも低い!ちなみに(ダメ人間の象徴のような)ギリシャは25位だ。
これはショッキングなデータだ。これでは、一体全体なんのために働いているのかよく分からない。ダメ人間なのは日本人なんじゃないか。
日本人の働き方改革には、筆者が言う法規制とか成果主義もいいけど、「そもそも何のために働くのか」といった人生観とか理念を確立することが重要だと思う。
今の時代は量より質であり、付加価値やアイデアは、決して労働時間に比例しないものだということを改めて認識する必要がある。
ちなみに、優等生のイメージが強いドイツ人だが、実は「チームプレイより個人プレイ」「感情より規則(融通が利かない)」「ケチ」「自分の非は認めない」「サービスの質は最悪」らしい。付き合いづらい嫌なヤツだ(笑)
これではいくら年間150日休めたとしても、ドイツには移り住む気にはなれないというのが僕の率直な印象だ。
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