本の紹介。
今、何かと話題に上るIoTやインダストリー4.0(以下I4)。理解を深めたくて読んでみた。(それにしてもIoTが顔文字に見えてしょうがない(笑))
I4は、工場やモノのネット化によってモノ作りの最適化やコスト削減、新たなビジネスモデルやサービスを可能にするという。
一方で消費者は、絶えずモノとネットでつながることで、例えば欲しいものをすぐにオーダーメイドで安く手に入れたり、ウェアラブル端末で健康管理ができたりするという。
第4次産業革命という歴史的瞬間に立ち会え、想像もつかないようなビジネスやサービスが出てくると思うとちょっとワクワクする。
ドイツのI4、アメリカのインダストリアル・インターネット・コンソーシアム。
両者のビジョン・国家戦略は、明快かつ合理的、そして実にしたたかで感心する。
中国もグローバルスタンダードの仲間入りを果たそうと必死だ。
で日本はどうだ?…残念というか、やはりというか、後手後手だ。ドイツが手を差し伸べてくれているというのに。
それにしても、なぜこの国のリーダーたちは将来のビジョンや理念を明確に示し、それに向け一丸となって邁進できないのだろうか。目先の政局ばかり追う姿にはうんざりする。
シンギュラリティについては、筆者は楽観視しているようだが、正直不安を覚えるところだ。AIやI4が近い将来、人間の仕事を奪うのではといった懸念もある。
我々の仕事で言えば、手続き業務がそうなると言われている。給与計算も危うい。
労働相談も然り。AIが膨大な労働法や通達、判例から最適なものを瞬時に取り出し、相談者に最適なアドバイスをする。就業規則だって、今や小説を書くくらいだからAIにとっては朝飯前だろう。
…ということは、あれれ、結構仕事がなくなっちゃう!?
でも、本当にAIだけで全てを完結できるのだろうか。
最終的に、AIを活用する・AIと共存するような仕事のスタイルに変わっていくような気がする。
いずれにせよ、時代の流れを受け入れるしかないし、過去の産業革命のように、その都度人は知恵やアイデアで新しい仕事を生み出していくのだと思う。
ちなみに今後は、ビッグデータを分析し付加価値を提供できる「データサイエンティスト」なる人材が重宝されるらしい。
あまり深堀していない分、物足りなさもあるが、I4の基本について理解を深められる入門書的一冊。
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