非現実的な同一労働同一賃金

一億総活躍プランの原案が出た。

政府は同一労働同一賃金を掲げ、欧州並みの賃金水準に引き上げると意気込んでいる。今後、労働契約法やパートタイム労働法の改正がありそうだ。

 

同法は、過去においても正規と非正規の均衡処遇について整備されてきた。

労契法20条が格差是正の起爆剤になるかと思ったけれど、今のところそのような兆しは見られない。(メトロなどの裁判次第では違ってくる?…っていうか、いつまで裁判やってんの?)

改正案も、知り得る情報を見る限り特段目新しい感じがしない。

 

そもそも(当ブログでさんざん書いてきたが)、職務給は日本の人事制度や日本人の気質に合わない。

柔軟な人材活用(配転)が困難で組織が硬直化するし、いちいち職務分析・評価なんてやってられない。これからは、ますます仕事の中身ややり方が変わっていくだろうというのに。戦後の賃金史を見ても答えは明らかだ。

そして、何と言っても日本人は”曖昧さ”の中で物事を決めることが性に合ってるしね。(但し、これから外国人労働者を多用するような企業は、職務給は一考の価値ありかも)

 

 

同一労働同一賃金は、理想としては分かるけれど現実的ではない。難しいと言わざるを得ない。

格差是正という意味で、最低賃金を引上げる方が手っ取り早い、という論結になると思う。


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