モチベーションに関する本の紹介。
同書は、僕にとってはちょっとしたバイブル的な存在で、以前から繰り返し読んでいる。
同書では、次のことをくどいほど繰り返し伝えている。
・クリエイティヴな仕事が求められる今は、ニンジンをぶら下げて発破をかけるインセンティブは時代遅れ
・ニンジンはさまざまな弊害を生む
・今は内発的動機付けを高める時代
前回のブログで、交換条件付きインセンティブとその弊害について簡単に紹介したので、気になる人は一度読んでみることをお勧めする。
今までの常識を180度変えるような発見もあるだろう。
ただ少し疑問もある。
同書で紹介している実験の多くが遊びやゲームを通じたものであり、そこから導き出された結果や理論が、そのまま仕事と賃金の関係に当てはまるのだろうかということ。
言い換えると、人は遊んでいるときやゲームをしているときは、自然と内発的動機付けが高まっているのが普通だが、仕事は必ずしもそうとは限らない。
また、インセンティブと弊害の関係を人事制度に反映する場合でも一筋縄ではいかない。例えば、
・モチベーションに対する個人差をどうカバーすればよいのか
・インセンティブの大小がどれくらいモチベーションへ影響するのか(適当なインセンティブとはどれくらいか)
・評価や目標とインセンティブをどう関連付けるか(弊害が少なくモチベーションが上がるほど良い接点はどこか)
・未だニンジンが効果的だと信じてやまない経営者や上層部をどう説得するのか(笑)
などなど。
インセンティブとモチベーションの関係は、シンプルであり複雑だ。そして、時代と共に進化していることを気づかせてくれる良書。
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