先日、感動創庫LFC株式会社様へ会社見学へ行った。
同社は岐阜県本巣市に位置し、アパレル物流業を営んでいる。
「大家族経営主義」「障害者雇用」「ユニークな朝礼」など、そのさまざまな経営手法により、ESが高く、かつ業績も伸びているという、まさに理想的な会社だ。
2年前に「日本でいちばん大切にしたい会社大賞(実行委員長賞)」を受賞するなどし、さまざまなメディアにも取り上げられている。
5分前に到着すると、既に社長自ら玄関先までお出迎えしていただいていて、それだけでも恐縮だったのだが、中に通され席に着くと、さまざまなおもてなしグッズが用意されていた。
これは、社長の「一学一践」(今日のことを思い出してもらい、何か1つでも実践して欲しい)という思いから。
「社員が幸せになる」という経営理念のために徹底していることの1つが、サンクスカードだ。
誕生日の人には原則、カードを送るそうだが、驚くべきことに「経営方針書」という毎年作成される手帳のカレンダーには、予め誕生日に社員の名前が印刷されている!(ちなみにいつ誰が取るのか分かる、年間有休計画も印刷されている)
食堂へと続く廊下の壁には、プロジェクト活動などいろんな社内情報が掲示されている。特に、印象に残ったメッセージが書かれたカードを壁一面に掲示してある光景は圧巻。
この空間は、情報の共有化と社員間のコミュニケーションを図る場になっている。
カードは、「周囲の人を自分の家族のように、いつも愛をもって優しく接し、見ていて、気づいてあげる」という家族経営主義にも通じる。
見学して驚いたことの1つに、とにかく少しでも仕事がしやすくなるよう、いたる所で工夫していること。
業務スケジュールの見える化では、顔写真入りのネームプレートを使っていて面白い。これも、女性が多い職場ならではの発想だとか。
備品については、全てに「定位置」を決め、更に使う人は、自分の顔写真入りネームプレートを置いておく決まりになっている。
個人の机の中もご覧のとおり。
オフィスあるあるの、一人でいくつものペンや消しゴムを所有するようなことは、この会社では皆無だ。
本年度は、特に美化活動と改善提案に力を入れているという。
毎朝の掃除時間は(朝礼と合わせて)実に40分!更に選抜された人による月1回の大掃除もあるという。
徹底した掃除によって、細部への気づきを得られるようになり、仕事に活きるのだという。なるほど。
2階より上は、商品の保管スペースとなっている。よく見ると、下段の商品は床の中に埋まっている!?
実はこれ、「掘りごたつ式」になっていて、上段の商品を女性でも取りやすくするための工夫。
壁に貼られた色とりどりの線。
段ボールは、緑色の線までしか積んではいけないというルールになっている。ここにも女性への配慮が。
また、残りの枚数が一目瞭然となり、在庫管理や発注もスムーズに。
ヒモを引っ張ると、商品が釣り上げられ、腰をかがまずに仕事ができる。
ちょっとした工夫だが、毎日のことだからこれは大きな改善だ。
年度末には、改善提案のプレゼン大会が開かれるそうだ。
自分たちの提案やアイデアで職場を改善でき、またそれを受け入れる社風がある。
生産性とモチベーションの向上につながっているに違いない。
同社は、女性・シニア・障害者・留学生と、ダイバーシティ経営も実践している。
定年制がなく、いつまででも働ける。
障害者も多数雇用していて、「インターンシップを通じて、お互い適性を確認してから採用する」「障害者だけ孤立した職場を作らない」「自分の手で稼いで生活していけるよう支援する」という方針を徹底している。
ここにも、同社の「家族愛」を感じた。
「パパはこんな会社で働いているんだぞ」と子供に自慢でき、誇りをもって仕事をしてもらえるよう、数々の賞状や楯などは、あえてエントランスに飾られている。
受賞後は、全国から会社見学に訪れる企業が増え、それが社員の意識を大きく変えたそうだ。確かに、それが1番リアル。
そのような意味で、今後もさまざまな賞にエントリーする予定だそうだ。
同社は、単に保管・出荷するだけでなく、直しや検査、値札など、ワンストップサービスによる付加価値を提供している。それがまた強みでもある。
でもホント、終始皆さんの挨拶は気持ちよかった。しかもわざわざ手や足を止めて。
感銘を受けた。
このほか、ユニーク朝礼の心理的効果、事業承継や兄弟社長の裏話、新卒・中途採用の本音、人事制度、物流業界の苦労話、理念経営に転換したきっかけ…ここには書き入れないほど、いろいろとご丁寧にご説明・受け答えしていただいた。
社長をはじめ、社員の皆さま、本当にありがとうございました。
この経験を活かします!
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