僕が以前、シェアオフィスに入居していたころ、そこには何人ものデザイナーがいた。
よく広告代理店や印刷会社の営業マンがやってきては、夜な夜な打合せをしていた。
発注者からまたデザインの変更依頼があったとか、デザイナーの意図が発注者になかなか伝わらないとか、締め切り間近かだが大丈夫かとか、見た目より結構地味で過酷な仕事だ。
毎日のように顔を合わせるうちに、すっかりデザイナーらと仲良くなった僕は、何度も一緒に飲みに行ったりしたのだが、そこでデザイン業界や広告業界、印刷業界の裏話をたっぷり聞かされた(笑)
残業・休日出勤は当たり前だとか、ハラスメントが多いとか、トップがトップなら担当者も担当者でポンコツが多いとか…(デザイナーの意見なのであしからず。ちなみに、当所のクライアントである広告会社は健全です)。
それぞれの業界には、それぞれの「体質」みたいなものがあるのは確かだ。その業界体質が、それぞれの企業の職場風土に影響を与えていることはあるだろう。
でも、普段いろんな経営者と会っていると、その企業の職場風土や体質というものは、突き詰めていけば、結局は経営者自身が反映されたものだと感じる。それは中小零細企業だけでなく、大企業も同様だと思う。
先日、またもや電通で過重労働・ハラスメントによる自殺者が出た。これにより同社は、今年のブラック企業大賞をほぼ手中に収めたと言ってもいいだろう。
同社トップは今後、月の残業時間を5時間減らすというメッセージを発表したようだが、100時間の残業に比べればインパクト・効果はゼロに等しい。
果たしてコトの本質を理解しているのだろうか。結局、この悲劇はいつかまた繰り返されるような気がする。
ヒトの性格や人格が簡単に変わらないのと同じで、企業の職場風土や体質もたやすくは変わらない。
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