中小向け補助金に2000億円(12/23)
経産省と財務省は中小企業向け補助金に関し、2018年度当初予算案と17年度補正予算案で合計2000億円程度を盛り込む。設備投資を支援する「ものづくり補助金」に1000億円程度、生産システムのIT化などを促す補助金に500億円程度の予算をつける。ものづくり補助金は、中小企業がほかの企業と共同研究したり情報を共有したりしたうえで、生産性を高めると国に認められて導入する設備には、今後も投資額の3分の2を補助する。一方で共同研究などの要件を満たさなければ、補助率を2分の1に減らす。ただ、小規模事業者の場合については、3分の2の補助を認める。IT投資の補助金については、予算規模を5倍に増やす。ただ、個別に適用する場合の補助率は現在の3分の2から2分の1に減らす。
実質賃金 10月0.1%減(12/23)
厚労省が発表した10月の毎月勤労統計によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比0.1%減となり、速報段階から0.3ポイントの下方修正となった。減少は5カ月連続となった。名目賃金にあたる現金給与総額は0.2%増の26万7433円だった。速報段階と比べて0.4ポイント減少した。所定内給与が速報段階よりも伸び悩んだことが影響した。
転職助成金 予算減額へ(12/22)
厚労省は2018年度予算で「労働移動支援助成金」を減額する方針を決めた。政府は「雇用調整助成金」を減らし、転職を促す労働移動支援助成金を14年度から大幅に拡充。リストラに遭った労働者を雇い入れて職業訓練をする企業に1人1時間あたり800~1100円の助成金を出す「人材育成支援コース」を新たに設けた。今年9月末までの3年半で、この助成金を活用して職業訓練を受けた再就職者は119人、支給総額は3531万円。17年度の再就職者は9月末時点でわずか3人。3500人以上の利用を見込んでいたが、想定を大幅に下回っている。
外国人労働者の農作業 通算3年まで(12/21)
政府は、国家戦略特区で農作業にあたる外国人労働者の受け入れ指針を決めた。日本で働ける期間を通算3年とし、報酬は日本人と同等以上にすることなどを定める。国家戦略特区法が6月に改正され、外国人による農作業や農産物の加工、販売が認められた。1年以上の実務経験や必要な技能、日本語能力があることが条件で、派遣会社などの「特定機関」が雇用契約を結び、農家や生産法人に派遣する。指針では、働ける期間を通算で3年とし、農作業のない時期などにいったん帰国すれば、その期間はカウントしない。
トヨタ労組 18年春闘 ベア3千円要求(12/20)
春闘の相場に影響力を持つトヨタ自動車労働組合は20日、2018年の春闘で「月3千円」のベアを要求する執行部案を固めた。17年要求と同じ水準だ。上部団体である自動車総連や全トヨタ労働組合連合会の「月3千円以上」も踏まえた。18年2月に正式決定する。17年春に得たベアは組合員平均で3千円の要求に対して、1300円だった。政権が企業に賃上げを促す「官製春闘」が始まった14年以降で最も少なかった。
新卒採用 企業4割が初任給アップ(12/19)
リクルートホールディングスが発表した2019年の新卒採用の調査で、4割超の企業が初任給を上げて人手を確保すると回答した。人手不足が深刻化する中、待遇面を改善して人材の確保につなげようとする企業が増えている。「人材確保のために初任給を引き上げているか」と尋ねたところ、「既に取り組んでいる」と「今後取り組む予定」の合計が42・5%だった。従業員の規模別では「300~999人」が51・2%で最も多く、「1千人以上」(47・5%)より多かった。
大和証券グループ 全社員3%賃上げ(12/18)
大和証券グループ本社は、来年度から管理職を含む約1万4千人の全社員の給与を、月収ベースで3%程度引き上げる方針を固めた。来年6月からの実施を目指す。子育て世代の20~30代前半は手厚く、5%程度の賃上げとする。株高で業績が好調なこともあり、賃上げを決めた。今後労使間で最終調整する。すでに介護などを理由に在宅勤務ができる制度も導入しており、優秀な人材を確保するには待遇改善が必要としている。同社は2016年度には全社員の給与を平均1%引き上げた。
部下の残業肩代わりでうつ・自殺 ホンダ系店長労災に(12/16)
ホンダの子会社「ホンダカーズ千葉」の自動車販売店の男性店長(当時48)が昨年12月に自殺したのは、長時間労働などによるうつ病が原因として、千葉労働基準監督署が労災認定していたことがわかった。認定は今年6月16日付。男性は2015年3月、千葉市内にオープンした店の店長になったが、部下の残業を減らすために代わりに残業するなど長時間労働を続けたという。同年6月に行方がわからなくなり、2カ月後に戻ったがストレス性うつ状態と診断された。同年8月、無断欠勤などを理由に書面で懲戒解雇を通知され、昨年12月20日に自殺した。代理人弁護士によると、千葉労基署は①店のオープンの準備期間が短く焦りや不安を生んだ②時間外労働が80時間を超える月が2回あった③13日連続や17日連続の勤務をしていた④3カ月連続の赤字でノルマを達成できなかった――などが原因でうつ病を発症したと判断し、労災と認めたという。遺族側はホンダカーズ千葉に未払いの残業代や慰謝料などを求める訴訟を千葉地裁に起こしている。
産業医8割「メンタル対応に自信ない」(12/15)
産業医の8割が過労やメンタルヘルスへの対応に自信がない。こんな実態が、医師専用の会員制交流サイト「メドピア」のアンケートで明らかになった。相談にあてる時間や精神科の専門知識が足りないことなどが背景にあるという。非常勤の産業医が多く、1カ月あたりの勤務時間は5時間未満との回答が6割にのぼった。勤務時間に占める業務で多いのは「安全衛生の会議」「職場巡視」「健康診断の結果確認」の順で、従業員と接する時間を長くとれない実態が浮かび上がった。過労やメンタルヘルスの対応で十分な役割を担えていると答えたのは2割。対応に困る理由には、精神科が専門ではなく「的確に診断できる自信がない」「職場復帰までの見極めが難しい」ことなどが挙がった。
介護報酬0.54%引き上げへ(12/14)
介護保険サービスの公定価格である介護報酬について、政府・与党は来年度の引き上げ幅を0.54%とすることを決めた。障害者支援サービスの公定価格である障害福祉サービス等報酬は0.47%引き上げる。いずれの報酬も3年に1度見直される。介護報酬のプラス改定は2012年度以来6年ぶり。報酬を引き上げて事業者の収入を増やし、介護職員の待遇改善につなげる狙いがある。一方、国費ベースで約150億円の負担増で、利用者の自己負担や40歳以上が支払う保険料の負担も増えることになる。
イオン 従業員の健康改善にポイント(12/13)
イオンは2018年度から、グループの従業員17万人を対象に健康改善に努力すればポイントがもらえる制度を始める。医療費負担を減らす狙いもある。イオン健康保険組合の加入者向けサイトで、健康診断の結果や通院情報をもとに各従業員の「健康年齢」を示し改善を促す。例えば、体重を40日間連続で入力したら350ポイント、健康年齢が1歳改善したら100ポイントがもらえる。このポイントはWAON(ワオン)ポイントに交換し、1ポイント=1円で使える。対象者の4割はパートなどの非正社員。ローソンも同様の制度を15年度から始めている。
人手不足深刻 DIは25年ぶり水準(12/12)
日銀が発表した12月の全国企業短期経済観測調査で、人手不足が一段と深刻になっている状況が浮かび上がった。従業員などの過剰感を示す雇用人員判断指数(DI)は全産業でマイナス31と、25年ぶりの低水準。雇用人員判断DIは、雇用者について「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を差し引いた値。人手不足が深刻な「宿泊・飲食サービス」のDIは大企業でゼロと前回調査から6ポイント悪化。「対個人サービス」も、大企業はプラス24と前回から11ポイント悪化した。「建設」のDIは大企業でプラス45と9月調査から3ポイント悪化した。
東大 有期教育職員の5年で雇止め撤廃(12/11)
有期契約の教職員を最長5年で雇い止めにする規則を定めている東京大学が、この規則を撤廃する方針を固めた。労働契約法の無期転換の適用を阻む規則だとして、労働組合が撤廃を強く求めていた。東大で有期で働く8千人近くに無期転換の道が開かれることになり、同様の規則を定めている大学や研究機関にも影響を与えそうだ。
NHK スタジオ収録は午後10時まで(12/9)
NHK記者の佐戸未和さん(当時31)が4年前に過労死した問題を受け、NHKは「NHKグループ働き方改革宣言」を発表した。宣言では、長時間労働に頼らない組織風土作りや、効率的な働き方の追求、ワークライフバランスの充実などを掲げた。特に放送現場では、来年度からスタジオ収録は原則午後10時終了を目指す。大河ドラマや連続テレビ小説は午後9時を目標とする。定型原稿やテロップの自動作成などにAIやICTなどの活用も進める。
所得税増 年収850万円超に(12/8)
政府・与党は2018年度税制改正で焦点となっている所得税改革で、年収が850万円を超える会社員を増税とする方針を固めた。当初は年収800万円超を基準とする方針だったが、連立を組む公明党内の反対意見に配慮して引き上げる。公務員を含む給与所得者のうち200万~250万人が対象となるとみられ、合計で900億円の増収となる。14日にまとめる与党税制改正大綱に盛り込み、20年1月から実施する。
3~5歳は認可保育所無料(12/7)
政府は臨時閣議を開き、教育無償化など「人づくり革命」と賃上げ・設備投資の促進など「生産性革命」から成る新しい経済政策を決定した。人づくり革命では、3~5歳の子どもが通う認可保育所は完全に無償化する。0~2歳や大学生は低所得世帯に限って無償にする。無償化の全面実施は2020年度とする。詳しい制度設計は来夏に先送りする。
会社員の増税、年収800万円超で決着(12/6)
2018年度税制改正で焦点となっていた所得税改革は、年収800万円超の会社員を増税することで政府・与党が合意した。1000億円を超える財源を新たに確保する。20年1月から実施する。誰もが受けられる基礎控除を現在の38万円から一律10万円増額し48万円とする一方、特定の収入に適用される給与所得控除は一律10万円減らし、公的年金等控除も減額する。給与所得控除は控除額の上限も引き下げ、年収1千万円以上で年220万円の控除から、800万円以上で年190万円の控除とする。この結果、年収800万円以下の会社員は控除の増減が一致して税負担が変わらない。一方で年収が800万円を超すと増税となる。22歳以下の子どもや、介護を受けている人(原則要介護3以上)、精神疾患などで特別障害者控除を受けている世帯は増税の対象外とする。増税となる給与所得者は、公務員も含めると約300万人になる。財務省の試算によると、年収850万円で年1.5万円、900万円で3万円、950万円で4.5万円、1千万円で6万円、1500万円で8.6万円の増税になる。誰もが受けられる基礎控除を手厚くし、フリーランスなど請負契約で働く人に減税の恩恵が及ぶようにする。ただ、高所得者は基礎控除も縮小・廃止する。所得が2400万円を超えると段階的に控除額を減らし、2500万円で打ち切る。2500万円を超える人は15万人程度にのぼるという。
子育て支援企業の労災保険料下げ(12/5)
厚労省は2018年度から労災保険料率を引き下げ、企業の負担額を現在より年約1300億円減らす方針を固めた。雇用保険料率の引き下げ分と合わせると、労働保険による企業の負担額は年3000億円規模で軽くなる。3年に1回、料率(現在全業種平均0.47%)を改定しているが、今回は事故件数が減少し、保険財政が堅調に推移していることから約1300億円を捻出する。12月中旬の労働政策審議会に示す。厚労省は今年度から3年間、雇用保険料の料率を0.8%から0.6%に引き下げる。企業側の負担はすでに年約1700億円を軽減している。
賃上げ企業87.8%(12/4)
厚労省は2017年の賃金引き上げに関する実態調査の結果を発表した。定昇やベアなどで賃上げをした企業の割合は87.8%(前年比1.1㌽増)。1人あたりの月額賃金の引き上げ額は451円増の5627円となり、いずれも比較可能な1999年以降で過去最高。産業別では、建設業が最も高く8411円。不動産業・物品賃貸業が6341円、情報通信業が6269円と続いた。賃金を引き下げた企業は0.2%にとどまった。賃金改定で最も重視した点については「企業の業績」が55%で最多。「労働力の確保・定着」が8.7%で続いた。
10月求人倍率 1.55倍(12/2)
厚労省が発表した10月の有効求人倍率は1.55倍で、43年9カ月ぶりの水準となった。新規求人数は前年同月比7.1%増。業種別にみると、スマホ関連が好調な製造業が最も増え12.8%増だった。医療・福祉(7.9%)や情報通信業(9.3%)も伸びが大きかった。企業の求人に対して実際に職に就いた人の割合を示す充足率は14.7%だった。「7人雇おうとしても採用できるのは1人」という計算になる。総務省が発表した10月の完全失業率は9月と同じ2.8%。求人があっても職種や勤務地など条件で折り合わずに起きる「ミスマッチ失業率」は3%程度とされる。3%割れは「完全雇用」状態にあるといえる。
介護職の在留資格見直しへ(12/2)
政府は、介護現場で働く外国人技能実習生が国家資格の介護福祉士試験に合格すれば、いったん帰国した後に日本で介護職として働き続けられるような制度見直しをする方針を固めた。介護職は11月に初めての対人サービスとして制度の対象に加わった。実習生は最長5年、日本で働くことができる。介護職として日本で働き続けられる外国人は現在、経済連携協定の仕組みでフィリピンなどから来日したり、留学生として日本の養成校で2年以上学んだりして介護福祉士試験に合格した人などに限られている。
賃上げなどで法人税下げ(12/1)
政府は積極的な賃上げなどに加え、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」など革新的な技術に投資した企業の法人税負担を実質20%程度に引き下げる方針だ。現在の賃上げ促進税制は、給与総額を基準年の12年度と比べて一定割合増やしたうえで、前年度から2%賃上げしたら法人税額から一定額を控除できる仕組みだ。政府が検討している新たな枠組みでは賃上げの目安が3%に上がる。要件は厳しくなるものの、数万件の利用が見込まれる。
電通 未払い残業代24億円支払い(12/1)
電通は過去2年分の未払い残業代約24億円を12月中に支払うことが分かった。今夏以降、2015年4月から今年3月までに在籍した全従業員に、この期間の未払い残業代の調査を実施した。電通は、従業員が時間外に会社に残って過去の資料を調べたり語学の勉強をしたりした時間を「自己研鑽」として労働時間と認めてこなかった。調査では、従業員に電子メールや手帳、インターネットの閲覧履歴などから、これらの時間を自己申告してもらった。電通は17年1~9月期決算で、「勤務時間に関する一時金」として23億6700万円を計上。
年金控除 高所得者は縮小(11/30)
政府が2018年度税制改正で検討している所得税改革案の全容がわかった。「高所得層に手厚すぎる」との批判がある公的年金控除について、年金以外の所得が多い人は10万~20万円減らすことが柱だ。政府は20年1月以降の実施を目指し、所得税全体で1000億円規模の差し引き増税とする案を示すが、12月中旬のとりまとめに向け与党税制調査会の調整は難航する可能性もある。
経団連「賃上げ3%検討を」(11/29)
経団連は来年の春季労使交渉でベアと定期昇給を合わせた月例賃金の伸び率を3%とするよう企業に求める方針だ。働き方改革による残業代の減少は賞与や手当での還元を求め、社員の手取り収入が減らないよう配慮する。2018年1月までに固める。連合との会談を経て2月以降に各社が労使交渉に入る。
副業時間、本業と合算不要を検討(11/28)
厚労省は複数の勤務先での労働時間を合算する仕組みの見直しを考える。組織をまたぐ就労管理は実態に合わないだけでなく、従業員の副業を阻む要因になっているためだ。厚労省は心身に悪影響を及ぼす長時間労働を避けることにも配慮しながら、慎重に見直しを探っていく。厚労省は労働関係法制に詳しい学者らでつくる会議で2018年に検討を始める予定。労働基準法を改める可能性を考えながら、労働政策審議会の場で労使を交えて議論をする。早ければ20年の国会に法案を出し、21年に仕組みを変える。
長期失業者の減少鈍る(11/27)
1年以上にわたって仕事を探す「長期失業者」の減少が止まってきた。総務省の労働力調査によると、7~9月の長期失業者は68万人と前期から横ばいだった。失業者の総数に占める割合も35.7%(前期比1.7㌽増)だった。これまで長期失業者は減少傾向にあったが、ここにきて女性の失業者の減少の鈍化が目立っている。長期失業者が仕事につけない理由について「勤務時間・休日などが希望と合わない」が13.5%、「希望する職種・内容の仕事がない」が27.6%など雇用のミスマッチを挙げる声が増えた。
企業型保育園 非従業員の入所規制を撤廃へ(11/25)
政府は企業が従業員の福利厚生の一環で設ける「企業主導型保育所」の入所規制を撤廃する検討に入った。従業員以外の受け入れ枠は最大で総定員の5割以内だが、この上限をなくす。空いている従業員専用の定員枠を別の企業の従業員や近隣の住民らも利用できるようにし、待機児童の早期解消につなげる。子育て中の中小企業の従業員などが働きやすい環境をつくる狙いもある。
介護業務の効率化事例集(11/24)
厚労省は介護の労働生産性を上げるため、業務の効率化に役立つ事例集をまとめる。介護業界は小規模な事業者が多く、IT投資などがなかなか進まない。離職者も後をたたない。厚労省は訪問介護やデイサービス、通所リハビリテーションなどにコンサルタントを派遣し、無駄を省く取り組みを探る。「写真付きマニュアルで教育の手間を省く」「職員の勤務状況の見える化で作業量を減らす」などと具体的な助言にまとめる。
TDL着ぐるみで労災認定(11/23)
東京ディズニーランドで、キャラクターの着ぐるみを着てパレードに出演していた契約社員の女性(28)が左腕に激痛が生じる疾患を発症し、8月10日付で船橋労働基準監督署が労災認定していたことが分かった。同社は「過重労働との指摘は受けておらず、安全配慮義務違反もない」としている。女性は2015年2月から勤務し、さまざまなキャラクターの着ぐるみ姿でパレードやショーに出演。16年11月ごろから、首から左上腕にかけてと手指に違和感が出始めた。17年1月に病院で受診。神経や血管が圧迫されてしびれや痛みが生じる「胸郭出口症候群」と診断され休職している。症状は完治していないが、復職可能との医師の診断があり業務量を減らしての職場復帰を希望。会社側と協議している。
副業容認 モデル就業規則見直しへ(11/22)
厚労省は、会社員が副業や兼業をしやすくするため、企業が就業規則をつくる際の参考として示している「モデル就業規則」を見直す方針を固めた。「許可なく他の会社等の業務に従事しない」との項目を削り、「勤務時間外に他の会社等の業務に従事できる」「事前に所定の届け出をする」といった内容に差し替える案を示した。モデル就業規則に法的拘束力はないが、これを参考に就業規則を作成する企業は多い。ただ労使の代表から長時間労働の是正の動きに逆行しかねないとの懸念も出ている。
国家公務員の月給 631円上げ(11/21)
政府は今年度の国家公務員のの給与について、行政職の月給を平均631円、ボーナスを年間0.1月分引き上げることを決めた。いずれも4年連続の引き上げで、4月からの給与にさかのぼって適用する。特別国会に給与法改正案を提出する。民間企業の給与との均衡を図るため、引き上げが必要と判断した人事院の勧告に沿った対応。行政職の月給は平均41万1350円、年収は同675万9千円となる(平均年齢43.6歳)。
パナソニック介護子会社 パート希望者を正社員に(11/20)
パナソニックの子会社で介護事業を営むパナソニックエイジフリーむは来年4月から、1年以上現場勤務するパートのうち、希望者全員を正社員にする。定年まで働くことができ、賞与、退職金も支給される。介護現場の従業員約3千人のうち約1500人がパートで、原則6カ月間の有期雇用契約となっている。従来型のフルタイム勤務に加え、短時間勤務の「時間制正社員」も新たに設け、選択できるようにする。時間制は時給制だが社会保険への加入もできるようになる。
大卒内定率 10月末75.2%(11/18)
来春卒業予定の大学生の就職内定率が10月1日時点で75.2%(前年同期比4㌽増)で、1996年の調査開始以降で最高となったことがかった。文科・厚労両省が発表した。これまでの最高は97年の73.6%。女子の内定率は76.0%(2.4㌽増)で2年連続で過去最高を記録。男子は74.5%(5.2㌽増)だった。文科省によると、進学などを除いた就職希望率は79.0%と高水準だった。文理別では文系が74.4%、理系が78.6%だった。地域別では関東79.8%、近畿78.7%、北海道・東北72.5%、中部72.0%、九州68.7%、中国・四国58.8%と全ての地域で上昇した。
元アイドル「2年以上ただ働き」で事務所を提訴(11/17)
アイドルとして2年以上、実質的に無給で働かされ、事務所を辞めた後の活動も契約で制限されるのは不当だとして、女性アイドルグループ「虹色fanふぁーれ」の10~20代の元メンバー4人が元の所属事務所を相手取り、契約の無効確認と未払い賃金計約410万円の支払い、芸名の継続使用を求める訴訟を東京地裁に起こした。訴状によると、原告は2015年7月、芸能事務所「デートピア」と契約し、月給は3万8千円などと定められ、毎月同額のレッスン代が差し引かれるとの説明を受けた。月平均8回ほどコンサートを行ったが、CDや写真、動画配信の売り上げなどはメンバーに配分されなかったという。今年5~8月に原告となる4人が事務所に辞意を伝え、9月のコンサートで「卒業」した。事務所からは「契約時から7年は他の事務所で芸能活動はできない」「芸能絶対やるなよ。全力でつぶすぞ」などと言われたとし、現在は活動していないという。
車大手の無期雇用回避 実態調査開始(11/16)
トヨタやホンダなどの大手自動車メーカーが期間従業員の無期雇用への転換を免れている問題で、厚労省は実態調査を始めたことを明らかにした。2013年施行の改正労働契約法は、期間従業員が同じ会社で通算5年超働いた場合、無期に転換できる「5年ルール」を定めた。このルール雇用の空白期間が6カ月以上あると、それ以前の契約期間は通算されない。大手8社は、空白期間を以前より長い6カ月に見直すなどして適用を回避している。
高収入の会社員は増税(11/15)
財務省は所得税の見直しについて、高収入の会社員を増税し会社に所属せずに働く人を減税する方向で与党と調整に入った。国際的にも手厚いとされる会社員向けの減税措置を減らし、働き方によって生じる税制の格差を縮める狙いだが、負担増になる会社員からは反発も予想される。自民党の税制調査会は非公式幹部会から検討を本格化させ、来年度の税制改正大綱に盛り込むことをめざす。
常勤医8% 1ヵ月休みゼロ(11/14)
常勤医師の約8%は1カ月の休日ゼロ。全国医師ユニオンなどが勤務医に実施したアンケート結果を公表した。当直をする勤務医の7%が過労死ラインとされる月80時間の時間外労働のを超えていたなど過重労働が実態が浮き彫りになった。当直をする常勤医の時間外労働のは、月平均で約64時間だった。当直後に休みなく通常の勤務を始める医師は78%だった。
佐川急便でも賃金未払い(11/13)
佐川急便を傘下に持つSGホールディングスは2017年9月中間決算会見で、全ドライバー約3万人を対象にした調査で、賃金の未払いが見つかったと明らかにした。未払い分は決算に計上済みで、今後、ドライバーに一時金として支払う。同社では都内の営業所で、昼休みに働いた社員にその分の賃金を払っていなかった疑いが浮上。8月から社内調査をしていた。ただ調査は原則として過去1年分にとどまり、残業に対する未払いの有無は調べていない。宅配業界では、最大手のヤマトHDで約5万9千人分、計約240億円の未払いが見つかっている。
フリーランス 雇用に似た働き方調査へ(11/11)
インターネットを介して仕事を請け負う「クラウドソーシング」やフリーランスなど個人事業主らの働き方について、厚労省が実態調査に乗り出す。「柔軟な働き方」などと注目されているが、雇用者でないため最低賃金が適用されないなど、労働者保護の仕組みから外れている。同省はこうした働き方に関する有識者研究会を立ち上げ、実態を把握し、法整備の必要性について検討する方針だ。
企業の4割「面接解禁前に内々定」(11/10)
全国の大学でつくる就職問題懇談会と内閣府は、2017年度の就職活動について企業や学生を対象に行った調査結果を公表した。経団連が定める採用面接解禁(6月1日)より前に内々定を出したと答えた企業が39.6%で16年度から4.8ポイント増えた。6月解禁になって2年目となるなか、人手不足を背景に企業が選考を早期化している実態が鮮明になった。
年金とマイナンバーの連携 来年3月から(11/9)
政府は日本年金機構がマイナンバーを使った行政機関との情報連携を可能にする政令を閣議決定した。年金の受給開始の申請といった手続きで課税証明書などが不要になるほか、自治体からも年金機構の情報を照合できるようになり、生活保護の申請などで年金関連の書類がいらなくなる。来年1月から稼働テストを実施し、3月から順次導入する。マイナンバーの情報連携は1月開始予定だったが、2015年に125万件の個人情報が年金機構から流出した問題を受け、延期していた。
外国人技能実習 適正実施法が施行(11/8)
外国人技能実習制度の適正実施法が1日に施行した。違法な長時間労働などが相次いでおり、新設した外国人技能実習機構が受け入れ先などを監督し、技能実習計画を審査、認定する体制を整備した。暴行や脅迫による強制といった人権侵害への罰則を設けた。実習期間は最長3年から5年に延長し、対象職種に「介護」を追加した。
実質賃金 4ヵ月連続マイナス(11/7)
厚生労働省が発表した9月の毎月勤労統計調査によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で0.1%減少した。4カ月連続でマイナスだった。名目賃金にあたる従業員1人当たりの現金給与総額は26万7427円(同0.9%増)と1年2カ月ぶりの増加幅となった。他方、消費者物価指数が0.9%上昇となったため、結果として実質賃金を押し下げた。名目賃金の内訳をみると、所定内給与が24万2143円(同0.7%増)、所定外給与は0.9%増、その他特別に支払われた給与は11.6%増だった。
夏のボーナス増(11/6)
厚労省によると2017年夏のボーナスは36万6502円となり、前年比0.4%増加した。人手不足が深刻な中小企業を中心に増えた。事業所の規模別にみると、従業員が5~29人の事業所では前年比2.0%増、30~99人の事業所では3.6%増となった。規模が500人以上の事業所は2.8%減った。業種別では医療・福祉(前年比2.8%増)や教育・学習支援業(1.5%増)などで増加が目立った。
65歳以上も雇用 企業の75%(11/4)
厚労省がまとめた高年齢者の雇用状況(6月1日時点)によると、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は75.6%(前年同期比1.5㌽増)だった。再雇用など継続雇用制度を導入する企業は56%、65歳以上の定年を設けるのは17%、定年制の廃止は2.6%だった。70歳以上まで働ける制度を導入する企業も22.6%あった。65歳以上まで働ける制度は中小企業の78%が導入しており、大企業の55.4%を上回った。同省は「大企業の方が給与水準が高く、人件費負担を考慮して慎重になる傾向がある」とみている。
介護用具の貸与に上限(11/3)
厚労省は来年10月から、介護用具のレンタル代に上限を設ける。介護保険制度では自己負担の割合を1~2割に抑えているが、不当に価格をつり上げる業者の存在が問題になっている。上限は全国平均の価格をもとに商品ごとに設定し、年1回のペースで見直す。上限価格を設けるのは1カ月当たりの貸与件数が100件以上あるもの。介護保険では介護ベッドや車いす、手すりなどが保険の対象になっており、大半の用具で上限価格を設けることになりそうだ。
トラック運転手 2027年に24万人不足(11/2)
米ボストンコンサルティンググループは日本で2027年にトラック運転手が24万人不足するとの試算をまとめた。インターネット通販の普及による宅配便の増加などで現在より約2割多い96万人の運転手が必要となるが、高齢化などで運転手は約1割減の72万人となると予測する。現在の運転手は約83万人。宅配便個数の増加に対応するために追加で7万人分の人手が必要になるほか、トラック運転手の超過労働時間の半減のために9万人の採用が求められる。一方、トラック運転手の高齢化やなり手の減少で11万人分の人手が減るとしている。
税制改正 賃上げ・承継支援が軸(11/1)
財務省と経産省は2018年度の税制改正で、賃金を上げる企業と事業を後継者に引き継ぐ企業への税優遇を充実する方針だ。両省は大きな賃上げをする企業に減税をする制度を検討する。賃上げをする企業への優遇はすでにあり、15年度に2774億円の税額控除を適用した。企業が賃上げしやすくするために、生産性を高める投資への減税も検討する。中小企業向けには事業承継を後押しする税制優遇を充実する。相続税や贈与税は納税猶予制度があるが、15年の適用件数は515件にとどまっている。
残業時間の過少申告7%(10/30)
9月に残業時間を実際より短く申告した会社員は全体の約7%だったことが、連合総合生活開発研究所の調査で分かった。調査は10月上旬、首都圏や関西圏で民間企業に勤める20~64歳の会社員2千人を対象に、インターネットでのアンケート形式で行われ、全員が回答した。残業時間を過少に申告したと回答したのは149人。「残業時間をそのとおりに申告しなかった理由」を質問したところ、約20%が「上司から調整するように言われた」、約70%は「自分自身で(時間を)調整した」と回答した。
正社員求人9月1.02倍(10/28)
厚労省が発表した9月の正社員の有効求人倍率は1.02倍(前月比0.01㌽増)だった。統計をとり始めた2004年以降で最高で、4カ月連続で1倍を上回る高水準にある。パートタイム労働者らも含めた全体の有効求人倍率は1.52倍で8月と同じだった。1974年2月以来の水準で高止まりしている。新規求人数は前年同月を5.6%上回った。業種別にみると、スマートフォン関連が好調な製造業が最も高く11.3%増だった。慢性的な働き手不足に直面している運輸・郵便業(10.2%増)や医療・福祉(8.6%増)も伸びが大きかった。
9月の完全失業率2.8%(10/27)
総務省が発表した9月の労働力調査によると、完全失業率は2.8%と前月比横ばいだった。男女別では女性が2.7%(前月比0.2㌽増)だった。男性は2.9%と前月と同水準だった。完全失業者数は188万人(同2万人増)。非自発的な離職は3万人増、自発的な離職は1万人増加した。新たに求職は3万人減少した。男女別では男性が3万人減、女性が5万人増だった。就業者数は15万人減の6550万人、雇用者数は11万人減の5839万人だった。総務省は雇用動向について「着実に改善している」との見方を示した。
中小派遣会社にM&Aの波(10/26)
中小の人材派遣会社にM&Aの波が押し寄せている。日本人材派遣協会によると、7月時点の派遣会社数は7万8169社で、改正派遣法が施行された2015年7月に比べて7232社(8%)減った。営業が許可制に一本化された上、人手不足で人材獲得が難しくなっている。派遣会社の数は製造派遣が解禁された04年以降、大きく伸びてきた。08年に8万社を突破し、リーマン・ショック後も増加基調を保っていたが、16年以降は落ち込みが激しい。淘汰が進む一方で、事業の拡大をにらんだM&Aが盛んになっている。
保育所整備で企業負担3000億円増(10/25)
安倍晋三首相は、保育の受け皿整備を巡って企業からの拠出金を3000億円増やすよう求めた。政府は年内に教育無償化や待機児童対策で2兆円規模の政策パッケージをまとめるが、約3000億円分の財源のめどが立っていなかった。拠出金の負担率は現在、従業員の賃金の0.23%。経済界が負担増を受け入れれば、関連法を改正して18年度から3年間かけて段階的に拠出金を引き上げる。2兆円の政策のうち残る約1.7兆円は消費税収をあてる方向だ。
中小事業承継1000件越え(10/24)
中小企業のM&Aなどを仲介する「事業引継ぎ支援センター」の成約実績が2012年度から17年度上期までの累計で1千件を突破した。経産省は全国の商工会議所などと連携して各地に支援センターを設置。中小企業の外部企業への譲渡、事業の個人への譲渡などを仲介している。4~5人の専門家が無料で経営者の相談に応じ、これまでに約1万7千社以上が訪れた。16年度までに計791件が成約に至っていたが、特に17年4~9月については16年の同じ時期に比べ1.5倍を超えるペース(305件)に増えた。
国家公務員の7割が定時退社(10/23)
政府は国家公務員の労働改善のため終業時間を早める「ゆう活」の意識調査を発表した。定時までに退庁した職員は72.2%(前年比1.1㌽減)だったと発表した。調査対象となった職員の66%が職場の意識変化(改善)を感じたと回答した。ゆう活は働き方改革の一環。交代制の勤務ではない職員のうち、退庁時間を午後5時15分までに設定した約3万9千人を「ゆう活」の対象者とした。働く時間を選べるフレックスタイム制を利用したことがある職員の割合は約2割に倍増した。
大卒内定 最高の2.5社(10/21)
就職情報大手のリクルートキャリアは、2018年春に卒業する大学生が就職活動で内定を得た企業数平均が17年10月1日時点で2.5社だったと発表した。16年10月時点を0.17社上回り、比較可能な12年調査以降で過去最高。内定辞退を見越し、企業が多めに内定を出していることが鮮明になった。
日本は高度人材不足でワースト3位(10/20)
英人材大手のヘイズはグローバルの人材需給調査を発表した。企業などで必要とされるスキルを持った人材と、労働市場で実際に供給される人材の需給を示す「人材ミスマッチ」で日本は33カ国中、下から3番目だった。同社は「日本の失業率の低さは各国の羨望の的だが、必要とされる高度な技能を持った人材が供給されておらず、生産性の高さにつながっていない」と話した。複数の言語能力や、ITなどの専門知識を持つ高度人材の給与についても、日本は中国などに劣り、人材を引き寄せられていないとしている。
賃上げした中小企業が増(10/19)
経済産業省は2017年度の企業の賃上げ動向調査をまとめた。賃上げした企業の割合は大企業が前年度を下回ったが、中小企業は大幅に伸びた。中小企業は66.1%(前年比7.1㌽増)の企業が正社員の賃上げに取り組んだ。賃上げの理由は「人材の採用・従業員の引き留め」が49.2%で最多、非正規社員の賃上げをした企業も36.5%(同3.6㌽増)だった。大企業は89.7%(同0.4㌽減)が賃上げした。定昇やベアは前年度並みを維持した一方、子育てや介護などの手当の増額や新設に取り組む例が多い。
資生堂 工場の希望者を正社員に(10/18)
資生堂は2018年にも、国内3カ所(大阪市・掛川市・久喜市)にある全ての工場の有期雇用社員について、本人が希望する場合、正社員にする方針を決めた。最大で1200人程度が対象となる。時期など詳細は今後詰める。正社員として給与や手当などの待遇面も同一の水準とする方針。現在、店頭で接客をする美容部員の9割以上が正社員となっている。製造と販売の両面での人材の確保を急ぐ。
連合 ベアと定昇あわせ4%要求(10/17)
連合は2018年の春季労使交渉で、ベアで2%程度を要求する方針を発表した。年齢に応じて給料が上がる定期昇給分を含め4%程度の賃上げを求める。連合は18年の春季労使交渉の「基本構想」を決定。ベアを要求するのは5年連続、引き上げ幅を「2%程度を基準」とするのは3年連続となる。連合が決めた方針は、傘下の労働組合が要求水準を決める時のベースになる。
再就職支援5千万円不適正(10/16)
リストラした従業員の早期再就職に努めた中小企業などに奨励金を支払う厚労省の制度を会計検査院が調べ、2014~16年度、元従業員が自力で新しい職を見つけたといったケースでも少なくとも計約5千万円が企業側に支払われていたことが分かった。検査院が各地の労働局から14局を抽出して調べた結果、業者の支援を一切受けずに再就職した146人について13局から企業側に計約4400万円が支払われていた。資格試験の勉強などを理由に支援を受ける意思がなかった62人についても業者に支援が委託され、8局から企業側に620万円が支払われていた
遺族年金18億円を過払い(10/14)
遺族年金について会計検査院が調べたところ、再婚などで受給資格を失った約千人に対し日本年金機構が今年春までに計約18億円を払い続けていたことが分かった。抽出調査のため、実際の人数と支払額はさらに増えるとみられる。このうち約8億円は既に5年の消滅時効が成立し、機構が返還を請求できる期限が過ぎていた。検査院は機構に時効が成立していない分の返還手続きを取らせるとともに、受給資格の確認を徹底するよう厚労省に求める方針だ。年金事務所は、失権届の記載内容を住基ネットや戸籍と照合しておらず、受給資格の喪失時期の確認を怠っていた。
連合春季交渉 ベア2%程度(10/13)
連合が2018年の春季労使交渉の「基本構想」について協議し、基本給を一律に底上げするベアで2%程度を求める方向で調整に入ったことが分かった。ベアの統一要求は5年連続となる。今年と同様の水準となる見通しだ。中小の労働組合にも積極的な要求づくりを進めるよう求め、大手企業と中小企業の賃金格差の是正を促す。連合の基本構想は、傘下の労働組合が要求水準を決める時のベースになり、今後各労組で具体的な水準づくりに入る。
トヨタ労組 裁量労働の拡大を承認(10/12)
トヨタ自動車労働組合は定期大会を開き、会社側が提案していた裁量労働の対象を広げる新制度案を承認した。入社10年目前後の係長級を対象に、残業時間に関係なく毎月45時間分の手当に相当する17万円を固定で支給。月45時間を超えた分の残業代も支払う制度を12月から実施する。対象は係長級の事務員や技術員約7800人。在宅勤務が前提で本人が適用を申請し上司などが承認する。トヨタは裁量労働制を導入済みだが、対象が限られるなどの課題もあり、製造業に合った独自の制度を入れることにした。
転職で賃金1割上昇 3割(10/11)
リクルートキャリアによると、転職が決まった人のうち「転職後に賃金が1割以上増えた」と答えた人は7~9月時点で29.9%(前年同期比1.7㌽増)で、今年1~3月と並んで過去最高を記録した。業種別ではIT系エンジニアが29.6%(同4.5㌽増)、法務などの事務系専門職が29.1%(同3.4㌽増)だった。IoTや人工知能の活用が広がっていることで、製造業や外資系コンサルティングなどがIT系エンジニアの採用を増やした。一方「営業職」や「接客・販売・店長・コールセンター」では横ばいの傾向が続いた。
中途採用の求人倍率2.36倍(10/10)
人材紹介大手のパーソルキャリアが発表した9月の中途採用の求人倍率は2.36倍(前月比0.08㌽減)だった。求人数は同2%減り、34カ月ぶりに前月を下回った。業種別ではサービスが7.4%減った。人材サービスや不動産が営業の求人を減らした。医療分野も営業の求人が大きく落ち込み3.7%減少した。広告などのメディアやメーカーは技術職を中心に求人が多く、ともに前月を上回った。職種別の求人は営業系が9.7%減った。医療分野の技術系も4.1%減少した。
NHK女性記者過労死、労災認定(10/7)
NHKは2013年7月に首都圏放送センターの記者だった佐戸未和さん(当時31)がうっ血性心不全で死亡したのは長時間労働による過労死だとして、渋谷労働基準監督署が14年5月に労災認定していたと発表した。労基署は佐戸さんが亡くなる1カ月前、時間外労働が159時間に上ったと認定。佐戸さんは東京都庁を担当、13年6~7月の都議選や参院選を取材。死亡前1カ月の休日は2日だけだった。死亡した当時「事業場外みなし時間制度」を適用されていた。NHKは佐戸さんの労働時間をタイムカードや自己申告により把握していたが「勤務管理がきちんとできていたか、反省すべき点はある」としている。佐戸さんは05年に入局し鹿児島放送局から10年7月に首都圏放送センターに異動、都庁担当を2年務めていた。
電通 違法残業に罰金50万円(10/6)
電通の違法残業事件で、東京簡裁は労働基準法違反罪に問われた法人としての同社に求刑通り罰金50万円の判決を言い渡した。菊地努裁判官は違法な長時間労働が常態化していたとして、「刑事責任は重い」と結論づけた。電通は控訴せず判決は確定する見通し。裁判ではトップが法廷に出廷。社会的批判も浴び、労務管理の甘さが経営リスクにつながることが示された。今後は各企業の再発防止への取り組みが課題となる。電通の山本敏博社長は閉廷後に記者会見し「判決を厳粛に受け止めている」と謝罪した。
コナミスポーツ「名ばかり管理職」認定(10/5)
コナミスポーツクラブの元支店長の女性が、権限や裁量のない「名ばかり管理職」だったとして未払い残業代などの支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は同社に残業代約300万円と付加金90万円の支払いを命じた。佐々木宗啓裁判長は、女性が人員不足でフロント業務などに従事し、恒常的に時間外労働を余儀なくされていたと認定。「裁量が相当制限され、管理監督者の地位にあったとは認めらない」と指摘した。判決によると、女性は1989年に入社。2007年から都内などで支店長やマネジャーを務め、15年に退職した。
県内企業 約4割で後継者決まらず(10/4)
静岡経済研究所は静岡県内企業の約4割で後継者が決まっていないとする調査結果をまとめた。後継者の決定状況を聞いたところ、決まっているのは61%、決まっていないのが39%だった。売り上げ規模が小さいほど決まっていない傾向が強く、売上高1億円以下では決まっていない比率が52%、10億円超では33%にとどまった。経営者と後継者の関係は親族が73%で、息子・娘が多数を占めた。後継者の確保が「容易だった」は71%だった。後継者の候補がおらず、今後も見つからない場合の判断は「廃業する」が11%、「売却する」が19%、「わからない」が70%だった。
残業減っても賃金維持(10/3)
経団連は2018年の春季労使交渉で、残業時間が減っても従業員の給与が大きく減らないよう企業に対応を呼びかける。働き方改革が進んでもその分給与が減れば、消費や生産性向上の意欲をそぐ可能性がある。残業代以外の賃金や各種手当の増額などでの対応を促す。脱時間給など多様な働き方の進展や賃上げの継続とあわせ、働き方改革後の還元策を求める。
マツキヨ 薬剤師派遣に算入(10/2)
マツモトキヨシホールディングスは10月から薬剤師の派遣事業を始めた。調剤薬局を運営する子会社で求職中の薬剤師を募集し、自社や他社の薬局・ドラッグストアに派遣する。同社を通じて勤務先を探す薬剤師と、薬剤師を求める企業を募る。登録した薬剤師から勤務日数や時間帯などの希望を聞き取り、条件の合う事業者に仲介する。子会社が契約社員として雇用するほか、派遣先企業への就職もあっせんする。
民間給与4年連続増(9/29)
民間企業で働く人が2016年に得た平均給与は422万円(15年比1万2千円増)だったことが、国税庁の民間給与実態統計調査で分かった。増加は4年連続。給与所得者数は1.6%増の4869万人で、うち女性は2007万人で過去最多。雇用形態別では正規労働者が487万円(同0.4%増)、非正規労働者が172万円(同0.9%増)となり、金額には約2.8倍の差があった。業種別では「電気・ガス・熱供給・水道業」が769万円でトップ、「金融・保険業」が626万円で続いた。最低は「宿泊・飲食サービス業」の234万円だった。
ヤマト 働き方改革で残業削減(9/28)
ヤマトホールディングスは、ネットワーク整備や働き方改革などに1500億円を投資することなどを柱とした2019年度までの新中期経営計画を発表した。夜間専門ドライバーを19年度までに1万人配置することや集配業務の効率化に取り組むことで、正社員の超過勤務時間を半減させる。パートの超過勤務も「大幅抑制」するとした。集配業務システムを改良、ロボットや人工知能(AI)の導入で、業務の効率化を目指す。
有効求人倍率 8月1.52倍(9/27)
厚労省が日発表した8月の有効求人倍率は前月比横ばいの1.52倍だった。企業の求人は0.5%増加したが、求職者も0.5%増えた。正社員の有効求人倍率は前月と同水準の1.01倍だった。雇用の先行指標とされる新規求人倍率(季節調整値)は2.21倍と前月比0.06ポイント低下した。求人を業種別にみると、教育・学習支援業や運輸業・郵便業などで伸びが目立った。
ドトール 非正規にも退職金(9/26)
ドトールコーヒーは非正規従業員けの退職金制度を導入した。社会保険に加入し、週30時間以上勤務する約330人の従業員が対象。フランチャイズ店のオーナーにも利用を呼びかける。確定給付型の企業年金基金を活用する。ドトールが毎月100円を掛け金として積み立て、従業員も月給の10%以内で1000円から2万円までで毎月積み立てる。月8千円を10年間積み立てると、退職時に約105万円を受け取れる計算になるという。年間の利率は0.3%で銀行預金より多くの利息が付く。
電通 違法残業で謝罪(9/25)
電通の違法残業事件で、労働基準法違反罪に問われた法人としての同社の初公判が東京簡裁で開かれた。同種事件が公開の法廷で審理されるのは異例。同社を代表して山本敏博社長が出廷し、起訴内容について「間違いありません」と述べ謝罪した。検察側は罰金50万円を求刑し、即日結審した。判決は10月6日に言い渡される。2015年12月に新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が自殺したのが捜査の発端。起訴状によると、電通本社の部長3人(当時)は15年10~12月、高橋さんら社員4人に対し、1カ月の残業時間の上限を最大で約19時間超えて働かせたとされる。
正社員と同じ職務のパートいる職場は15.7%(9/23)
厚労省が発表したパートタイム労働者総合実態調査によると、2016年10月時点において正社員とパートの両方を雇用している事業所のうち、正社員と職務が同じパートがいるのは15.7%だった。学術研究・専門技術サービス業(25.3%)、医療・福祉業(24.9%)で比率が高かった。「基本給の算定方法が正規とパートで異なる」が58.7%にのぼり、役職手当や賞与でも正規と非正規の待遇が異なる事業所が多かった。業務内容や責任の程度が正社員と同じと感じているパート労働者のうち、「賃金が正社員より低い」と答えた人は6割以上にのぼった。また賃金差に納得していない労働者は33.8%だった。
インターン参加率 5年で2倍(9/22)
企業のインターンシップに参加する就活生が増えている。マイナビの調査によると、2018年春卒業予定の大学生・大学院生のインターン参加率は65.2%(前年比3.1㌽増)だった。調査を始めてから5年連続で伸びており、13年卒の2倍超に膨らんでいる。参加した学生の6月末時点内定率は79.8%だったのに対し、参加しなかった学生の同じ時期の内定率は60.7%と大きく差が開いた。一方で学生が選考に応募する企業数は3年連続で減少。18年卒学生の平均応募数は40社となり、15年卒の92.5社の半分以下になった。
8月のバイト時給最高(9/21)
人手不足を背景にアルバイトやパートで働く人の時給が一段と上がっている。リクルートジョブズが発表した8月の募集時平均時給は三大都市圏で1014円(前年同月比2.7%増)だった。調査を始めた2006年1月以来の最高額を2ヵ月ぶりに更新した。職種別では事務系の上昇率が大きく、5.1%高い1063円。住宅ローンの問い合わせに対応するコールセンター要員の時給上昇が目立った。
正社員と格差 日本郵便に賠償命令(9/18)
日本郵便の契約社員の男性3人が正社員と同じ仕事をしているのに手当などに格差があるのは違法だとして、日本郵便に計約1500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。裁判長は訴えの一部を認め、住居手当や有給の病気休暇がないことなどは「不合理な労働条件の相違に当たる」と判断、日本郵便に計約92万円の賠償を命じた。2013年施行の改正労働契約法は正社員と非正社員の不合理な待遇の違いを禁じている。同社は「長期間働いてもらうために労働条件の差を設けるのは裁量の範囲内」と主張したが、裁判長は「正社員の中でも、担当業務や異動の範囲が契約社員と似ている一般職と労働条件を比べるのが相当」と判断した。原告側は早朝や夜間勤務や、賞与に当たる「夏期年末手当」など6つの手当の格差も違法だと主張。だが裁判長は「業務の幅広さや配置転換の有無の違いを踏まえれば、不合理ではない」として請求を退けた。同社は不服として控訴した。
人事評価 時間から質へ(9/16)
時間から質の重視へと仕事を転換するため、人事評価の基準を見直す動きが広がり始めた。オリックスは同じ成果であれば短い勤務時間で業務を終えた社員の評価を高める。2017年度の考課から導入し18年度の夏季賞与に反映させる方針だ。三井住友海上は17年度末に実施する人事考課から「午後7時前の退社ルールを守る」「無駄な作業が生じないよう部下に明確に指示する」など生産性を高める目標を設定させており、達成度を上司が評価する。第一生命保険は17年度末の人事考課から、従来は管理職に限っていた生産性を高めたかどうかの評価を全社員に広げる。
大卒の3年内離職率32%(9/16)
厚労省は、大卒で就職後3年以内の離職率は2014年3月の卒業者で32.2%(前年比0.3㌽増)だったと発表した。5年続けて30%台前半で推移。業種別では宿泊・飲食サービスが50.2%、生活関連サービス・娯楽が46.3%、教育・学習支援が45.4%と続いた。電気・ガスなどインフラは9.7%。企業規模別では従業員千人以上の場合は24.3%なのに対し、29人以下の事業所は50%を超えた。高校卒業者の同離職率は40.8%(同0.1㌽減)。短大などの卒業者は41.3%(同0.4㌽減)だった。
がん患者働きやすく(9/15)
厚労省は来年度、がん患者の治療と仕事の両立に向けたモデル事業を始める。全国の「がん診療連携拠点病院」から10病院を選び、職場復帰の計画づくりなどを担う専門人材「両立支援コーディネーター」を配置する。看護師、医療ソーシャルワーカーといった人材を想定している。コーディネーターは患者、主治医、企業と相談しながら職場復帰計画を作る。勤務時間を徐々に延ばすなど、柔軟な働き方が勤務先の社内制度の下でどこまで可能かを関係者で話し合いながら、職場復帰計画を作る。
残業削減・休日増で助成金最大200万円(9/15)
厚労省は2018年度から、職場意識改善助成金の中の「時間外労働上限設定コース」を大幅に拡充する。現在は、企業が残業時間の上限を月45時間・年360時間以下に設定すると最大50万円を助成する。これを月80時間・年720時間超の残業時間だったところが一気に達成した場合、助成金を同100万円に引き上げる。月80時間・年720時間以下にした場合でも同50万円を助成する方向で、増額とあわせて支給の条件も緩和する。加えて新たに週休2日制を導入すると助成金を上乗せする措置を設ける。1カ月当たりの休日を4日増やすといずれも最大で100万円、3日増で75万円、2日増で50万円、1日増で25万円だ。残業時間の抑制とあわせ最大で200万円の助成が受けられる。助成金の名称は「時間外労働等改善助成金」(仮称)に変更する予定。
年金支給漏れ 計600億円(9/14)
厚労省は、システムの不備や事務処理ミスによって10万6千人に対して約598億円の公的年金の支給漏れがあったと発表した。1人当たり平均で約56万円。「振替加算」という上乗せ年金部分が未払いになっていた。これまでに支給漏れが散見されたため総点検したところ、判明した。未払い分は日本年金機構を通して11月中に全額を支給する。
「女性活躍変化なし」5割超(9/14)
管理職で働く女性の半数が近年の女性活躍に変化がないと感じていると日本経営協会の調査でわかった。女性活躍が進んでいるか、という質問に「(多少)進んだ」は32.8%、「変化なし」は53.5%、「(多少)後退した」は2.3%だった。進んだと答えた理由として「女性の管理職や役員が増えた」が55.7%と最多。女性の職務遂行意欲の向上や、男性の意識が変わったと答えた人は1割にも満たなかった。働く上での障害となっていることは「休暇がとりにくい」が31.3%、「仕事と生活のバランスがとりにくい」が24.8%だった。30代以下で「産休・育休でキャリアが中断される」という回答が多かった。
みずほFG パート社員3年で無期雇用(9/13)
みずほファイナンシャルグループは、パート社員が課長や主任に昇進できるよう人事制度を見直す。2018年4月から仕事の能力が高く本人が希望する場合、勤続3年で期間の定めのない無期雇用に転換する。時給は正社員並みとし、賞与も支給する。政府の進める同一労働同一賃金などを先取りした働き方改革で優秀な人材確保につなげる。同社の従業員約8万人のうち1万6000人がパートなど契約社員だ。
除染事業者 5割超違反(9/12)
福島労働局は今年1~6月の半年間に福島第1原発事故の除染作業に携わった82事業者のうち45事業者に違反があり、是正指導したと発表した。違反は73件で、作業時に必要な防じんマスクや線量計を身に着けていない安全衛生法違反が58件、時間外割増賃金の不払いといった労働基準法違反が15件。廃炉作業でも131事業者のうち52事業者で、作業計画を作らないままフォークリフトを使用したなど77件の違反があった。
外国人就農 特区で通算3年に(9/11)
政府は国家戦略特区で認めた農業の外国専門人材について、日本で働ける期間を通算で3年とする方針だ。技能実習制度で働く場合は最長3年だが、特区では農繁期だけ働く場合などは初めて来日してから3年を超えても働くことを認める。年間の総労働時間の上限も設け過重労働を防ぐ。農業での外国人受け入れを盛り込んだ改正国家戦略特区法が6月に成立したことを受け、受け入れの詳細をまとめた指針や政令を近く公表する。
M字カーブの谷 緩やかに(9/9)
女性の就労が増えている。総務省の7月の調査によると、15~64歳人口に占める女性の労働力率は69.7%だった。35~44歳では75.3%(前年同月比0.7㌽増)で、労働力としてみなされる女性の割合を示すグラフをみると、30~40歳代の部分が顕著に落ち込む「M字カーブ」と呼ばれる特徴が薄れ、米国や欧州各国などに似通ってきた。10年前と比べると全ての年代で上昇し、全体的に底上げされている。
8月の中途求人倍率1.9倍(9/8)
リクルートキャリアがまとめた8月の転職求人倍率は1.9倍(前年同月比0.11㌽増)だった。16ヵ月連続で前年同月を上回り、2008年10月の統計以来最高の倍率となった。M&Aの専門知識を持つコンサルタントやIT関連の技術者などの需要が高まっている。職種別ではWEBプログラマーなどのネット関連専門職が5.99倍、建設関連技術者は4.74倍、IoTの技術導入などに必要な機械の組込・制御ソフトウエア開発技術者は4.71倍となった。
大企業健保 4割が赤字(9/7)
健康保険組合連合会は1399組合の2016年度決算を発表した。赤字の組合数は全体の約4割にあたる543組合(前年度比68減)だった。ただ、高齢者医療費への支援金が増え続けているほか高額薬剤の登場で医療費の増加は続く見通し。保険料率の引き上げや医療費の伸びが一時的に抑えられたことで、全体の収支は2373億円の経常黒字を確保した。黒字は3年連続。平均保険料率は9.11%(前年度比0.075㌽増)。
日本生命 定年65歳に延長(9/6)
日本生命保険は2021年度から従業員の定年を、現状の60歳から65歳に引き上げる。約1万5千人が対象で8月末に労働組合に示した。さらに一部の従業員を対象に、65歳を超えても勤務できる制度をつくることも検討する。生保では大手に先駆けて太陽生命が今年4月から内務職員約2300人を対象に、定年を65歳に延長。明治安田生命も19年4月から65歳に定年を延長する方針で、内務職員約9千人が対象となる見込みだ。
障害者雇用 中小を支援(9/5)
来年4月に障害者の法定雇用率が現在の2.0%から2.2%に引き上げられるのに合わせて、厚労省は企業の雇用拡大を後押しする。全国の労働局に93人の専門の支援員「就職支援コーディネーター」を配置するほか、障害者雇用に携わった企業OBを派遣する。関連事業の経費として2018年度予算の概算要求に156億円を計上した。法定雇用率が未達成なのは中小企業が多く、ノウハウを提供し採用強化を促す。
公務員定年 65歳に(9/4)
政府は現在60歳の国家公務員と地方公務員の定年を65歳に延長する検討に入った。65歳への引き上げを軸とするのは、公務員の年金制度にあわせるためだ。支給開始の年齢は13年度から25年度にかけて65歳に段階的に引き上げる予定だ。公務員の総人件費を抑制するための総合策もあわせてつくる。政府が率先して取り組むことで企業への波及効果も狙う。年度内にとりまとめ、18年の通常国会に国家公務員法改正案の提出を目指す。
中小の働き方改革 10月にも対策(9/2)
政府は中小企業の働き方改革などを議論する関係省庁連絡会議の初会合を開いた。働き方改革による中小の生産性向上と、人材確保の方策を議論する作業部会を設置し10月をめどに対策をまとめる。下請け対策では業種ごとに定める指針の対象を拡大。新たに放送や警備などの業種向けにも設ける。従業員の最低賃金も適切に引き上げるよう、全国での周知・啓発を強化する。中小企業では後継者や従業員の不足が深刻になっている。会合では中小が大企業の社員や女性、高齢者など多様な人材を活用しやすくするための制度整備を進める方針を確認した。
正社員求人倍率 2ヵ月連続1倍超え(9/1)
厚労省が発表した7月の正社員の有効求人倍率は1.01倍だった。1倍を超えるのは2ヵ月連続。雇用改善の動きは賃金水準の高い正社員にも広がっている。企業の求人に対し実際に職に就いた人の割合を示す充足率は15.0%。6~7人雇おうとして採用できたのは1人という計算。比較可能な2002年以降では過去最低。総務省が発表した7月の完全失業率は前月と同じ2.8%だった。
労基法改正 脱時間給と残業規制一本化(8/30)
厚労省は労働政策審議会の分科会を開き、「脱時間給制度」などを労働基準法改正案として一本化する方針を示した。連合は上限規制に賛成する一方、脱時間給制度には反対していて労使の溝は大きい。さらに厚労省は正規と非正規の不合理な待遇差をなくす「同一労働同一賃金制度」を創設する法案など、働き方改革に関する法案をまとめて国会に提出する方針。9月下旬にも召集する臨時国会での一括審議をめざす。
有効求人倍率 7月1.52倍(8/29)
厚労省が発表した7月の有効求人倍率は1.52倍(前月比0.01㌽増)だった。上昇は5ヵ月連続で43年5ヵ月ぶりの高水準となった。企業の求人は微減(前月比0.0%減)だったが、それ以上に求職者数が減少(同0.4%減)したことが有効求人倍率を押し上げた。業種別では、製造業や運輸業・郵便業での求人が目立った。雇用の先行指標とされる新規求人倍率は2.27倍(同0.02㌽増)。正社員の有効求人倍率は前月と同じ1.01倍だった。
来卒大学生 内定率84%(8/28)
リクルートキャリアが発表した2018年春卒の大学生の8月1日時点の内定率(内々定含む)は84.2%(前年比4.9㌽増)だった。2社以上から内定をもらった学生の割合は64.2%(同3.3㌽増)で、5年前に比べると18.4㌽増えた。人手不足で採用意欲が高まっているほか、内定辞退の増加で内定者の「歩留まり」が悪化しているため、多めに内定を出す企業が増えていることも背景にある。8月1日時点で就職活動を続けていると答えた大学生は27.3%(同3.8㌽減)だった。
無期転換 有期労働者84%「知らない」(8/26)
有期雇用契約が通算5年を超えた有期労働者が申し込んだ場合、無期雇用に転換できる労働契約法の「無期転換ルール」について、有期労働者の84.1%が内容を知らなかったことが連合のアンケートで分かった。「内容まで知っていた」との回答は15.9%にとどまった。54.5%がルールについて「待遇が正社員と同等にならないので意味がない」と答え、「モチベーションアップにつながる」と肯定的だったのは37.1%だった。改正法施行後、労働条件が変更されたかとの問いには11.5%が「契約期間や更新回数に上限が設けられた」、5.9%が「雇い止めがあった」と答えた。ルールを巡っては、無期転換を避けようと企業が契約年数や更新回数を制限したり、雇い止めをしたりすることが懸念されている。
脱時間給で対決へ(8/25)
連合は、働く時間でなく成果に応じて賃金を払う「脱時間給制度」の導入に反対すると正式決定した。一時は条件付きで容認する姿勢を示したが、連合組織内の反発で撤回した。政府・与党は9月召集の臨時国会で制度導入を定める労働基準法改正案を成立させたい考え。与野党の対決法案になりそうだ。優秀な人材が自由に働き、成果に見合った報酬を得ることが企業の競争力にもつながると、経済界は成長戦略に不可欠な政策と見ている。政府・与党も重要性を理解している。
働き方改革 中小へ(8/24)
政府は働き方改革を中小企業に広げるため「中小企業・小規模事業者の活力向上のための関係府省等連絡会議」を8月末にも発足する。会議の下に3つの作業部会を置き、それぞれ①コストの価格転嫁の促進など下請けの取引条件の改善 ②最低賃金の引き上げ ③働き方改革による生産性向上と人材確保 の具体策を議論する。具体策を2018年度予算案に反映する。
労基監督官 100名増員へ(8/23)
政府は労働基準監督官を来年度、100人増員する方針を固めたことが分かった。厚労省が来年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。政府は働き方改革の一環として罰則付きの残業規制を設ける方針で、違法な長時間労働の取り締まりに向け体制を強化する。厚労省によると2016年度末、監督官の定員は計3241人。17年度も50人増員した。ただ、全国の事業所は400万カ所超で、監督を実施するのは毎年全体の3%程度にとどまる。厚労省は15年、東京、大阪の労働局に監督官で構成する過重労働撲滅特別対策班(通称・かとく)を設置して電通などを立件、対策を進めてきた。
転職先でも有休とりやすく(8/22)
厚労省は転職した人が有給休暇をとりやすくなるように指針を見直し、10月から適用する。今の労働基準法では、企業は転職者に対して、働き始めてから6カ月後に有休を取得できるようにすればよい。入社直後でも有休を取れるように労使で検討することを盛り込む。特に子どもの学校休業日や地域のイベントに合わせて休暇を取ることなどを想定している。介護休暇や看護休暇は、労使協定によっては6カ月勤めないと取れない。厚労省は労使で規定があっても、ある程度は社員に配慮するように求める。
6月実質賃金0.1%減(8/21)
厚労省が発表した6月の毎月勤労統計調査によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月に比べて0.1%減少した。従業員1人あたりの平均の現金給与総額(名目賃金)は0.4%増の43万3043円だった。現金給与総額の内訳をみると、ボーナスなどを示す特別に支払われた給与が0.4%増となり、速報段階から1.9ポイント上方修正し賃金全体を押し上げた。
働き方改革で基本法整備へ(8/19)
厚労省は働き方改革を政府をあげて推進するための基本法を作る。現在の雇用政策の基本方針を盛った雇用対策法を衣替えし、「労働政策総合推進法」などの名称で新たに基本法と位置づける。基本法は国の重要政策の理念や方針を示すもの。法律の名称や具体的な中身は8月下旬にも開く労働政策審議会で示す。企業が従業員の職務や能力を明確化し、公正な評価を推進することの重要性を盛り込む考え。雇用形態に関係なく、仕事の中身や成果で公平に報いる賃金制度の必要性なども明文化する。今秋の臨時国会に法案を提出する。
8月 大卒内定率88%(8/18)
2018年3月卒業予定の学生の就職活動が終盤戦を迎えようとしている。就職情報サイトのディスコが発表した18年春卒業予定の大学生・大学院生の8月1日時点の内定率(内々定を含む)は88.2%(前年同期比2.4㌽増)だった。5月には3割台だったが、経団連加盟企業の面接が解禁となった6月に6割を超え、7月1日には83.2%まで上がっていた。昨年は10月に内定率9割を超えたが、今年は9月に到達する可能性が高いという。
最低賃金25円上げ(8/17)
2017年度の都道府県別最低賃金の改定額の答申が出そろった。時給800円以上の自治体が前年比7割増の15都道府県に上った。全国平均は現在より25円高い848円になった。厚労省の中央最低賃金審議会は7月下旬、最低賃金の目安を全国加重平均で時給25円引き上げるよう答申した。経済状況などに応じて都道府県をA~Dの4ランクに分け、26~22円の引き上げ目安額を示した。これに基づき、各都道府県の地方審議会が引き上げ額を決め、各地の労働局長に答申した。10月をめどに改定される見通しだ。最も高いのは東京の958円で、神奈川(956円)や大阪(909円)が続いた。最も低いのは佐賀や長崎など8県の737円だった。静岡県は832円。
女性管理職比率6.9%(8/16)
帝国データバンクの調査発表によると、女性の管理職(課長職以上に相当)の割合は平均6.9%(前年比0.3㌽増)だった。女性管理職が30%以上の企業の割合が0.8㌽高まった半面、女性管理職がいない企業は49.2%だった。女性が代表者の企業では女性管理職の割合は平均20.5%と、男性社長の企業(同6.6%)を大きく上回った。アンケートでは、女性が活躍していくために必要なことは「保育・幼児教育等の量的・質的向上」58.8%、「待機児童の解消」51.7%と回答。女性管理職の割合については「変わらない」57.9%、「増加する」24%だった。
外国人技能実習生雇用 7割法令違反(8/15)
厚労省は2016年に外国人技能実習生が働く事業所に対して立ち入り調査した結果を発表した。調査した5672事業所のうち、7割に当たる4004事業所(前年比8.3%増・3年連続過去最多)で労働基準法などの法令違反があった。違反事項としては長時間労働が最も多く、調査対象全体の23.8%を占めた。次に多かったのは使っている機械の安全対策が不十分といった労働安全衛生法違反で1097事業所(19.3%)だった。厚労省は監督指導を強化する方針だ。
派遣大手 派遣社員を無期雇用に(8/14)
パソナやヒューマンホールディングスなど人材派遣会社が相次ぎ派遣社員を無期雇用契約に切り替える。勤続年数5年超の有期雇用契約の社員は、2018年4月から無期雇用を会社側に申し入れることができるようになる。パソナは専門職として派遣する社員の対象職種を、17年度中に8職種から20職種に拡大する。来春に勤続年数が5年を超える対象職種の派遣社員は最大で約5千人。希望者は無期雇用契約に変更する。ヒューマンホールディングスは一般事務の派遣社員を無期雇用契約に切り替える。18年4月時点で最大700人が切り替えの対象となる。
セブンイレブン 店員向けに保育園(8/12)
セブン―イレブン・ジャパンは、コンビニエンスストアの店舗で働く店員向けに保育園の設置を始めると発表した。まず9~10月にかけて都内と広島市内に2ヵ所設け、順次広げる方針だ。「セブンなないろ保育園」の名称で、東京都大田区に定員30人、広島市に定員19人の保育所を設ける。平日の午前8時から午後8時まで0~2歳の子供を預かる。保育料金は検討中で、国の助成金の活用やセブンが一部費用を負担することで、地域の水準より安くする。地域住民が利用できる枠も設ける。保育園を最初から併設するコンビニ新店の展開も検討する。
クレディセゾン 全従業員を正社員に(8/11)
クレジットカード大手のクレディセゾンは9月、従業員の雇用形態を正社員に一本化する。パートタイムや嘱託などの区分をなくし、正社員と同じ給与体系や福利厚生などの待遇を適用する。約4100人のうち、パート社員ら約2200人が正社員化の対象だ。正社員になるための勤務期間の条件はなく、登用試験なども実施しない。賞与を含めた賃金体系を正社員と同じにするほか、有給休暇や確定拠出年金などの福利厚生も得られるようにする。また時短勤務やテレワークの導入で、雇用形態を一本化した後も柔軟な働き方に対応できるようにする。
管理職の女性比率12.1%(8/10)
厚労省によると、2016年度の課長相当以上の管理職に占める女性の割合(企業規模10人以上)は12.1%(前年度比0.2㌽増)だった。割合は、比較可能な統計のある09年度以降で最も高かった。役割別では部長相当職6.5%、課長相当職8.9%といずれも前年度よりも上昇した。係長相当職は14.7%と前年度と同率だった。課長以上の女性管理職の割合を産業別にみると、医療・福祉業(50.6%)や飲食・宿泊サービス業(21.0%)で高かった。一方、電気ガス水道業(1.8%)や金融保険業(8.7%)では割合が低かった。政府が掲げる「20年までに女性の管理職比率を30%にする」という目標にはほど遠い。
7月中途求人倍率1.87倍(8/9)
リクルートキャリアがまとめた7月の転職求人倍率は、1.87倍(前年同月比0.08㌽増)と、15ヵ月連続で前年実績を上回った。職種別ではWEBプログラマーなどのネット関連専門職が5.74倍、建設関連技術者は4.91倍、IoTの技術導入などに必要な機械の組込・制御ソフトウエア開発技術者は4.60倍となった。地域別では自動車関連など製造業が集積する東海地区が3.18倍、関東は1.66倍、関西は1.43倍だった。
ゼリア新薬 自殺社員の遺族提訴(8/8)
製薬会社「ゼリア新薬工業」の新入男性社員(当時22歳)が自殺したのは、新入社員研修で受けた心理的負荷が原因だとして、男性の両親が同社や研修の委託先のコンサルティング会社などに約1億500万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。遺族側の弁護士らによると、男性は2013年4月に入社。約4ヵ月の予定の新入社員研修に参加し、5月上旬に精神疾患を発症した。同月18日、研修施設から帰宅する途中に自殺した。研修では、それぞれの悩みや弱みを打ち明けさせる「意識行動変革研修」を実施。講師が多くの受講者の前で男性がきつ音だと指摘したり、過去のいじめの体験を話させたりした。男性は、研修の報告書で「一番知られたくなかった同期の人々にまで知られてしまい、ショックは数倍増しだった」とつづっている。遺族は14年12月に労災申請した。中央労働基準監督署は15年5月に労災認定した。
来卒内定8割(8/7)
マイナビが発表した2018年春卒業予定の大学生・大学院生の7月末時点の内定率(内々定を含む)は78.9%で、昨年の8月末時点の内定率(77.5%)を既に上回った。今年6月末と比較すると5.6㌽上昇。5月末から6月末の内定率が20㌽増加したのに比べると緩やかな上昇にとどまり、企業が内々定を出すピークが今年は6月だったことがうかがえる。今後も就職活動を継続する学生は36.0%だった。入社予定の企業から、保護者が入社を承諾しているか確認する「オヤカク」を問われた学生は30.5%に上った。
東京海上 全社員にテレワーク(8/5)
東京海上日動火災保険は、自宅など社外での勤務を認めるテレワーク制度を10月から全社員に拡大する。対象は1万千人で、日本全国いつでもどこでも利用できるようになる。これまでは育児や介護が必要な社員ら一部に利用が限られており、対象者は約4千人にとどまっていた。利用条件も大幅に緩和する。現在は育児中の利用者らには子供の病気など「突発的な事由」が生じた場合、という厳しい条件を設けているが、今後は事由を問わない。所属長の許可を得れば利用できる。
大卒就職率76%(8/4)
今年3月に大学(学部)を卒業した人の就職率が76.1%(前年比1.4㌽増)だったことが文科省が発表した学校基本調査で分かった。7年連続の上昇で、24年ぶりの水準に回復。四年制大学への進学率は52.6%(同0.6㌽増)で過去最高を更新した。今春学部を卒業した56万7千人のうち、就職したのは43万2千人。男性の就職率は71.1%、女性は82.1%だった。就職者のうち契約社員など非正規の人は、前年より796人減の1万8342人で、卒業生に占める割合は0.2ポイント減の3.2%だった。
中途求人倍率 7月2.31倍(8/3)
人材紹介大手のパーソルキャリア(旧インテリジェンス)が発表した7月の中途採用の求人倍率は、2.31倍(前月比0.12㌽減)だった。新卒採用がピークを過ぎて中途採用にシフトする企業が増えたが、転職希望者がそれ以上に増えて倍率を押し下げた。求人数は1.2%増え過去最多を更新。IT・通信技術者の求人は3.4%、電機・機械技術者は2.1%、金融業は3.9%増えた。転職希望者は6.1%増えた。求人案件の吟味に2ヵ月以上かける人が多く、転職活動が長期化している。
医師にも残業規制(8/2)
厚労省の有識者検討会は、医師の残業時間のあり方について議論を始めた。医師の長時間労働は深刻で、たとえば1週間の労働時間が60時間を超す人の比率では医師は全体の42%に達しており、働き方改革が必要と判断した。年間720時間など一般労働者向けの規制はすでに固まっており、歩調をあわせる。救急患者への対応など特殊事情を考慮しながら、別途具体的な規制を検討する。2019年3月までに結論を出す。
トヨタ 一般職にもテレワーク(8/1)
トヨタ自動車は12月にも、一般職にあたる業務職を対象にしたテレワーク制度を始める。子育てや介護をしている社員が対象で、勤務時間内に4時間在社すれば残りは在宅で仕事ができる。一般職を対象にした在宅勤務制度を設けるのは珍しい。新制度は中堅以上の業務職約4200人が対象。小学校4年生以下の子どもがいたり、要介護の家族がいたりして在宅勤務が必要になった場合、在宅勤務を選べる。本人が1週間前までに申請し上司が承認する。勤続1年未満や退職を近く控えた社員は対象外。
正社員求人倍率 初の1%超え(7/31)
厚労省が発表した6月の正社員の有効求人倍率は1.01倍と、2004年の調査開始以来初めて1倍を超えた。求人が求職を上回り、企業には正社員のなり手をみつけにくい厳しい状況。パートタイムを含む全体の有効求人倍率は1.51倍。バブル期で最も高かった1990年7月(1.46倍)も上回った。求人してもどのくらい必要数に足りないかを示す企業の欠員率は4.2%。高度経済成長末期の73年以来の高水準だ。
電通の36協定 無効知りつつ立件(7/28)
電通の違法残業事件で、同社の「36協定」が無効になっていることを厚労省が昨年秋の立ち入り調査などで把握していたことが分かった。厚労省は同協定が有効との前提で電通幹部らを労働基準法違反容疑で書類送検しており、同省の対応について専門家から批判が出ている。検察当局は法人としての電通や同社幹部の刑事処分を決める際、同社の36協定は無効とみなしつつ、電通幹部が「協定を有効と誤信していた」として、協定の上限を超える部分を違法残業と認定した。
日本建設業連合会 法改正に先駆け残業規制(7/27)
大手建設業で構成される日本建設業連合会は、8月中に毎月の残業時間の上限規制を設け、9月にも会員の約140社に対して適用すると発表した。政府のまとめた残業時間の上限規制では「年720時間、月100時間未満」が掲げられ、建設業界への導入には5年の適用猶予が認められていたが、先行して自主規制に取り組む。ただし強制力はなく、下請などは対象外となっている。
違法残業 4割超の事業所で(7/26)
厚労省は、2016年度に月80時間超の長時間労働が疑われる2万3915事業所を立ち入り調査した結果、43.0%(15年度は56.7%)の事業所で労使協定を上回るなど違法な残業を確認したと発表した。違反が確認された事業所のうち、時間外が月100時間を超えていたのは5559ヵ所(54.1%)と5割を超えていた。厚労省によると、労使協定の特別条項で残業の限度を80~100時間としている事業所が一定数あり、立ち入り調査の対象になったが労使協定の範囲内のケースがあったという。長時間労働以外では、労基署が残業代を適切に支払っていないとして是正勧告をした事業所が1478ヵ所(6.2%)あった。
電通 労働時間2割減(7/25)
電通は新入社員の女性が過労自殺したことなどを受け、社員の労働時間を2割削減することなどを柱とした労働環境改革の基本計画を発表した。残業の上限時間を定めた三六協定違反やハラスメント、過重労働をそれぞれゼロにする。週休3日制への移行も検討するなど休み方改革も進め、新しい働き方への転換を図る。また午後10時~午前5時の業務を原則禁止する。
ストレスチェック実施8割(7/24)
厚生労働省は今年6月末時点でのストレスチェック制度の実施状況を初めて公表した。実施率は82.9%にとどまり、実施したうえで部署による違いなどの分析までしたのは64.9%だった。同制度は2015年12月に開始。従業員50人以上の事業所は年1回、ストレスチェックを実施し、結果を受けて従業員から申し出があれば医師による面接指導などを行わなければならない。業種別では金融・広告業が93.2%で最も高かった。全事業所の従業員のうち、78.0%が同時点までにストレスチェックを受けた。医師による面接指導は32.7%の事業所が行っていた。
新国立工事現場 作業員自殺を調査(7/22)
新国立競技場の工事現場で管理業務に従事していた入社1年目の建設会社の男性社員(当時23)が3月に自殺し、遺族が労災申請したことを受け、新宿労働基準監督署は工事現場を任意で立ち入り調査した。男性は昨年4月に東京都内の建設会社に入社。同社は新国立競技場の建設を請け負う大成建設から地盤改良工事を受注し、男性は同12月に施工管理業務に就いた。会社の調査によると、男性の時間外労働は今年2月に約193時間に上った。男性は3月に失踪し4月に長野県で遺体で見つかった。
労基法の手続き 電子申請しやすく(7/21)
厚労省は36協定を巡り、企業側が労働基準法に基づいてつくる届け出書類の手続きを簡素化する。社会保険労務士に書類の電子申請を委託する場合、労働基準監督署に提出する電子証明書などを不要にする。12月から実施。今回は就業規則の申請手続きなども対象になる。労基法関連の届け出の電子申請率は非常に低迷している。2015年の36協定の電子申請数は約4千件と、全体の0.28%にとどまる。
脱時間給 合意を延期(7/20)
「脱時間給」(ホワイトカラー・エグゼンプション)を含む労働基準法改正案を巡り、政府、連合、経団連は修正案の合意を延期する。連合の組織内から反対意見が相次いでいるためだ。政府は月内の合意をめざす。脱時間給は、労働時間でなく成果に基づき賃金を払う制度。現行の法案では「年104日以上の休日取得」「労働時間の上限設定」「勤務間インターバル」のいずれかを導入すると定める。
残業抑制へ数値目標(7/19)
経団連は会員企業に要請する働き方改革の具体策をまとめた。残業時間を抑えるため、年間の総労働時間などに数値目標を設定する。会員企業には有給休暇や柔軟な働き方を進めるための数値目標も設けてもらう。各社の目標と達成するために定める行動計画とを合わせて、経団連のホームページで2018年度から公表する。数値目標は各社に委ねるが、総労働時間のほかに、週末や祝日を含む4連休の取得率やテレワークを活用する社員の割合などを具体例としてあげた。
非正規 無期雇用転換で人材つなぎとめ(7/18)
期間の定めのある従業員を無期雇用に切り替える企業が増えている。改正労働契約法により、2018年4月以降に勤続5年を超える非正規社員は無期雇用を申し入れできるようになり、対象は400万人以上に上る。18年4月を待たずに無期転換し有能な人材を囲い込む動きが加速してきた。ベルシステム24は10月から約2万2千人の非正規社員を無期雇用に切り替える。勤務期間が6ヵ月を超えた段階で申し入れができる。日本生命保険はすでに勤続年数を問わず有期雇用の社員約1千人を無期雇用に転換した。パート約6千人についても、18年4月から勤続5年を超えた段階で希望があれば無期雇用に切り替える。高島屋は販売部門などで契約期間が1年を超えた約3200人の契約社員などを無期雇用に転換した。
プロ人材 独禁法で保護(7/17)
企業と雇用契約を結ばずに働くフリーのプロフェッショナル人材らの労働環境改善に向け、公正取引委員会は独占禁止法を活用する。力関係の差を背景に企業が転職制限をかけたり引き抜き防止協定を結んだりして人材を囲い込む恐れがあるためだ。生産性の高いプロ人材が働きやすい環境を整備することは日本の国際競争力強化にも欠かせない。公取委は不公正な慣行を是正し、プロ人材らの自由度を高める。公取委は8月に厚労省、スポーツ庁と研究会を立ち上げて実態を調査する。
転職で賃金1割アップ 4年連続増加(7/16)
リクルートキャリアの調査によると「営業職」など人数の多い5職種の職種で、転職前後で賃金が1割以上増えた人の割合は、2016年度は28.7%(前年比0.2㌽増)で4年連続で上昇した。賃金上昇が鈍い理由の1つに日本特有の雇用流動性の低さが指摘されている。転職で賃金が上がるとなれば、雇用の流動化が進み全体の賃金上昇につながる可能性がある。
社会保障協定 フィンランドと交渉へ(7/15)
政府はフィンランドとの社会保障協定の締結に向けた交渉を開始する。両国は社会保障制度への加入が義務付けられており、最低加入期間に満たない場合に保険料が掛け捨てとなる。5年以内の駐在なら自国の社会保障制度のみを適用できるようにする。5年を超える場合でも、それぞれの加入期間を通算して年金受給を認める。フィンランドの社会保険料は2割超。日本は先進国をはじめとする20カ国との社会保障協定を署名済みだが、北欧の締結国はまだない。
中小の賃上げ61%(7/14)
日本商工会議所は2017年の中小企業の賃上げ状況に関する現段階での調査結果をまとめた。3468社のうち定期昇給やベアを実施した企業は61.9%(前年比7㌽増)。未定と答えた企業は20%超にのぼり、今後賃上げに踏み切る余地もまだありそうだ。賃上げの理由では「人材確保・定着」が82.8%と最多。業種別では、賃上げをした企業が製造業や建設業で6割を超えた一方、小売業は46%にとどまった。賃上げの手法ではベアが36.5%、定期昇給が75.2%だった。
厚労省の男性職員 育休取得率34.6%(7/13)
厚労省は2016年度の男性職員の育児休業の取得率が34.6%で、過去最高の水準となった。政府が働き方改革に取り組む中、昨年末に自ら部下の育児に理解がある上司「イクボス」を宣言したことなどが改善につながったようだ。厚労省は国会関係の業務が多く、職員の長時間労働が常態化している。日本では男性の育休取得率は低く、全体では3.16%。政府は20年までに13%を目指しているが達成は見通せない。
6月の派遣時給 1524円(7/12)
求人情報大手のエン・ジャパンが発表した6月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏で1524円(前年同月比1.9%減)だった。前年同月を下回るのは9ヵ月連続。業種別ではIT系が2038円(同2%減)。ビッグデータを扱うエンジニア職などで未経験者採用が増えている。医療・介護系は1264円(同0.8%減)。オフィスワーク系は1532円(同1.6%増)で過去最高額を3ヵ月月連続で更新した。営業事務などで時給が上がっている。地域別は関東1574円、東海1353円、関西1338円だった。
求人と条件相違の相談減(7/11)
厚労省は「ハローワークの求人票の内容と実際の労働条件が異なる」といった相談が2016年度に9299件(前年度比15%減)だったと発表した。相談を受け、厚労省が実際に求人票と労働条件の相違を確認したのは3608件(39%)。他に企業の説明が足りなかったり、求職者が誤解したりしたケースがあったという。相談内容は「賃金」(28%)、「就業時間」(21%)、「職種・仕事内容」(14%)の順に多かった。3608件のうち982件は求人票の内容を変更。330件は職業紹介を一時停止し、311件は求人取り消しなどの対応を行った。
実質賃金 5ヵ月ぶり増(7/10)
厚労省が発表した5月の毎月勤労統計調査によると、物価上昇分を差し引いた実質賃金は前年同月と比べて0.1%増えた。5ヵ月ぶりにプラスに持ち直した。1人当たりの名目賃金にあたる現金給与総額は27万241円(同0.7%増)だった。名目賃金の内訳をみると、所定内給与が同0.9%増、所定外給与は0.7%増だった。正社員などフルタイムで働く人の比率が大きくなり、大幅増につながった。パートタイム労働者比率は30.18%(前年比0.14㌽減)だった。
アパレルでIT人材争奪戦(7/8)
衣料品各社がIT人材の中途採用を増やす。通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイは4割増員する計画で、最大で2千万円の年収を提示する。店舗の販売が中心だった企業もネット通販の拡大で採用を進める。衣料品の市場全体が伸び悩む中、ネット通販比率は1割まで高まっている。IT人材は自動車やエネルギーなど様々な業種で需要が高まっている。経産省の調査ではIT人材は約20万人不足しており、30年には約60万人まで拡大する見通し。業種を超えた人材獲得競争が激しくなる。
公的年金2年ぶり黒字(7/7)
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2016年度の運用益が7兆9363億円だったと発表した。5兆円超の運用損を計上した15年度から一転、2年ぶりの黒字。資産の5割弱を国内と海外の株式で運用しており、年度後半の株価上昇で保有資産の評価益が大きく膨らんだ。
大卒内定率 8割超(7/6)
就職情報サイトのディスコが発表した2018年春に卒業予定の大学生・大学院生の7月1日時点の内定率(内々定を含む)は83.2%(前年同日比3.4㌽増)だった。同時点の内定率が8割を超えるのは9年ぶり。経団連企業が選考を始める6月より前に内定を出す動きが加速している。6月からの1ヵ月間での内定率の伸びは19.8㌽で、昨年の伸び幅(24.9㌽)を下回った。今年は4~5月に内定を出す企業が大幅に増えた。関東の学生の内定率が最も高く84.6%、中部は82.8%、近畿は80.7%だった。
18年春卒の求人倍率1.78倍度(7/5)
リクルートホールディングスがまとめた2018年春卒学生の求人倍率は1.78倍で、売り手市場の目安とされる1.6倍を4年連続で上回った。学生優位の「売り手市場」が続くなか、人材確保に焦りを感じる企業が増えている。入社後に社風や業務内容が合わずに3年内に退職する若手社員も多い。採用のミスマッチを防ぎたい企業にとって、いかにして効率的に自社に合った人材を獲得できるかが大きなテーマとなっている。
首都圏で一斉テレワーク(7/4)
NECグループや全日本空輸など約420社・団体が24日、首都圏で一斉に在宅勤務などテレワークを実施する。NECネッツエスアイは初めて役員会をテレワークで開き、ほぼ半数が自宅など会議室外から出席する。全日本空輸は夏休み中の子供と遊ぶことなどを念頭に、在宅勤務中に数時間の業務中断を認める。参加者は全体で3万人を上回る見通しだ。24日は2020年東京五輪の開会式の日で、五輪期間中は首都圏の大混雑が予想される。政府が今年から同日を「テレワーク・デイ」と名付け、首都圏の企業に予行演習を呼びかけているのに対応する。
保育補助の雇用助成拡大(7/3)
厚労省は保育の人材不足解消に向け、賃金の支援対象となる保育補助にあたる人の雇用要件を大幅に緩和する。早ければ今年度中にも、雇用支援の対象者を保育士になりたい人全般に広げ、現場で働きながら知識や技術を身につけてもらう。現在は「子育て支援員」の研修を受けた人に限っているが、都市部では特に保育士不足が深刻で、設備は整っているのに、保育士や補助の人手不足のために定員まで預かれない施設もある。厚労省は15年度から「子育て支援員」制度を導入。数週間の研修を受けた人を対象に、保育所で保育補助にあたる場合に国や自治体がその人たちの賃金を補助する。
ベネッセ スカウト型就活求人サイト開設(7/1)
ベネッセホールディングスは学生と企業を直接結びつける専用サイト「DODAキャンパス」を開設する。9月から本格的にサービスを開始する。約3300社が登録し、17年度中に約4000社まで増やす。「逆求人」や「スカウト型」と呼ばれる大学生向け専用サイトの登録企業数で最大規模となる。学生は1年生から原則無料で登録できる。企業はサイトに登録すると学生の個人ページを閲覧でき、学生時代の経験や性格などを見てほしい人材だけにメールなどでアプローチする。
精神疾患の労災認定 16年度最多(6/28)
長時間労働などで精神疾患を発症し、2016年度に労災認定を受けたのは498人(前年度比26人増)で過去最多を更新、うち過労自殺(未遂を含む)は84人(9人減)だったことが厚労省のまとめで分かった。精神疾患による労災申請は1586人(71人増)でこちらも過去最多だった。今回の過労自殺の中には、電通の新入社員、高橋まつりさん(当時24)が含まれている。労災認定を受けた人の月平均の時間外労働は、100時間以上は158人でうち160時間以上は52人だった。一方で20時間未満でも84人が労災認定を受けていた。労災認定を年代別にみると、30~50代は前年度と比べて減ったが、20代が107人と20人増えた。業種別では製造業(91人)、医療・福祉(80人)、卸売・小売業(57人)の順番だった。一方、脳梗塞や心筋梗塞など「脳・心臓疾患」で労災申請したのは825人(30人増)。労災認定を受けたのは260人(9人増)で、うち過労死したのは107人(11人増)だった。脳・心臓疾患による労災認定は中高年に多い。50代が99人、40代が90人で、過労死の多くもこの年代で起きている。業種別にみると「道路貨物運送業」が89人で最も多かった。
5月求人倍率1.49倍(6/27)
企業の人手不足に一段と拍車がかかっている。厚労省が発表した5月の有効求人倍率は1.49倍と、1974年2月以来の高さを記録。正社員の有効求人倍率(季節調整値)は0.99倍で2004年の調査開始以来で最高となった。新規求人数を業種別にみると製造業が前年同月比11.5%増だった。自動車を中心に生産が堅調に推移。慢性的な運転手不足に悩む運輸・郵便業が10.4%増えたほか、医療・福祉業も9.0%増だった。
残業超過 日経新聞に是正勧告(6/26)
日本経済新聞東京本社が社員に長時間労働をさせていたとして、中央労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。勧告は5月30日付。日本経済新聞社によると是正勧告を受けたのは同本社の総務・経理部門などで、社員に労使協定で定めた残業時間を超過する長時間勤務をさせていたという。
求人広告件数 5月1.7%減(6/24)
求人情報会社で構成する全国求人情報協会がまとめた5月の求人広告掲載件数は、114万2584件(前年同月比1.7%減)で2ヵ月連続で前年同月を下回った。媒体別ではフリーペーパーが8.5%減、有料求人情報誌は6.3%減、折込求人誌は3.1%減だった。全体の6割を占めるインターネット求人サイトは2.0%増。協会は「複数サイトに広告を出しても採用に結びつかないため、掲載先を絞る動きがでている」とみる。
最低賃金20円超上げへ(6/23)
2017年度の最低賃金は2年連続の20円超の引き上げとなりそうだ。昨年度の上げ幅は過去最高の25円。厚労省は中央最低賃金審議会を開き17年度の最低賃金の引き上げに向けた議論を始める。現在の全国水準は加重平均で時給823円。政府は3月に策定した働き方改革実行計画で最低賃金の時給1千円を目指し、毎年3%程度引き上げる方針を明記した。仮に今年度も3%の引き上げなら25円増の848円となり、今後も3%ずつ上がれば23年度に1千円を超える計算だ。
マタハラ 是正指導840事業所(6/22)
マタニティーハラスメントの対策が不十分だとして、今年1月から3ヵ月間で各都道府県の労働局が840事業所に是正指導をしていたことが厚労省の集計で分かった。マタハラをした従業員に厳正に対処することなどが会社の方針として明確になっていなかったり、相談窓口が設けられていなかったりするなどの不十分な対応が見つかった。一方、1月施行の改正育児・介護休業法では育児休業や介護休業を取得する従業員へのハラスメントを防ぐ対策も義務化された。各地の労働局は育児休業関連で870事業所、介護休業関連で868事業所に対して是正指導を行った。
17年の賃上げ実施8割(6/21)
東京商工リサーチは2017年の賃上げ状況の調査をまとめた。4月に賃上げを実施した企業は全体の82.6%(前年比2.6㌽増)で、ベアを実施した企業も34.5%(同9.3㌽増)だった。資本金別では1億円以上の企業で86.6%、1億円未満でも82%が賃上げを実施。内訳は「定昇のみ」29.6%、「定昇とベア」15.5%だった。定昇とベアの上げ幅は「5千円以上1万円未満」がそれぞれ27.3%、21%で最多だった。賃上げの実施理由は「従業員を定着させるため」が52.8%と過半数を占めた。
来春卒業の学生 就職内定率67%(6/20)
マイナビが発表した2018年春卒業予定の大学生・大学院生の6月15日時点就職内定率(内々定を含む)は67.7%で、既に昨年6月末時点の内定率を2.4㌽上回った。5月末時点での内定率は53.3%で、内定率は6月に入って半月で14.4ポイント高まった。経団連が加盟企業に求める面接解禁の1日以降、大手を中心に選考が一斉に始まった。
ユニリーバ 入社2年前に内定(6/19)
日本法人ユニリーバ・ジャパンは、6月から最速で入社の2年前に内定を出す新たな採用制度を導入したと発表した。大学1年生から卒業後3年以内の既卒者までが対象。適性試験や面接、インターンシップなどを含む1ヵ月~半年程度の過程を経れば年3回実施する最終面接を受けられる。内定後、入社まで最長2年間の猶予を与えられ、この間に海外留学や社会活動への参加も認められる。入社時期は4月か10月を選択できる。
大和ハウス 外国人200人採用(6/17)
大和ハウスは2021年度までにホテル運営といったリゾート部門で新卒全体の約8割にあたる約200人の外国人を採用する。訪日客対応を強化したホテルを今後約10ヵ所開業するため、欧米などに採用担当者を派遣して語学力の堪能な人物を現地で採る。20年の東京五輪開催も見据え訪日客需要を取り込む体制を強化する。日本のホテルが海外で従業員を大量採用するのは珍しい。
パワハラ労働相談 5年続最多(6/16)
厚労省は「個別労働紛争解決制度」の2016年度の利用状況を公表した。全体の労働相談件数は約113万件(15年度比9.3%増)。内訳はパワーハラスメントを含む「いじめ・嫌がらせ」が同6.5%増の7万917件で5年連続で最多だった。次いで相談が多かったのは「自己都合退職」で同7.2%増の4万364件。厚労省によると、人手不足により「会社が辞めさせてくれない」といった相談が増えているという。「解雇」は同2.7%減の3万6760件だった。
大和ハウス シニア雇用4割(6/15)
大和ハウスは建物・設備の設計や現場監督といった技術系分野で、シニア人材の雇用を増やす。2018年3月期に50代以上の技術者を前期比4割増の70人ほど採用する。同社は17年3月期に契約社員も含めて350人を中途採用した。うち技術系は135人で、18年3月期は200人ほどに増やす予定。施工管理技士や1級建築士などの有資格者が対象で、3分の1ほどを50~60代で充当する計画だ。
HIS 違法残業で書類送検(6/14)
大手旅行会社のHISが社員2人に労使協定の上限を超える時間外労働をさせていたとして、東京労働局は労働基準法違反の疑いで法人としての同社と労務管理を担当していた幹部2人を書類送検した。送検容疑は2015年に40代と20代の女性社員に労使協定の上限を超える違法な時間外労働をさせた疑い。労働局によると、40代の女性の時間外労働は最長で1月あたり109時間30分だった。同局は昨年3月に任意で立ち入り調査。同年7月に強制捜査に切り替え労務管理に関する資料を分析してきた。HISは10~14年度の5年間に違法な時間外労働で合計10回以上の是正勧告を労働基準監督署から受けていた。1つの事業所で10人以上の社員が100時間を超える時間外労働に従事していた事案もあった。
派遣時給 7ヵ月ぶり下げ止まり(6/13)
リクルートジョブズがまとめた5月の派遣社員の募集時平均時給は三大都市圏が1616円(前年同月比同じ)だった。人手不足による未経験者採用の増加で下落が続いていたが7ヵ月ぶりに下げ止まった。職種別ではIT技術系が2027円(0.1%減)、デザイナーは1698円(0.9%減)。ホームページ制作・デザインなどで未経験者の採用が多い。営業・販売・サービス系は1445円(3.1%増)。医療介護・教育系は1426円(0.7%減)で資格がない人の採用が増えている。オフィスワーク系は1498円(1.1%増)。地域別では関東が1691円、東海が1440円。関西は1410円だった。
外食大手が時短正社員(6/12)
外食大手が短時間正社員制度を相次ぎ導入している。「牛角」を展開するコロワイドは一週間の労働時間を最短20時間とする限定社員制度を6月から導入した。勤務地は通勤できる地域内の店舗に限定する。すかいらーくは1日の労働時間を4時間から12時間までの5つのパターンから自由に選べる制度を導入。組み合わせにより週休4日も可能となる。ロイヤルホールディングスも短時間勤務の導入を検討している。吉野家ホールディングスは今春、労働時間を自由に設定できる地域限定社員の制度を牛丼店を展開する吉野家の地方子会社に広げた。日本KFCホールディングスも同様の制度を昨年導入している。
女性活用の情報公開 大企業で進展(6/10)
政府は2017年版男女共同参画白書を閣議決定した。従業員5千人超の大企業を中心に、女性活躍推進法に基づく情報公開が進んでいると強調した。一方、女性活躍の行動計画を国のデータベースに登録していない企業が全体の5割に上ることも明らかになった。16年4月に全面施行された女性活躍推進法は企業に情報公開を義務付けている。従業員301人以上の企業は、女性が働きやすい職場づくりに向けた行動計画を策定しなければならない。女性管理職の登用や育児休業の取得など14項目のうち1つ以上を公表することも求めていた。
障害者雇用 13年連続最多(6/9)
政府は2017年版「障害者白書」を閣議決定した。民間企業の障害者の雇用者数は16年6月時点で47万4374人で、13年連続で過去最多を更新した。雇用者の平均割合は1.92%で、依然法定雇用率の2%には届いていない。白書では20年の東京五輪・パラリンピックに備えバリアフリーを推進していく方針を強調。公共交通分野のバリアフリー基準の17年度中の改正を明記した。
内定率6月1日時点で61%(6/8)
就活支援のリクルートキャリアは、2018年春卒業予定の大学生の6月1日時点の就職内定率が61%(前月比25.9㌽増、前年同期比9.7㌽増)だったと発表した。人手不足感が強いなか、企業が早く選考を進めて内定を出す傾向が強まっている。6月1日は経団連に加盟する大手企業の選考解禁日で、各社が一斉に面接を始める。ただ外資や中小など非加盟企業では6月よりも前に選考が本格化している。経団連加盟企業も優秀な人材を確保しようと解禁前に実質的な選考を進め、6月1日に内定を出しているところがあるとみられる。
実質賃金2ヵ月ぶりプラス(6/7)
厚労省が日発表した4月の毎月勤労統計調査によると、物価上昇分を差し引いた実質賃金は前年同月と比べて横ばいだった。2ヵ月ぶりにマイナスから持ち直した。1人当たりの名目賃金にあたる現金給与総額は27万5321円(同0.5%増)で、うち所定内給与が同0.4%増加、通勤手当や賞与など特別給与は5.6%の大幅増、所定外給与は0.2%減だった。正規社員を含むフルタイム労働者の増加が賃金増に寄与した。
5月の中途求人倍率1.85倍(6/6)
リクルートキャリアが発表した5月の転職求人倍率は1.85倍(前年同月比0.15㌽増)と、13ヵ月連続で前年実績を上回った。職種別ではWEBプログラマーなどのネット関連専門職の転職求人倍率が最も高く5.87倍だった。建設関連技術者は4.67倍、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の技術導入などに必要な機械の組込・制御ソフトウエア開発技術者は4.55倍となった。
佐川 週休3日制(6/5)
佐川急便は正社員のトラック運転手に週休3日制を導入する。給与水準は週休2日制の場合と同程度とし、休日は兼業も認める。「変形労働時間制」を活用し1日当たりの労働時間を10時間とし、勤務日はシフト制で本人の希望と事業所の繁閑を勘案して決める。東京都と山梨県で週休3日制の正社員の募集を始めた。効果を見て、他の地域の採用活動や既存の運転手にも適用を広げることを検討する。佐川の運転手は現在、正社員と契約社員を含めて約3万人に上る。多様な働き方を用意することで運転手を確保する。
若手教職員 育休「取りにくい」35%(6/3)
全日本教職員組合は主に20~30代の教職員を対象に、妊娠、出産、子育てに関して聞いたアンケート結果を公表した。出産、育児経験がある教職員のうち、産休や育休などを取得しにくいと感じた人が35.1%に上り、そのうち8割近い人が理由に「多忙で休みづらい」と答えた。妊娠している同僚の教職員の体が危険だと感じたことが「ある」と答えた人は25.0%。理由は「長時間勤務をしている」「職場を休みづらい」など業務の負担の大きさを挙げた人が多かった。マタハラを受けたことがある人は10.0%だった。
障害者の就職 7年連続で最多(6/2)
2016年度に全国のハローワークを通じて就職した障害者は9万3229人(前年度比3.4%増)で、1970年度の調査開始以来、7年連続で過去最多を更新した。内訳は、精神障害者が4万1367人(7.7%増)、身体障害者が2万6940人(3.8%減)、知的障害者が2万342人(1.9%増)、発達障害者などの「その他」が4580人(19.5%増)だった。来年度から精神障害者も雇用義務の対象となることから、求職者数や採用数が増えたとみられる。就職先は、医療福祉(38.0%)、製造業(13.2%)、卸小売業(12.4%)の順で多かった。障害者の新規求職申込者は19万1853人(同2.5%増)、就職率は48.6%(同0.4㌽増)だった。
新卒採用費 46万円(6/1)
企業が1人の新卒者を採用する際の平均費用が上昇している。就職情報サイトのマイナビによると、2017年春に卒業した学生の採用費は46万1千円(前年比2千円増)だった。2年連続で増加した。非上場企業が46万7千円(同1万1千円増)、上場企業は42万3千円(5万5千円減)と知名度の高い上場企業の方が学生を集めやすかったとみられる。業種別では製造業が51万2千円(同2万7千円増)、非製造業は43万円(1万3千円減)だった。
男性育休取得率3.16% 過去最高(5/31)
厚労省は2016年度の男性の育児休業取得率は3.16%(前年度比0.51㌽増)だったと発表した。比較可能な1996年度の調査以来過去最高だった。女性の育休取得率は81.8%(同0.3㌽増)だった。厚労省は2020年度までに男性の育休取得率を13%にする目標をもつが、達成は見通せない。今後、外部有識者会議で男性の育休取得率を上げる施策を検討する。
求人倍率1.48倍 バブル期越え(5/30)
厚労省が発表した4月の有効求人倍率は1.48倍(前月比0.03㌽増)だった。バブル経済期の水準を超え、約43年ぶりの高さとなった。正社員の有効求人倍率は0.97倍で2004年に統計を取り始めて以来最高。完全失業率も2.8%と低かった。新規求人を業種別にみると、製造業が前年同月比7.9%増で求人倍率を押し上げた。自動車やスマホ関連の企業が人員確保に動いた。このほかトラック運転手などが不足する運輸業・郵便業が8.3%増、東京五輪需要が膨らむ建設業が6.9%増だった。医療・福祉業も3.2%増えた。
ソフトバンク AIで書類選考(5/29)
ソフトバンクはAI「ワトソン」による採用志望者の選考を2018年4月以降に入社する社員から導入する。志望者のエントリーシート(ES)をAIがチェックし、合格レベルに達しているかどうかで選別。書類選考の手間を従来比で75%ほど削減でき、統一した基準で公正な選考ができるようになるとみている。過去のESのデータをワトソンに読み込ませ、従来と同程度の基準に達しているかどうかを確認する。ワトソンがレベルを満たさないと判断したESは、最終的に人事担当者がチェックすることでAIによる判断ミスを防ぐ。人事担当者はAIの活用によって省けた時間を、採用志望者との面談などに使う。
民法 120年ぶり改正(5/27)
民法改正案が参議院本会議で成立した。企業や消費者の契約ルールを定める民法の規定(債権法)を制定以来120年ぶりに見直すもので、改正項目は約200に上る。法定利率の年5%から年3%への引下げと3年ごとの見直し、未払い金を請求できる時効期間の5年への統一などが盛り込まれている。公布から3年以内に施行される。
介護保険法改正案が成立(5/26)
現役世代並みの所得がある高齢者が介護保険サービスを利用する際の自己負担割合を引き上げる介護保険法などの改正法が参議院本会議で可決、成立した。2018年8月から一部の利用者の負担割合が2割から3割に引き上げられる。また、今回の改正に伴い40~64歳の現役世代で収入が多い人の介護保険料負担も増すこととなる。
精神障害者働きやすく(5/25)
厚労省は今秋から、精神障害者らが働きやすい職場づくりの旗振り役となる「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成を始める。民間企業で働く従業員に障害の特性などを把握してもらい、障害を持つ同僚への声かけなどをしてもらう。今年度中に2万人の養成が目標で、職場環境を改善していく機運を高めていく。サポーター養成のため、厚労省は民間企業の従業員を対象に障害の特性やコミュニケーションの取り方などを学ぶ講習会を開催する。事業所の所長など管理職も参加できる。
転職理由「給与不満」「残業多い」増加(5/24)
求人大手のインテリジェンスが転職希望者を対象に実施した調査によると、転職理由として「給与に不満がある」8.0%(0.3㌽増)、「残業が多い・休日が少ない」6.6%(同0.2㌽増)、「U・Iターンしたい」3.5%(同0.3㌽増)と半年前に比べそれぞれ増えた。業種別ではITや通信の分野で給与への不満やU・Iターンを挙げる答えが増えた。男女別では特に男性でU・Iターンや残業の多さ、給与への不満の割合が上昇。同社は「家庭優先で転職を考える人が増えたようだ」と分析している。
育休社員への早期復職要請 マタハラに該当せず(5/23)
厚労省は今年10月からの改正育児・介護休業法の施行に合わせ、いわゆるマタハラ指針に「育児休業や介護休業中の社員に早期復職を促してもハラスメントには当たらない」との見解を示す考えを明らかにした。改正法の施行で最長2年まで育児休業の延長可能になるため会社が復職を勧めるケースが増えることが想定されるが、それがマタハラに該当するのではとの懸念に対応する。
大卒就職率97.6%で最高(5/22)
文科、厚労両省の調査によると、今春卒業した大学生の就職率(4月1日時点)は前年を0.3㌽上回る97.6%で、1997年の調査開始以来最高となった。上昇は6年連続。求人増で学生の就職意欲が高まり、卒業者に占める就職希望者の割合(就職希望率)も74.7%と最高を更新した。
インターン採用活動認めず(5/21)
文部科学省などの有識者会議が「企業の採用活動に直結するインターンは認めない」とする結論をまとめた。中小企業などが、取得したインターン生の情報を活用した採用の解禁を求めていたが、採用活動の早期化に繋がり学業の妨げになると判断した。また、1日限りなど就業体験を伴わないものは「セミナー」「企業見学会」など別の名称を使うことなども求める。月内にこれらについて提言が公表される見通しだが、企業への強制力はない。
大企業の残業時間 公表義務付け(5/17)
厚労省は2020年にも従業員の残業時間の公表を大企業(従業員数301人以上の約1万5千社)に義務付ける。企業は月当たりの平均残業時間を年1回、企業のHPか厚労省のデータベースで開示するよう求められる。従わなければ処分を受け、悪質な場合は最大20万円のペナルティーを科す。企業の労働実態を可視化し過度な長時間勤務を未然に防ぐ狙いがあるが、負担が増す企業側の反発も予想される。従業員300人以下の中小企業は「努力義務」にとどめる方向だ。
地方公務員 残業158時間 民間上回る(5/16)
総務省がまとめた地方公務員の時間外勤務に関する初の実態調査によると、2015年度の都道府県と主要市の常勤職員1人当たり時間外労働時間は158.4時間だった。国家公務員(233時間)は下回るが、民間事業所(154時間)より多かった。過労死のリスクが高まる一つの目安とされる月80時間超の職員も1.1%(約5万人)に及んだ。
派遣時給6ヵ月連続マイナス(5/15)
リクルートジョブズがまとめた4月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏で1626円(前年同月比0.4%減)だった。前年水準を下回るのは6ヵ月連続。職種別にみるとIT・技術系が1.5%下落の2036円。CADオペレーターなどを中心に未経験者の募集が増えているのを反映した。デザイナーなどクリエーティブ系は0.8%下落の1705円、医療介護・教育系も1・0%下落の1430円だった。地域別では関東が0.6%下落の1697円、関西が0.4%下落の1417円だった。東海は1.4%上昇し1439円だった。
4月の中途求人倍率1.87倍(5/13)
リクルートキャリアがまとめた4月の転職求人倍率は1.87倍(前年同月比0.09㌽増)だった。12ヵ月連続で前年実績を上回り、統計を公表している14年1月以降では昨年12月と並んで最も高い倍率だった。職種別ではWEBプログラマーなどのネット関連専門職の転職求人倍率が最も高く5.77倍だった。東京五輪を控えた都心部の再開発需要から建設関連技術者は4.62倍、IoTの普及をにらんで機械の組込・制御ソフトウエア開発技術者も4.29倍と高水準で推移した。
18年春大卒 3人に1人が内々定(5/12)
リクルートキャリアが発表した2018年春卒業予定の大学生の就職内定率は5月1日時点で34.8%(前年同月比9.8㌽増)だった。経団連が加盟企業に求める選考解禁日の6月1日を前に、すでに3人に1人の学生が内々定を得ている状況だ。前回調査の4月1日時点内定率は前年比4.8㌽増だった。3月1日から採用説明会が解禁となったが、企業は説明会の実施時期やエントリーシートの締め切り時期を早めている。中小・ベンチャー企業では早めに学生に接触し、大手企業が一斉に動き出す前に選考を進めたい考えが強い。
自治体職員 非常勤にもボーナス(5/11)
地方自治体の一般職の非常勤職員に期末手当を支給できるようにする改正地方自治法などが、衆院本会議で賛成多数で可決、成立した。財政難の自治体で増えている非常勤職員の待遇改善により、正規・非正規の賃金格差を是正する「同一労働同一賃金」を推進する。2020年4月に施行する。
スタッフサービス 元従業員が個人情報持ち出し(5/10)
大手人材派遣会社スタッフサービスは、約1万5千人分の登録者の氏名や住所などの個人情報が従業員によって外部に持ち出されていたと発表した。同社によると3月31日付で退職した元従業員が2015年2月以降、会社のパソコンから私物のパソコンに個人情報をメールで送ったり、データを印刷していたりしていたことが発覚した。元従業は「自分で立ち上げた人材派遣会社の営業に使うためだった」と説明した。
名目賃金 10ヵ月ぶりマイナス(5/9)
厚労省が発表した3月の毎月勤労統計調査によると、1人あたりの名目賃金にあたる現金給与総額は27万7512円(前年同月比0.4%減)だった。前年を下回ったのは10ヵ月ぶり。正社員の基本給が弱含み、残業代なども大きく減った。賃上げは大企業を中心に進んでいるものの、産業界全体では広がりを欠いている。名目賃金から物価上昇分を差し引いた実質賃金は前年同月比0.8%減と、減少は2ヵ月ぶり。3月は消費者物価が上昇し、消費者の購買力につながる実質賃金を押し下げた。
高校で労働法令授業 教員向け冊子(5/8)
厚労省は労働関係法令に関する授業を高校で普及させることを目的に教職員向けの冊子を作成した。生徒がチームを組んで労働関係の法律案を作ってみたり、過労死などの労働問題を学んだりする20のモデル授業案を紹介している。働き始める前に労働関係のルールを学び、職場でトラブルに巻き込まれるのを防ぐ。
エイベックス 未払い残業代支払いへ(5/6)
エイベックス・グループ・ホールディングスは、未払いになっていた数億円規模の残業代を5月に支払うことを決めた。グループ従業員1500人の勤務状況を昨年6月から今年1月までの期間で調査したところ、未払いの残業代が発覚した問題を受け、今年6月から裁量労働制やフレックスタイム制を導入する。未払い残業代は2017年3月期の決算に計上する。今年2月以降に発生した未払いについても必要に応じて支払う。同社は昨年12月、労働基準監督署から未払いの残業代があるとして是正勧告を受けていた。
職業紹介業の許可基準緩和(5/5)
厚労省は民間企業などが職業紹介業を始める際の許可基準を緩和する。「おおむね20平方メートル以上」としている事業所の面積要件を撤廃する。十分なスペースを確保しづらい中小企業などの参入を促す。一方で個室の設置などを要件に加えて求職者と求人者のプライバシーを保護する。職業安定法に基づく許可基準を5月下旬にも変更する。広さの基準をなくす代わりに個室の設置やパーテーションで区分をつくること、面談を予約制にするなど他者と同室にならないことなどを要件に追加する。
パワハラ 4社に1社対策とらず(5/4)
厚労省の調査によると、職場でパワハラを過去3年間に受けた人が32.5%(前回2012年度調査比7.2㌽造)いたことが分かった。何度も繰り返しパワハラを受けた人の36.1%は眠れなくなり、通院や服薬をしている人も20.9%いた。パワハラを受けた後の行動では「何もしなかった」という回答が40.9%で最多。理由は「何をしても解決にならないと思ったから」が68.5%で最多。パワハラ対策をしている企業は52.2%で、一方「特に取り組みを考えていない」と答えた企業は25.3%に上った。
治療と仕事の両立支援 コーディネーター養成(5/3)
厚労省はがんなどの病気を治療しながら仕事をする人を支える「両立支援コーディネーター」を育てる。主治医や勤務先と調整し、治療と仕事の両立に向けたプランを策定して患者を手助けする。主に医療ソーシャルワーカーや産業カウンセラー、社会保険労務士などをなり手に想定している。講義などの研修を受けてもらい、厚労省が認定する。2017年度にカリキュラムなどを詰め、20年度までに2千人を育成する計画だ。
ヤマト1万人採用(5/2)
ヤマトホールディングスは2017年度にグループ全体で1万人規模を採用する。中途採用が中心で、産業界でも異例の規模。給与総額は前年度比160億円増える見込みで、同社の17年度の連結純利益予想とほぼ同水準に当たる。従業員の負担が限界を迎える中、宅配便の取扱個数は減らす方針だが、サービス維持のためには大幅な人員増が不可欠と判断した。
違法残業 HPで公表(5/1)
厚労省は5月から違法残業の疑いで書類送検した事案などを約1年間、同省のHPで一括掲載する。労働基準法違反容疑で書類送検された電通を巡っては、滋賀県などが発注事業の競争入札への参加停止の措置を取っており、自治体への情報提供という狙いもある。厚労省によると2016年10月以降に労使協定の上限を超えて違法に残業させたり、残業代を支払わなかったりした疑いなどで書類送検した事案が対象となる。主な掲載内容は、企業名・所在地・法違反の内容を予定している。各都道府県の労働局長が企業の経営トップに対して長時間労働を是正するよう指導し、公表した事案もHPに載せていく。
東本願寺で残業代未払い(4/29)
真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)が非正規雇用で勤務していた男性僧侶2人から未払いの残業代の支払いを求められ、2013年11月~今年3月までの計約660万円を支払っていたことが分かった。2人は全国の門徒が泊まりがけで奉仕のために訪れる東本願寺境内の研修施設の世話係。13年4月から勤務し、今年3月末に雇い止めになった。早朝出勤、深夜退勤もあり、時間外労働は多い月で計130時間に上っていた。きょうとユニオンが15年11月から団体交渉を実施。大谷派が労働時間を把握していなかったことや、職員組合と残業代を支払わないという違法な覚書を1973年に交わしていたことが分かった。世話係に対し、40年以上残業代を支払っていなかった可能性があるという。
休日労働抑制 努力義務に(4/28)
厚労省は残業時間の削減を盛り込む労働基準法の指針で、休日労働の抑制を努力義務として明記する方針だ。指針に強制力はないが、厚労省は指針に基づいて企業などに指導する。現状の労基法では残業時間を事実上、青天井で延ばすことができる。今回の実行計画では、労使協定を結んでも上回ることができない上限を年間720時(月平均60時間)などと定めた。しかしこの年間上限には休日に働く分は含まれておらず、「制度の抜け穴になる」といった批判もある。このため、指針に「休日労働の抑制に努めなければならない」との文言を入れる方向だ。2019年度からの実現をめざしている。
求人倍率1.45倍 バブル期なみ(4/27)
厚労省が発表した3月の有効求人倍率は1.45倍(前月比0.02㌽増)で、バブル期の1990年11月以来26年ぶりの水準。総務省発表の完全失業率も前月と同じ2.8%と低水準だった。職業別に見ると、建設業は3.61倍、飲食などサービスは3.05倍だった。ITなど「専門的・技術的職業」も2.04倍に達した。硬直的な労働市場で雇用のミスマッチを解消しにくく「人手不足が成長の制約になりかねない」との声もある。
大卒求人倍率1.78倍(4/26)
リクルートワークス研究所が発表した大卒求人倍率は1.78倍(前年比0.04㌽増)だった。学生の大手志向が一層強まっている。企業規模別では、従業員数が5千人以上の企業では求人総数が1%減の4万9千人だったのに対し、就職希望者は12万4千人で48.9%増加した。求人倍率は0.2㌽低下の0.39倍だった。一方、300人未満の中小企業では求人数が3.9%増に対して就職希望者が33%減り、求人倍率が2.29㌽高い6.45倍となった。5千人以上の大企業と、300人未満の中小企業の求人倍率の格差は6.06㌽となり、リーマン・ショックの影響が表れる直前で、比較可能な10年春卒に次ぐ大きさとなった。
損保ジャパン 有期労働者の賃金上げ(4/25)
損害保険ジャパン日本興亜は4月分の給与から「アソシエイト職」と呼ぶ有期契約労働者の地域加算を引き上げる。アソシエイト職の4200人のうち2800人が対象で、基本給と地域加算を加えた年収ベースでの賃上げ幅は同職種全体で平均5%になる。地域加算は地域によって4区に分けて1万~6万4千円が支給されていた。4月以降は8区分に改定。地域の区分格差を解消し、東京や中国地方の一部などを除き増額する。
スタッフサービス 介護資格取得を支援(4/21)
スタッフサービスは派遣社員の介護資格の取得を支援する制度を始めた。医療・介護分野で派遣期間中の社員が「介護職員初任者研修」の資格を取得すると、祝い金として5万円を支給する。同社の登録型派遣社員が対象で、2017年度に300人に支給する計画。介護職員初任者研修の資格を取得する講座を受講するには5万~6万円程度かかる。同社で介護分野を希望する派遣社員の半数が資格を持っていない。負担を減らして資格取得を促し、介護業界で長く働ける人材の拡大を目指す。
電通社長を任意聴取(4/20)
新入女性社員が過労自殺した電津を巡る捜査で、厚生労働省は20日、同社の山本敏博社長から任意で聴取した。名古屋など3支社で労使協定の上限を超える違法な残業を社員にさせていた疑いがあると判断。来週にも法人としての電通と、3支社の幹部を労働基準法違反の疑いで書類送検する方針を固めた。昨年11月から始まった電通を巡る一連の捜査は、終結する見通しとなった。
「くるみん」認定基準厳格化(4/19)
厚労省は従業員にとって子育てしやすい企業を示す「くるみん認定」で、男性の育児休業取得の要件を強化する。社内の男性の育休取得率が7%以上であることを要件に加える。認定の辞退制度も設ける。厚労省は実際に子育てをしやすい企業に対象を絞り込む考えで、4月から認定する企業に新しい要件を適用する。勤めていた女性社員が自殺し、労災認定された電通がくるみん認定を取得していたことが昨年秋に問題になった。
ローソン 全国に人員派遣(4/18)
ローソンはグループの人材派遣会社を通じ、コンビニエンスストアの加盟店にパートやアルバイトを派遣するサービスを今秋メドに全国展開する。加盟店の要請に応じ研修を受けた従業員をローソンが派遣する。都内1ヵ所だった従業員を派遣する拠点を全国17ヵ所に増やす。学生を中心に主婦や外国人など延べ約2千人がローソンスタッフに登録をしており、都内の加盟店の要望に応じて1日か1ヵ月単位で派遣・紹介している。これまで派遣対象の店舗は都内の1千店強で、このうち400店ほどで利用実績があった。
男性の育休取得率7.4%(4/16)
東京都がまとめた2016年度の男女雇用平等参画状況調査によると、都内男性の育児休業取得率は7.4%だった。15年度より3㌽上昇したが、低水準にとどまった。女性は94%だった。管理職に占める女性の割合は前年度より2㌽高い14.1%で、わずかに上昇した。多様な働き方に関する制度について、男女ともに5割以上の従業員が「フレックスタイム制度の導入」を必要な取り組みに選んだ。同制度を導入している企業は23%にとどまった。54%の事業者が働き方改革推進の課題として「代替要員の確保や人員配置」を挙げた。勤務時間や勤務地の多様化による労務管理の煩雑化も半数を占めた。
派遣時給3月2.4%下落(4/15)
リクルートジョブズがまとめた3月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏で1599円(前年同月比2.4%減)だった。前年を5ヵ月連続で下回った。職種別にはIT・技術系が2.0%下落の2015円だった。CADオペレーターなどを中心に未経験者の募集が増えた。デザイナーなどクリエイティブ系は1.1%下落の1693円、医療介護・教育系は0.3%下落の1427円だった。地域別には関東が2.9%下落の1663円、関西が3.2%下落の1408円、東海は1%上昇の1426円だった。
日産 女性管理職10%達成(4/14)
日産自動車は2017年4月時点の国内における課長級以上の女性管理職の比率が10.1%となり、13年に掲げた数値目標(10%)を達成した。前年の同じ時期から1.0㌽上昇し、輸送用機器製造業の平均値(16年に1.3%)を大きく上回って推移している。昇格手前の若手女性社員らを対象とする能力開発の取り組みや在宅勤務制度の充実などによって、04年に37人だった女性管理職は17年4月に279人にまで増えた。現在は女性従業員の約8人に1人が管理職として働いている。
中小企業 74%が人手不足(4/13)
中小企業基盤整備機構は、中小企業の74%が「人手不足」を感じているとする調査結果を発表した。3割の中小企業が売り上げ減や商品・サービスの質の低下の影響が出ていると回答した。企業の約9割を占める中小企業でも人手不足が経営の重荷になっている。業種別では運輸業と飲食店・宿泊業が突出した。人手不足の影響(複数回答)では売り上げ減少(34%)、商品・サービスの質の低下(30%)が挙がった。中小機構は「需要はあるにもかかわらず、対応できない、作れないという供給側の問題になっている」と指摘する。
運転手待遇改善へ 荷待ち時間の記録義務付け(4/12)
国交省はトラック運送会社に対し、荷物の積み下ろしの間に運転手が待機する「荷待ち時間」を乗務記録に記載するよう義務付ける。長時間労働の要因となっている上、待ち時間分の人件費を荷主が負担しない違法な事例も相次いでいた。荷待ち時間の明記で運送会社が荷主に追加費用を請求しやすくし、ドライバーの待遇改善につなげる狙いがある。同省は乗務記録に、荷物の集荷と配送をした場所のほか、荷積みと荷下ろしの開始時間と終了時間を乗務記録の記載内容に加えることを決めた。対象となるのは車両総重量が7.5トン以上か最大積載量が4.5トン以上の車両。5月に省令を改正し6月から実施する予定だ。
経団連 インターン1日だけOK(4/11)
経団連は2018年の就職活動(入社は19年春)のルールを発表した。企業説明会の解禁は3月1日、採用面接は6月1日に据え置いた。この措置は3年連続。一方、インターンシップは「5日間以上」とする日数規定をなくして1日から可能とした。インターンで学生を囲い込む外資系企業をにらんだ措置だが、就活の早期化に一段と拍車をかけることにもなりそうだ。背景にはインターンを通じた学生の囲い込み競争がある。
大卒内定率14.8%(4/10)
リクルートキャリアの調査によると、2018年春に卒業する大学生の4月1日時点の就職内定率は14.8%(前年同月比5.1㌽増)だった。この春入社する学生の昨年4月1日時点の内定率は9.7%(15年同月比2.2㌽増)だった。就活が本格化してから1ヵ月だが、中小・ベンチャー企業は面接選考をすでに進めている。
早期に学生と接触し、早めに囲い込みたい狙いがある。
3月の中途求人倍率1.86倍(4/9)
リクルートキャリアがまとめた3月の転職求人倍率は、前年同月比0.12ポイント高い1.86倍と、11ヵ月連続で前年比プラスとなった。求人数は前年同月比18.6%増、登録者数は同11.1%増だった。企業が電子商取引など事業領域を拡大するためにインターネット関連の専門職を自社で取り込む動きが強まっている。職種別ではWEBプログラマーなどのネット関連専門職の転職求人倍率が最も高く5.60倍だった。建設関連技術者が4.46倍、機械の組込・制御ソフトウエア開発技術者が4.34倍で続いた。
厚生年金加入の督促対策強化(4/8)
厚労省は2017年度より、厚生年金に加入していない企業への加入促進策を強化する方針を明らかにした。現在、国交省と協力して建設業の許可・更新時に社会保険の加入状況を確認する取組み等を進めているが、今回は取組みの対象を飲食業や理容業にも広げる。未加入の場合は日本年金機構に通報する。国税庁から納税情報の提供を受ける回数も現在の年2回から大幅に増やす考え。
国民年金の強制徴収基準引下げ(4/7)
厚労省は2017年度より、国民年金保険料の支払いに応じない場合に財産を差し押さえる強制徴収の基準を、現行の「年間所得350万円で未納月数7ヵ月以上」から「300万円で未納月数13ヵ月以上」に変更することを発表した。国民年金の納付率が低迷しているため、強制徴収の対象を拡大して納付率のアップを目指す。
育児介護の離職者再雇用に助成金(4/6)
厚労省は4月から育児や介護で離職した従業員の再雇用を進める企業を支援する。離職者を再雇用してから半年以上雇い続ければ、中小企業であれば1人あたり最大年48万円までの助成金を企業に支給する。2015年の調査によると、働く女性の5割は出産を機に離職する。対象は離職者の再雇用制度を導入し、その制度を使って従業員を長期間雇った企業だ。最大5人分まで助成金を受け取れる。中小企業の場合は1人年38万円。2人目以降は1人あたり年28万5000円。成長している企業は一定の条件を満たせば助成金を約1.2倍に増やす。再雇用された従業員が6ヵ月以上勤めた場合と1年以上勤めた場合の2回に分けて助成金を支給する。
2月の実質賃金横ばい(4/5)
厚労省が発表した2月の毎月勤労統計調査によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月と比べて横ばいだった。名目賃金にあたる現金給与総額は26万2869円(前年同月比0.4%増)。名目賃金の内訳は通勤費など一時金を示す特別に支払われた給与が前年同月比で5.5%増加し、賃金全体の増加に寄与した。基本給を示す所定内給与は0.2%増の23万9313円だった。実質賃金は名目賃金から物価上昇分を除いた指標で、消費動向を左右する。2月は消費者物価指数が前年同月比0.4%上昇し、実質賃金を名目より押し下げた。
無期雇用派遣広がる(4/4)
テンプホールディングスは、業務経験のない人を対象に契約期限のない無期雇用の派遣サービスを始めた。まず1年で300人弱を採用する。2015年9月末施行の改正労働者派遣法で派遣期間の制限が強化されたのを受け、無期雇用型のサービスが広がっている。無期雇用派遣は派遣会社が派遣する人を契約期間を設けずに、社員として雇い入れる方式。改正派遣法は有期契約の派遣社員が同じ職場で働ける期間を原則3年に統一した。一方、無期雇用の場合は期間制限がないため、派遣先の会社にとっても同じ社員に働き続けてもらえるなどの利点がある。
有効求人倍率 2月1.43倍(4/3)
厚生労働省が発表した2月の有効求人倍率は前月に比べて横ばいの1.43倍だった。企業の求人と求職者数がともに減少した。業種別では情報通信業が減少し、製造業やサービス業は増加が目立った。雇用の先行指標とされる新規求人倍率は2.12倍(前月比0.01㌽減)だった。正社員の有効求人倍率は0.92倍と前の月と同じだった。就業地別の有効求人倍率は11ヵ月連続で全都道府県で1倍を上回った。
完全失業率 2月2.8%(4/2)
総務省が発表した2月の労働力調査によると、完全失業率は2.8%(前月比0.2㌽減)だった。改善は2ヵ月連続、22年8ヵ月ぶりの低水準となった。男女別では男性が3.0%、女性は2.7%だった。完全失業者数は190万人と前月比8万人減少した。勤め先の都合や定年退職など「非自発的な離職」が3万人減少、「自発的な離職」は10万人減少した。「新たに求職」は5万人増加した。
てるみくらぶ 内定者受け入れ(4/2)
東京地裁から破産手続き開始の決定を受けた旅行会社「てるみくらぶ」の新卒内定を取り消された学生を受け入れようとする動きが出てきた。航空券予約サイトを運営するアドベンチャーや弁護士法人アディーレ法律事務所などが名乗りを上げている。てるみくらぶに4月から入社する予定だった新卒内定者は東京だけで58人いたという。アドベンチャーは数十人程度の受け入れを予定している。アディーレ法律事務所も選考をせずに内定を出すという。
ファンケル 再雇用の年齢制限撤廃(4/1)
ファンケルは65歳までとしていた再雇用の年齢制限を撤廃し、シニア人材の活用を進める。75歳以上も働ける仕組みは化粧品業界では先進的な取り組みという。「アクティブシニア社員就業規則」として4月1日から導入する。同社の約3200人の社員のうち2800人が対象者となる。1年ごとに雇用契約を更新する。健康であることや、日々の仕事ぶりが問題なければ契約を継続する。勤務時間は利用する社員と職場の間で相談して決める。シニア世代の技術や経験を生かしながら、若手への業務のノウハウ伝承も進める。
アート引越 定休日を導入(4/1)
引っ越し大手のアートコーポレーションは今夏にも定休日を設ける。国内の「アート引越センター」の全122支店が対象で、1ヵ月あたり3~4日休み、引っ越し作業などは取りやめる。人手不足が深刻になるなか、業務の効率を高め、働く環境を改善して人材の定着や採用増につなげる。大手引っ越し会社が定休日を導入するのは初めてという。引っ越しの業務が比較的少ない火曜日や水曜日を中心に年36日程度休みにして、繁忙期でも設定する予定だ。年103日の年休も増やすとともに、法人営業や本部勤務など引っ越し業務に直接携わらない従業員も現在、シフト制で休んでいるが、一斉に休む定休日を設けることも今後検討する。
18年春大卒内定率 すでに6.2%(3/28)
リクルートキャリアは、2018年春に卒業する大学生の3月1日時点の就職内定率が6.2%(前年同月比1.6㌽増)だったと発表した。3月から経団連加盟企業の採用説明会が解禁となったが、非加盟の中小・ベンチャー企業や外資系企業の一部ではすでに選考活動が始まっている。経団連が加盟企業に求めている採用活動のスケジュールは、17年卒対象から面接など選考活動の解禁が6月1日と2ヵ月前倒しになった。学生が企業研究に費やせる期間が3ヵ月間に短縮され、短期決戦といわれる。一方、一部の学生は昨年の夏からインターンシップを通じた業界研究を進めており、早期から就職活動は始まっている。
技能実習 優良団体受け入れ5年に延長(3/27)
厚労省は2017年度から外国人技能実習生の受け入れ期間を優良な団体に限り従来の3年から5年に延ばす。技能実習生は違法な長時間労働や低賃金での労働などが社会問題となっている。優良な団体を優遇することで労働環境の改善を促す。技能検定の合格率が高いことや最低賃金以上の給与の支払い、相談を受ける体制の整備など6項目合計で120点満点で国が評価する。6割以上の得点で優良団体と認められ、受け入れ期間の延長が可能になる。昨年成立した技能実習法では、実習生を受け入れる企業や団体を監督する組織の設立が盛り込まれた。制度を巡る不正が後を絶たないためだ。一方で技能実習生はここ数年増加を続けており、昨年10月末時点で20万人を超えている。
ファミマ 介護を条件に週休3日制(3/25)
ファミリーマートは秋にも週休3日制を導入する。親の介護など一定の理由を条件に、全社員約5800人が選択できる。介護のため仕事を休まざるを得ない50歳代の社員中心に利用を想定。週30時間以上の勤務を条件に週4日勤務を認める。週4日勤務の場合、1日当たりの労働時間は多くなる。給与体系は週休2日の場合と大きく変えない方向で今後詰める。子育てや介護などのため退職した社員を再雇用する制度もこのほど新設した。2020年までに全社の総労働時間を15年度に比べ約9%減らす目標だ。
メトロ訴訟 正社員との賃金差「不合理でない」(3/24)
東京メトロの駅売店で働く契約社員ら女性4人が正社員との賃金格差が不当として、勤務先のメトロ子会社に差額分など計約4500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。吉田徹裁判長は「給与や賞与、住宅手当などの格差は不合理ではない」として請求の大半を棄却した。判決理由として売店で働く正社員は一部に限られ、契約社員とは業務内容や責任の程度、配置転換の有無が異なると指摘。「長期雇用を前提に、正社員の賃金や福利厚生を手厚くする会社の判断には合理性がある」と述べた。正社員との残業代の差は不合理と判断し、原告1人に約4千円を支払うよう会社側に命じた。
運輸業界 残業規制受け入れ(3/23)
全日本トラック協会、日本バス協会、全国ハイヤー・タクシー連合会は、国土交通相に残業時間の上限規制を受け入れる意向を伝えた。各業界とも人手不足が深刻なため、猶予期間を設けて段階的に適用するよう求めた。トラック運転手は残業手当を含めて一定の給与水準を確保しているとして、荷主から適正な運賃を取れる環境づくりも要望した。現状では運輸業界は残業規制の対象外だが、政府は新たな上限規制で適用対象に含める検討をしている。トラック協会は政府方針について「方向性としては賛成」としつつ「荷主の理解・協力が不可欠」と指摘した。運転手の労働時間削減に向けて、荷主への指導徹底などを求めた。バス協会も上限規制の導入には運転手の確保や地方自治体との調整が必要として「十分な猶予期間」を要望した。タクシー連合会は、規制実施にあたって激変緩和措置を求めた。
日本電産 残業ゼロへ働き方改革(3/22)
日本電産は4月から在宅勤務制度と時差出勤制度を導入すると明らかにした。同社は「モーレツ主義」を大転換し働き方改革を進めている。柔軟な働き方へのシフトを本格化させて2020年の「残業ゼロ」達成を目指す。在宅勤務は本社の営業や開発などの千数百人が対象。社員の等級によって月5~8日の上限を設け、育児などの理由で在宅勤務を認める。時差出勤は海外拠点や顧客と応対する社員のほか、業務が集中し前日の残業が長引いた社員らに適用する。退社から出社まで一定の休息時間を確保するインターバル勤務制度の導入も検討する。
ベネッセ 介護職員の月給15%上げ(3/21)
ベネッセホールディングスは4月から介護職員の月給を最大15%引き上げる。報酬を増やして安定採用を目指す。月給の引き上げは同子会社の介護職員が対象。勤務地によって支払う手当を増やす。特に採用が厳しい東京都世田谷区では、月最大3万5500円の増額になる見込みだ。3年以上働く人への賞与も増やす。同社の職員のモデル年収では勤務1年目で46万円、6年目では67万円の増額になる。国は介護職員の月給を1万円相当増やす目標だが、ベネッセの増額分はこれを上回る。
同一賃金「ADRの整備必要」(3/20)
厚労省は、同一労働同一賃金の法改正の論点を話し合う有識者検討会の報告書をまとめた。非正規社員の待遇改善のために、訴訟よりも負担が軽い裁判外の紛争解決手続き(ADR)の整備の必要性を指摘。正社員と非正規の待遇差を説明する義務も「強化・拡充する必要がある」と提言した。同一労働同一賃金は、政府が掲げる「働き方改革」の柱の一つで、政府は年内に関連法の改正案を提出する方針。今回の報告書では法案づくりに向けた課題を整理した。
大卒の就職内定率 最高の90.6%(3/18)
今年3月に卒業する大学生の2月1日時点の就職内定率は90.6%(前年同期比2.8㌽増)となり、この時期としては比較可能な2000年以降で最高になったことが、文科省と厚労省の調査で分かった。男子は88.8%、女子は92.8%、文系は90.3%、理系は92.1%となった。地域別では関東と近畿が91.9%で最高。最低は中国・四国の86.0%だった。短大生の内定率は88.5%(同2.5㌽増)、高等専門学校は99.6%(同1.2㌽増)となった。厚労省によると、今春卒業する高校生の就職内定率は1月末時点で94.0%(0.4㌽増)となり、7年連続で改善した。
雇用保険料率 来年度から下げ(3/17)
2017年度からの雇用保険料率の引き下げなどを盛り込んだ雇用保険法改正案が衆院本会議で可決された。17年度から3年間、収入の0.8%から0.6%へと引き下げられ、企業と従業員には負担減となる。倒産や解雇で離職した30~44歳の人の失業給付も延長する。育児休業は原則1歳までの休業期間を6ヵ月延長しても保育所に入れない場合、さらに延ばして2歳まで再延長できるようにする。職業安定法改正案にはブラック企業の求人をハローワークで受けつけない仕組みの導入を盛り込んだ。
2月の派遣時給 4ヵ月連続マイナス(3/16)
リクルートジョブズがまとめた2月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏で1614円(前年同月比0.8%減)だった。前年水準を下回るのは4ヵ月連続。人手不足を背景に、時給が低い未経験者の募集が増えている。職種別にみると、デザイナーなどクリエーティブ系が1701円、医療介護・教育系は1421円、IT系は2038円といずれも下がった。オフィスワーク系や営業・販売・サービス系の時給は上昇した。地域別では関東が1680円(1.4%下落)、関西が1418円(0.5%減)、東海は1433円(1.3%増)だった。
残業上限設定「100時間未満」(3/15)
菅義偉官房長官は、残業時間の上限規制の設定で労使が合意したことに関し「極めて画期的で労働基準法70年で歴史的な大改革だ」と述べた。安倍首相が経団連と連合の両会長に要請した、繁忙月に「100時間未満」まで残業を認める案に関しては、過労死にはつながらないとの認識を示した。政府は働き方改革実現会議を開き、政労使合意として繁忙月「100時間未満」の残業上限などを含む規制案を示す。月末には働き方改革の実行計画をまとめ、今年の国会に関連法の改正案を出す。
パナソニックを書類送検 富山労働局(3/14)
富山県内の工場に勤務する従業員に労使協定の上限を超える残業をさせていたとして、富山労働局は法人としての同社と労務管理を担当していた幹部2人を労働基準法違反の疑いで15日にも書類送検する方針を固めた。富山県砺波市にあるパナソニックの工場に勤務していた40代の男性社員が昨年6月に亡くなり、砺波労働基準監督署は今年2月に長時間労働による過労が原因だとして労災認定した。これと並行し、同労基署が違法な残業が行われていなかったか調べていた。その結果、死亡した男性を含め複数の従業員に対し、労使協定の上限を超える違法な残業をさせていたことが確認された。富山労働局は40代の男性社員が過労死したことを重くみて、書類送検に踏み切る方針を固めた。
オリエンタルランド 非正規2万人を組合員に(3/13)
オリエンタルランドの労働組合は約2万人いる非正規従業員を4月1日付で組合員にする。組合員は現在の約2900人から2万2000人程度に増える。対象はアルバイトやショーの出演者、嘱託社員などで全従業員の8割以上を占める。テーマパークで働く従業員の賃金や働き方の待遇改善を進め、人手不足に対応する。
中途採用求人数 2月2.5%増(3/11)
求人サービス大手のインテリジェンスが日まとめた2月の中途採用求人数は、約16万件(前月比2.5%増)で27ヵ月連続で過去最高を更新した。4月入社に向け幅広い業種で募集が活発だった。業種別ではメディアが前月比6.9%増えた。インターネット広告の代理店やウェブ制作会社がITエンジニアや営業職の募集を増やした。メディカルは5.1%増。製薬会社が研究職の募集を増やした。転職希望者数は前月を1.3%上回り、求人数を転職希望者数で割った求人倍率は前月比0.03ポイント高い2.38倍となった。
労基署 長時間労働監視業務 社労士へ委託(3/10)
政府の規制改革推進会議は、長時間労働などの監視を強めるため、企業に立ち入り検査する労働基準監督署の業務を社会保険労務士に委託することを検討する。立ち入り検査を担う労働基準監督官の数は約3200人。雇用者1万人あたりの監督官をみると0.62人と、各地の労基署は人手不足で監督の目が行き届いていないとの指摘がある。厚労省は過重労働対策として2015年4月、東京と大阪の労働局に「過重労働撲滅特別対策班」を設置。電通を立件するなど成果をあげる一方、監督官の業務量は増え続けている。
実質賃金1月横ばい(3/9)
厚労省が発表した1月の毎月勤労統計調査によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月と比べて横ばいだった。名目賃金にあたる現金給与総額は27万274円で前年同月比で0.5%増加した。物価の上昇が実質賃金を名目より押し下げた。名目賃金の内訳をみると、所定内給与は23万8737円で約17年ぶりの大幅増となった。厚労省はフルタイム労働者比率の増加が賃金を押し上げていると分析する。
雇用保険料率3年間下げ(3/8)
2017年度からの雇用保険料率の引き下げなどを盛り込んだ雇用保険法など関連4法の改正案が、衆院本会議で審議入りした。雇用保険料率は17年度から3年間、収入の0.8%から0.6%へと下がる。倒産や解雇によって失業した人への失業給付は延長する。30~44歳で保険料の支払期間が1年以上5年未満の人が対象。30~34歳の人は30日間延びて120日に、35~44歳の人は60日間延長し150日となる。失業給付の日額を136~395円増やすほか、資格取得などの費用を支援する教育訓練給付も拡充する。職業安定法改正案には労働関係法令の違反を繰り返す事業者の求人をハローワークで受けつけない仕組みの導入を盛り込んだ。育児休業も延長する。原則1歳までの育児休業を6ヵ月延長しても保育所に入れない場合、さらに延ばして2歳まで再延長できるようにする。3月末までに成立する見込みだ。
中国 最低賃金を3年連続で凍結(3/7)
中国の製造業の間で賃金を抑制する動きが強まってきた。最も製造業が盛んな広東省は2017年、最低賃金の引き上げを15年から3年連続で見送ることを正式に決めた。背景には景気減速下で工場生産が振るわなくなる中、従来通り賃金上昇が続く状況にストップをかけなければ、今後さらに国際的な製品競争力を失うとの危機感がある。すでに中国の高い人件費を嫌い、一部の製造業は中国から、東南アジアなどへと工場拠点を移している。中国の最低賃金は各省が毎年、地域の事情を加味して引上げ幅と引上げ時期を決定している。これまで「少なくとも2年に1度」の改定がルールだったが、高い経済成長を背景に工場従業員からの賃上げ圧力が強く、ほぼ毎年、各省は最低賃金を引き上げてきたのが実態だった。
不当解雇の金銭解決制度 糸口見えず(3/7)
裁判で不当とされた解雇の金銭解決制度の導入を巡る有識者会議の議論が、打開の糸口を見いだせないでいる。連合が反対する理由として、企業側がお金による解決を望んだときにも制度を使えるようになれば職場に戻る意思のある労働者の復帰を企業が解決金の支払いで拒める可能性が出てくるからだ。厚労省内には、制度の利用を労働者に限定すれば、連合との歩み寄りの余地が出てくるのではないかと期待する声もある。議論が始まってすでに1年半がたつ。
2月の中途求人倍率1.82倍(3/6)
リクルートキャリアがまとめた2月の転職求人倍率は、1.82倍(前年同月比0.14㌽増)と10ヵ月連続で前年実績を上回った。求人数は前年同月比20.8%増、登録者数は同11.1%増とそれぞれ過去最高を更新した。職種別ではWEBプログラマーなどのネット関連専門職の転職求人倍率が最も高く5.38倍だった。このほか建設関連技術者が4.41倍、機械の組込・制御ソフトウエア開発技術者が4.25倍だった。
求人倍率1.43倍(3/5)
厚労省が発表した有効求人倍率は1.43倍と前月と同じだった。雇用情勢は1990年代半ば並みの水準で、サービス業を中心に人手不足が深刻だ。企業からの求人は高止まりしている。ハローワークに提出された仕事の数を示す有効求人数は前月に比べ、0.6%増えた。新規求人数を産業別にみると運輸・郵便業(4.8%増)や社会福祉・介護事業(6.5%増)などで増えている。求人を出しても人手が確保できず、サービスを見直す企業が出ている。ヤマト運輸が宅配便サービスの見直しを検討したり、外食産業が深夜営業をやめたりしている。少子高齢化の進行で生産年齢人口が減少しているという構造問題も人手不足の背景にある。
1月失業率3%に改善(3/4)
総務省が発表した1月の完全失業率は3.0%(前月比0.1㌽改善)だった。改善は横ばいをはさんで4ヵ月ぶり。男性は3.1%、女性は2.7%だった。解雇による離職の減少が失業率の改善につながった。失業者は197万人(前年同月比14万人減)。正社員は前年同月に比べ65万人増えたのに対し、非正規は3万人の増加にとどまった。この結果、非正規比率は0.5ポイント低下の37.5%となった。これまでは非正規の採用が中心だった女性や高齢者で、正社員の雇用が増えている。
解雇紛争の金銭解決 制度案を例示(3/3)
厚労省は、裁判で解雇が不当とされた場合の金銭解決制度を話し合う有識者検討会に、制度の概要案を初めて示した。裁判で解雇が不当とされてから解決金が支払われ、雇用契約が終了するまでの流れを示し、必要な法的措置や論点などを示した。制度案の一つは、解雇が無効と判断された判決と同時に解決金が支払われ、雇用契約が終了する仕組み。ただ裁判の場で解決金を支払うのは現実的に難しいため、導入には工夫が必要になる。解雇を不法行為とする損害賠償請求訴訟を参考にした制度も示された。労働組合側は解雇の助長につながるとして導入に反発しており、厚労省は夏ごろまでに制度の大枠を固めたい方針だが、先行きは不透明だ。
ヤマト 未払い残業代支給へ(3/2)
ヤマトホールディングスがグループ会社の約7万6千人の社員を対象にサービス残業の実態を調べ、未払い分を支給する方針を固めたことが分かった。人手不足でサービス残業が常態化しているとみられ、過去の未払い分を精算したうえで、抜本的な働き方改革に取り組む。対象者はグループ全体の約4割で、フルタイムで働くトラック運転手の全員が該当する。年度内をめどに終え、未払い分を順次支給する。支給額が100万円を超える従業員もいるとみられ、ヤマトHDの支払総額は数百億円に膨らむ可能性もある。ヤマトHDは宅配便の荷受量を抑制して労働時間を減らす考えだ。時間指定配達で「正午~午後2時」の廃止も検討。運転手が昼休みを取りやすくする。
採用活動解禁 インターン定着(3/1)
経団連加盟企業の会社説明会などの採用活動が1日解禁され、2018年春卒業予定者の就職活動が本格的に始まった。選考解禁である6月まで3ヵ月間と短いのは昨年と同じだが、3年生夏ごろからのインターンシップが定着。学生の企業研究が進んでいるとみて各社は説明会の前倒し開催などに踏み切る。リクルートホールディングスによると、17年3月卒業予定の大学生の求人倍率は1.74倍(5年前比0.51㌽増)。16年卒でも、約半数の企業が採用予定人数を満たすことができなかった。業績回復や人手不足などで企業の採用意欲は高まっており、18年卒の就活も売り手市場が続くとみられる。
富士通 全社員3.5万人に在宅勤務制度(2/25)
富士通はテレワーク制度を4月に導入すると発表した。本体の全社員3万5千人が対象。上司の許可があれば何回でも利用できる。国内では最大規模だ。延べ1200人を対象に2年間試行した結果、生産性が向上し、安全性の確認が得られたため正式導入を決めた。フレックスタイム制度と合わせて利用すれば、育児や介護で時間の制約がある社員もより働きやすくなる。日本マイクロソフトは昨年、週3日まで認めていた在宅勤務を最大週5日、場所を問わずに働ける制度に変更した。カルビーは週2日までだったテレワーク制度の上限日数を、4月以降に撤廃する方針。
女性の賃金 男性の73%(2/24)
厚労省が発表した2016年の調査によると、フルタイムで働く女性の平均賃金は月額24万4600円(前年比1.1%増)と3年連続で最高となった。男性の賃金の73%となり、男女格差はこの20年で10㌽縮まった。残業代や休日手当は含まない。女性の賃金は06年と比べて2円以上増えたのに対し、男性は2千円程度減少している。女性の16年の賃金を業種別にみると、運輸業・郵便業で前年比5.7%増加したほか、卸売・小売業でも1.8%伸びた。企業規模別では大企業の賃金の伸びが0.1%にとどまったのに対し、従業員100人未満の企業では1.2%増えた。人手不足に悩む業種や中小企業で女性の採用が進み、賃金も押し上げられている。
人手不足 建設や福祉、運輸で深刻(2/23)
帝国データバンクの人手不足に対する企業動向調査によると、正社員が不足していると回答した企業は2017年1月時点で43.9%(半年前比6㌽増)だった。水準も過去10年で最高を記録した。特に建設業や医療・福祉などで人手不足感が強い。職業別の有効求人倍率で建設関係が3.22倍、介護サービスで3.05倍と平均を大きく上回っている。
野村証券 若手社員の月給2%上げ(2/22)
野村ホールディングスは傘下の野村証券の若手社員を中心とした「初級職」の月給を2017年4月から平均約2%引き上げると発表した。対象は約1500人で、初級職の給与水準の引き上げは4期連続となる。また今年4月入社の新入社員の初任給も5000円増額し24万5000円にする。野村証券では本社勤務の社員を対象にした在宅勤務制度の導入や、人間ドックを受診するための特別休暇も新設する。
カルビー 卒業後5年以内を「既卒採用」(2/21)
カルビーは大学や大学院を卒業して5年以内なら応募できる「既卒採用」を6月から実施すると発表した。第二新卒も含む。採用した人は2018年4月に入社する。採用活動の幅を広げ、新卒とは違う経験を持つ人材を確保する。ヤフーは昨年10月、経歴を問わない「ポテンシャル採用」を導入すると発表。新卒の一括採用を廃止し、新卒や既卒、第二新卒などの経歴にかかわらず、30歳以下であれば誰でも通年応募ができるようにした。
転職者7年ぶり300万人回復(2/20)
総務省が発表した16年の労働力調査によると、転職者数は前年より8万人増えて306万人となった。09年(320万人)以来の高い水準で、リーマン危機前のピーク(346万人)に向けて着実な回復が進む。45~54歳の転職者数は50万人と、統計を遡れる02年以降では最多を記録。実際の人数では若い年齢層を下回っているものの、3年で10万人増えており増加テンポが速まっている。ベテランの管理職らのニーズが強まっていることが背景にある。転職後の給与の方が転職前より上がる傾向も鮮明だ。
通関士 在宅勤務可能に(2/18)
財務省は企業で輸出入の手続きをする通関士の在宅勤務を10月から認める。情報の管理など一定の要件を満たせば職場以外の場所でも仕事ができるようにする。通関士は現在、税関の許可を得た営業所で働く必要がある。在宅勤務に必要な要件を盛り込んだ指針を4月にも示す。2016年4月時点で通関士は7906人となり過去最多となった。通関士は輸出入申告の増加で17年もさらに増える見通しだ。
高卒内定90.9%(2/17)
文部科学省は、今年3月に卒業予定の高校生の就職内定率(昨年12月末時点)が90.9%になったと発表した。25年ぶりに9割台を記録した前年同期からさらに0.9㌽伸びた。上昇は7年連続。1976年の調査開始以来、この時期の内定率が最も高かったのは90年の92.1%で、今回は過去3番目の高水準。男子の内定率は92.0%(前年同期比0.5㌽増)、女子が89.2%(同1.4㌽増)だった。
ヤマハ発 新卒採用のエントリーシート廃止(2/16)
ヤマハ発動機は、2018年度の新卒採用からエントリーシートによる選考を廃止すると発表した。面談による選考で人物像を理解し、幅広い領域で活躍できる人材を確保する狙い。大手企業がエントリーシートを廃止するのは異例という。適性検査(SPI)後に一次面接を受けられる。より多くの学生と直接面談する機会を増やす。募集は従来通り3月1日から。同社の17年春の新卒内定者数は前年とほぼ同等の263人。18年春は250人の採用を計画する。
副業 2割が容認(2/15)
リクルートキャリアは、副業や兼業に対する企業の意識調査をまとめた。自社の社員に副業や兼業を認めるか聞いたところ、「容認・推進している」企業は計22.9%だった。理由は「特に禁止する理由がない」68.7%、「従業員の収入増につながる」26.7%だった。ただ容認・推進している企業の68.3%が、就業規則などの「規定自体ない」と回答した。「禁止している」企業は77.2%で、理由としては「長時間労働・過重労働を助長する」が55.7%と最多だった。
高齢者の再就職支援窓口4倍に(2/14)
厚労省は高齢者の再就職支援を拡充する。今年度からハローワークに設置が始まった65歳以上の高齢者の再就職を重点的に担う「生涯現役支援窓口」を、現在の80ヵ所から2020年をめどに4倍近い300ヵ所に増やす。このほか「Uターン」や「I・Jターン」を望む高齢者の希望を踏まえたうえで、ふさわしい就職先を紹介するための全国規模の情報ネットワークをつくる。金融機関や商工会議所、中小企業団体とも協力する。
派遣時給1612円 3ヵ月連続マイナス(2/13)
リクルートジョブズがまとめた1月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏で1612 円(前年同月比0.9%減)だった。前年水準を下回るのは3ヵ月連続。職種別ではデザイナーなどクリエイティブ系が1703円(同1.3%減)。他の職種は軒並み時給が上昇しているが、時給水準の低い介護職などの募集が増えており平均時給は低下した。オフィスワーク系は1409円(同0.9%増)、営業・販売・サービス系は1431円(同2.2%増)だった。地域別には関東が1681円、関西が1412円、東海は1433円だった。
すかいらーく 卒業5年目も新卒(2/12)
新卒採用の対象範囲を拡大する。2018年春入社の採用から高卒以上の学生のうち希望者に対して卒業後5年間までを新卒として扱う。第二新卒や中退者の採用を強化すると同時に、クルーの正社員登用を拡大する狙い。18年4月入社の新卒社員のうち、クルー出身者比率を80%に引き上げる。
電通 人員増強に25億円(2/11)
電通は決算説明会を開き、2017年12月期に人員増強で25億円を投じると明らかにした。中途採用や有期雇用契約などで人材を200人以上増やし、新規採用も進める。電通は過重労働問題を受け、17年12月期に70億円かけ労働環境を改善する方針を公表済みで、今回はその内訳を示した。
ファストリ 世界でインターン採用(2/10)
ユニクロを運営するファーストリテイリングは日本をはじめ16カ国・地域でインターンシップを実施する。100人超に最長3ヵ月程度、研究開発やマーケティングなどの部門で業務に就いてもらう。優秀と判断すれば採用も検討する。勤務時間は柔軟に対応し、参加者には時給1000円程度の給与も支給する。日本で募集を始め、書類選考や面接を経て4月から仕事を始めてもらう。インターンシップは欧米では採用活動の一環との位置づけで、期間も1ヵ月を超える。日本では1~数日がほとんどで、国は採用と結びつけないよう要請している。経団連非加盟のファストリの動きは、日本方式の見直しにつながる可能性もある。
公共工事の労務単価3.4%上げ(2/9)
国交省は、国や自治体が公共工事の費用を見積もる際に使う労務単価を3月から全国平均で3.4%引き上げると発表した。引き上げは6年連続。人手不足による賃金の上昇傾向を映した。1日8時間労働で1万8078円となり、1999年以来の高水準。労務単価は年1回、土木や建設など51職種の賃金を調べて改定している。今回の改定では交通誘導警備員に加え、手に職を持つ左官や大工などの上げ幅が大きかった。新たな単価は3月1日以降の契約分に適用する。
女性の資格取得 離職10年まで費用支援(2/8)
厚労省は出産や育児を理由に仕事を辞めた女性の再就職を後押しする。拡充するのは教育訓練給付。現在は離職後1年以内に受講することが求められている。ハローワークで決められた手続きをすれば4年まで延長できる。今回は延長期間を10年まで延ばす。給付そのものも拡充する。専門的な資格の取得を支援する教育訓練給付の給付率は40%から50%に、上限額は32万円から40万円に引き上げる。通常国会に出す雇用保険法の改正案に盛り込む。
1月の中途求人倍率1.81倍(2/7)
リクルートキャリアがまとめた1月の転職求人倍率は、1.81倍(前年同月比0.15㌽増)と9ヵ月連続で前年実績を上回った。求人数は前年同月比20.8%増、登録者数は同10.5%増とともに過去最高。新年度の4月入社に向けて中途人材を取り巻く市場が活況を呈している。職種別ではWEBプログラマーなどネット関連専門職が4.97倍で最高。建設関連技術者が4.44倍、機械の組込・制御ソフトウエア開発技術者が4.09倍だった。不動産専門職も2.71倍と高水準だった。
地方公務員も「同一賃金」(2/6)
総務省は地方公務員の非常勤職員の待遇を改善するため、今国会に関連法改正案を提出する方針だ。明文規定がなかった地方の非常勤職員の採用方法と任期を法律に明記し、制度上支給ができなかったボーナスも支給できるようにする。財政難の自治体では非常勤職員が増えており、正規と非正規の賃金格差を是正する「同一労働同一賃金」を推進する。
ミドルの中途採用拡大(2/4)
30~40歳代を中心としたミドル層を中途採用する動きが国内企業で広がっている。事業のグローバル化や構造改革に乗り出す企業が増加し、高いマネジメント能力や技術を持つ即戦力の重要性が一段と高まっている。三井化学は2016年度中に理系の人材を中心に50人を中途採用する方針で約2倍に増やす。アシックスは13年から管理職の中途採用を本格化した。20年の東京五輪に向けて重点分野に位置づけるアパレル分野では16年に5人の部長職を採用するなど、中途入社の人材が全体の過半を占めるまでになった。
「残業は無制限」中小36%(2/3)
日本商工会議所は長時間労働をめぐる中小企業の実態調査をまとめた。残業時間を事実上無制限に増やせる「36協定」の特別条項を労使で結ぶ中小企業は1581社のうち36%にのぼった。ITや宿泊・飲食業で特別条項を結ぶケースが目立つ。現時点で36協定を結ぶ1139社のうち、残業時間に上限を設ける同協定の見直しに53%の企業が賛成した。賛成と回答した企業の7割超は「業種や業態、企業規模を考慮した柔軟な制度設計とすべき」とした。
来年度 雇用保険料下げ(2/2)
政府は雇用保険料率の引き下げなどを柱とする雇用保険法など関連4法の改正案を閣議決定した。労使で折半する雇用保険の料率は、2017年度から3年間、現在の賃金の0.8%から0.6%に引き下げる。失業手当への国庫負担も3年間圧縮する。国庫負担率を13.75%から2.5%に下げる。年間1000億円規模の圧縮分は保育士や介護士の処遇改善に充てる。
失業給付の期間 16年ぶり延長(2/1)
政府は、失業手当の給付日数は倒産や解雇で離職した30~44歳を30~60日間延長する。手当の金額も増やす。ブラック企業への取り締まりも強める。労働関係法令の違反を繰り返す企業の求人をハローワークで受理しない仕組みをつくる。ハローワークなどに虚偽の求人を出した企業に罰則も設ける。子どもが保育所に入れないなど特別な場合にとれる育児休業は1年半から最長2年までに延長できるようにする。政府は年度内の成立を目指す。
16年の求人倍率1.36倍(1/31)
厚労省が発表した2016年の有効求人倍率は1.36倍(前年比0.16㌽増)で、25年ぶりの高水準。7年連続の改善だ。新規求人倍率も2.04倍と91年以来の高水準となった。業種別の新規求人数をみると、教育・学習支援業(8.9%増)や医療・福祉業(7.1%増)などが目立った。総務省が発表した16年の完全失業率は3.1%と0.3ポイント改善、22年ぶりの低さ。完全失業者数は208万人と14万人減少した。就業者数は6440万人(同64万人増)、15~64歳の人口に占める就業者の割合は16年平均で74.3%で、比較可能な68年以降過去最高の水準だ。
残業上限 月平均60時間で規制(1/30)
政府は働き方改革として企業の残業時間を月60時間に制限する上限規制の原案をまとめた。企業の繁閑に配慮し、忙しい月は100時間までの残業を認めるが、年間では月平均60時間に抑えるよう企業に義務付ける。原則として全業種を対象にして違反企業には罰則を科す。労使の代表や与党とも調整し、年内に労働基準法の改正案を国会に提出する。
難病治療と求職活動 両方支援(1/30)
厚労省は難病の治療をしながら求職活動をする人の支援に乗り出す。会社の倒産などで離職した場合、失業手当の所定の給付日数を60日間延長する。今通常国会に提出する雇用保険法の改正案に盛り込む。現在でもハローワークの所長が認めれば給付日数を延長できるが、基準が曖昧で、対応にばらつきが出る面があった。
年金制度 17年度の受取額0.1%減(1/29)
厚労省は2017年度の公的年金の支給額を0.1%引き下げると発表した。16年平均の消費者物価指数が低下したためで、6月に支払う4月分から変更する。ただ物価が下落したことで、年金支給額を物価や賃金の動向よりも抑える「マクロ経済スライド」は来年度も発動しない。国民年金を満額で受け取っている人は6万4941円(16年度比67円減)、厚生年金を受け取る標準世帯では22万1277円(227円減)となる。
外国人労働者 19%増の108万人(1/28)
厚労省が発表した2016年10月末時点での外国人雇用の届け出状況によると、外国人労働者数は108万3769人(前年比19%増)だった。100万人の大台に乗せるのは初めて。アジア諸国を中心に留学生や技能実習生が順調に増えている。働く人を国籍別にみると、中国が最多で約34万人と全体の3割を占めた。ベトナムが17万人超で続いた。外国人労働者を雇っていると届け出た事業所数は17万2798ヵ所(同13.5%増)だった。
育休奨励 企業に努力義務(1/27)
厚労省は育児休業をとりやすい職場の雰囲気づくりを後押しするため、企業が子どもが生まれると知っている場合は、従業員個人に育児休業を勧める努力義務を設ける。育児・介護休業法を改正し10月から制度を始める。厚労省は育休取得を促すことで、主に男性の育児休業取得を後押ししたい考えだ。育児だけでなく介護休業にも適用される。従来から企業は育児・介護休業を従業員に知らせる努力義務があった。
残業100時間超は産業医に報告(1/26)
厚労省は過労死や過労自殺を防ぐため、産業医の権限を拡大する。企業に対し、月100時間を超え残業している従業員を産業医に報告することなどを義務化。産業医が問題の多い職場を重点的に見回り、企業に是正を求めやすくする。今年度中に省令を改正、6月から運用を始める方針だ。同省は産業医だけでなく、看護師や衛生管理者などとのチームでこうした取り組みを進める必要があるとみている。今後ガイドライン作成を検討する。
大卒内定率 最高の85%(1/25)
今春卒業予定の大学生の昨年12月1日時点の就職内定率は85.0%(前年比4.6㌽増)で6年連続の改善となり、1996年の調査開始以降で最高だったことが文科・厚労両省の調査で分かった。男女別では女子の内定率が87.2%となり、3年連続で過去最高を更新。男子は83.1%だった。文理別では文系が84.6%と過去最高になり、理系が86.6%だった。厚労省によると、今春卒業する高校生の就職内定率も昨年11月末時点で87.0%(同1.2㌽増)となり7年連続で改善した。
介護離職「将来増える」企業の7割が回答(1/24)
東京商工リサーチが民間企業7391社に対して実施した調査で、過去1年間の間に介護離職者が全体の9.8%の企業で発生していたことが分かった。将来介護離職者が増えると回答した企業も71.3%に上った。仕事と介護の両立に向けた取り組みについては、5割の企業が「介護休業制度の明文化」と回答した。
転職直後の有休取得容易に(1/21)
政府は転職した直後でも有休を取得しやすくする仕組みづくりに乗り出す。いまは入社後半年たたないと有休が与えられず、子供の看護休暇や介護休暇も取得できない場合が多い。転職しやすい環境を整え、女性や高齢者の就労を促す。近く開く規制改革推進会議で、労働基準法などで定められた法定休暇の制度の見直しを議論する。具体的な実施時期や計画は今後厚生労働省と詰めるが、まずはガイドラインを策定する案を検討している。
管理職にならない正社員(1/20)
高島屋は17年3月に管理職にならない地域限定社員を導入する。給与や賞与は通常の正社員の90%程度の水準となるが、労働時間や教育メニュー、福利厚生などは同等だ。吉野家は17年春をメドに店長にならない「職務限定社員」を導入する。店長は深夜でも呼び出されることも多く、子育て中の女性は務めにくかった。新職種では店長にならずに通常の店員として勤務し勤務地も限定。勤務時間も昼間だけなどに限定が可能で、子育てと両立しやすい。年収は通常の社員と比べて5~7割の水準となる。
中途採用求人数 25ヵ月連続最高更新(1/20)
求人サービス大手のインテリジェンスがまとめた2016年12月の中途採用求人数は、約15万件(前月比2.9%増)だった。25ヵ月連続で08年の調査開始後の最高を更新。17年4月入社に向けた募集が例年より早く始まっている。調査対象の9業種のうち7業種の求人が増えた。転職希望者数は年末年始休暇で9.1%減少した。求人数を転職希望者数で割った求人倍率は2.93倍(0.34㌽増)だった。
パルコ 3月から在宅勤務制度(1/19)
パルコは3月から在宅勤務制度を導入すると発表した。子育てや親の介護をしている社員であれば、週2日まで在宅勤務を認める。正社員と契約社員の約630人が対象。小学生以下の子どもがいたり、妊娠中であったりする社員は週15時間まで自宅のパソコンで事務作業ができる。現在、育児のために時短勤務をする社員は約50人いる。2020年には女性の管理職比率を現在の倍の20%以上に高める。
サイボウズ 副業目指す人材採用(1/19)
ソフト開発のサイボウズは、同社での仕事を副業とする人材を募集する新たな採用方法「複業採用」を始めたと発表した。勤務日数などの条件は個別に面談して決める。同社は2012年から社員の副業を認めている。他社または個人事業主などで既に仕事を持ちながら、サイボウズの理念に共感できる人材を対象に募集する。今後、募集職種を拡充することも検討する。勤務地は東京、大阪、松山だが、相談次第で在宅の可能性もあるという。
アルバイト時給 最高更新(1/18)
リクルートジョブズが発表した2016年12月の三大都市圏のアルバイト・パート募集時平均時給は1006円(前年同月比2.1%増)で4ヵ月連続で過去最高を更新した。職種別では製造・物流・清掃系が1001円。電子商取引の普及で物流作業や倉庫構内作業の時給が上がっている。事務系は1030円、フード系は2964円、販売・サービス系は990円だった。地域別では首都圏が1.9%高い1047円、東海は1.9%高い943円、関西は2.8%高い979円だった。
AGF 全社員対象に在宅勤務(1/17)
味の素ゼネラルフーヅ(AGF)は全社員を対象とした在宅勤務制度を導入した。約600人の正社員と再雇用社員が対象で月5日まで取得できる。当面はセキュリティーが確保できる自宅に作業場所を限定する。今後はカフェや図書館などでも作業ができるように検討する。6月からは全社員を対象としたフレックス勤務制度も始める。これまでは内勤の社員などが試行していたが、約250人の営業職の社員にも対象を広げる。
働き方改革 労使で協議(1/16)
経団連は春季労使交渉に向けた経営側の指針を公表した。電通の過労自殺問題などを踏まえ、働き方改革の推進を労使で協議するよう求めた。基本給は変えずに所定内労働時間を短くする「時短労働」や女性活躍に向けた配偶者手当の縮小などを具体策として示した。4年連続となる賃上げを会員企業に呼びかける一方、ベアには慎重姿勢をにじませた。
人材競争力 日本は22位(1/15)
有能な人材を持つ力を国ごとに評価した2017年版の「世界人材競争力指数」で、日本は調査対象118カ国のうち22位だった。「競争の厳しさ」などの評価が高く人材を生み出す力では5位。ただ、人材を引き寄せる力が51位にとどまった。同分野に含まれる「女性のビジネスでの機会」が90位、「外国人労働者」が84位である影響が大きい。人材を維持する力は16位。衛生環境と年金への評価が高い一方、医師の少なさが同分野の順位を引き下げている。
中途採用に助成金 50~60万円(1/14)
厚労省は企業の中途採用を促すための助成制度を来年度から始める。初めて中途採用をする企業向けと、採用に占める中途の割合を高めた企業向けに2つのコースを用意。中途採用を初めてするコースは45歳以上であることが前提となる。両コースとも企業の労働生産性が過去3年間で最低6%上昇していることも条件となる。初めて中途採用を実施する企業向けのコースでは、1人以上の採用を条件に60万円を助成する。中途採用の割合を高めた企業向けのコースでは50万円を助成する。
三菱電機 違法残業容疑で書類送検(1/13)
厚労省神奈川労働局は、労使協定の上限を超える違法な残業を社員にさせたとして、労基法違反の容疑で法人としての三菱電機と幹部を書類送検した。同社の情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に勤務していた元社員の男性(31)が、過重労働が原因で精神疾患を発症。元社員は大学院博士課程を修了し、2013年4月に入社。同研究所でAV機器の部品開発などをしていた。入社1年目の14年1月以降、月100時間以上の残業をさせられ、同年4月上旬ごろに適応障害を発症したとして労災認定を受けた。
12月の転職求人倍率1.87倍(1/12)
リクルートキャリアがまとめた2016年12月の転職求人倍率は1.87倍(前年同月比0.15㌽増)となった。8ヵ月連続で前年実績を上回り、公表している14年1月以降で最高。職種別ではウェブプログラマーなどネット関連専門職が最も高く5.12倍だった。建設関連技術者が4.60倍、機械の組み込み・制御ソフト開発技術者が4.29倍だった。求人数は同20.1%増で過去最高、転職を目指す登録者数も10.5%増えた。
インターン採用の解禁案(1/11)
学生が就職前に企業で働くインターンシップ(就業体験)が採用につながる可能性が出てきた。現在はインターンと採用は原則切り離しているが、文部科学、厚生労働、経済産業の3省は企業がインターン時に得た学生の評価を採用にも生かせる案を検討。学業への影響を避ける必要はあるが、インターンは学生が就職先を選びやすくし、企業の人材確保も柔軟になる面がある。各省は経団連などとの調整を急ぐ。
経産省幹部がセクハラ(1/10)
経産省は女性職員にセクハラ、パワハラ行為を繰り返したとして、同省製造産業局の管理職級の男性職員を減給10分の1(6ヵ月)の懲戒処分にしたと発表した。男性職員は、昨年春から夏ごろ、仕事上つながりがあった女性職員1人に対し嫌がらせ行為を繰り返し、上司から注意を受けてもやめなかった。
東京都 がん患者雇用に奨励金(1/9)
東京都は、がんや難病の患者の雇用に積極的な企業を支援する制度を2017年度に導入することを決めた。患者を新規採用した企業に、患者1人当たり40万~60万円の奨励金を支給する。仕事と治療の両立などに配慮した雇用計画を策定し、がんや難病の患者を6ヵ月以上継続雇用した企業が対象になる。社員の復職を支援するプランを策定したり、病気休暇制度などを設けたりする企業にも助成金を出す。17年度予算案に約2億円を計上する。
育休延長 最長2年に(1/8)
育児休業を「1年半」から「最長2年まで」に延長する内容を盛り込んだ育児介護休業法改正案の要綱が、労働政策審議会の雇用均等分科会で承認された。同省は早ければ月内にも同法の改正案と、雇用保険法、職業安定法などの改正案を一括して通常国会に提出する。育休期間は「子どもが1歳になるまで」が原則で、保育所に入れないなど特別な場合に「1歳6ヵ月まで」となっていた。今回の改正では特別な場合に限り2歳まで延長する。
実質賃金 11ヵ月ぶりマイナス(1/7)
厚労省が発表した2016年11月の毎月勤労統計調査によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月と比べて0.2%減った。マイナスとなるのは11ヵ月ぶり。消費者物価指数が同0.4%上昇したことが実質で見た賃金の減少につながった。名目にあたる現金給与総額は27万4778円(同0.2%増)で増加は2ヵ月連続。うち基本給にあたる所定内給与は24万377円だった。
都 保育士給与4.4万円補助(1/6)
東京都は2017年度、保育士の待遇改善のため、保育士1人あたり月額平均4万4千円の給与補助をする方針を決めた。現在より2万1千円を上乗せし、ほぼ倍増する。都内では保育士の確保が難しく、保育所新設が難しい。他業種に比べて賃金水準が低いことが要因の一つとされ、処遇改善を後押しして待機児童対策を進める。
通所介護 小規模新設を制限(1/5)
厚労省は規模の小さいデイサービス(通所介護)施設の新設を抑える。介護事業者が新設を検討する市町村に競合する他のサービスがあり、デイサービス施設も計画を超えている場合は市町村が設置を拒否できるようにする。小規模デイサービス施設は全国2万を超える。介護保険が特定サービスに偏らないようにして利便性を高める。厚労省は通常国会に介護保険法の改正案を提出する。早ければ2017年度中にも実施する。
楽天 社内託児所拡充(1/4)
楽天は本社そばの社内託児所を拡充した。受け入れ可能な人数を50人と従来の2.5倍に広げた。社内に搾乳できるスペースも開設するなどして、子育て中も継続的に働けるようにする。同社の別の託児所では英語でのプログラムも提供する。楽天は外国人社員も多く、保育園をみつけるのが難しい社員を支援する。楽天は2016年9月に女性社員が搾乳できるスペース「マザーズルーム」を社内に開設した。