先日、人材採用&定着セミナーで登壇した。
これはJTB様主催のセミナーで、対象は県内のホテルや旅館など宿泊業を営む経営者や人事担当者ら。
関係者と合わせて、総勢80名ほど参加いただいた。
宿泊業界では、インバウンドの影響もあって一昨年から一気に人材不足感が増している。
いかに人材を確保するのかは、大きな経営課題だ。
僕の普段の業務・経験が、少しでもお役に立つのであればという気持ちでお引き受けした。
まず激動する労働環境から。
労働力人口が減り、超高齢化社会を迎える中、非正規・女性(主婦・シングルマザー)・シニア・制約社員・外国人労働者などの多様な人材をいかに活用・雇用できるかが、人材不足対策の大きなカギとなる。
それを受けて、働き方改革について解説。
初手として、見込み制約社員の把握・ゼロベースでの働き方の見直し・人事制度の大局観から入るといい。
次に、若者が定着する人事制度について解説。
若者に訴求するためには、「成長」と「安心」というキーワードは欠かせない。
求人や人事制度もこれらを実感させる見せ方・仕組みが重要だ。
続いて人事制度の核となる賃金と評価について解説。
基本給は今も昔も能力給が一番使いやすい。職務給や役割給は、やはり日本人にはそぐわない。(これから外国人労働者を積極的に活用しようという企業は話は別だが)
手当はなんとなくつけるのでなく、「生き金」にすべし。
インセンティブは、やる気以上にさまざまな「弊害」を生む。
それを踏まえた上で、仕事の特性ごとに払うことが大切だ。
評価は、評価者の頭の中にある順番どおりに部下の名前を書きだすところから始めよう。
今の人材育成は、一人ひとりに目を向けること。評価項目は人によって違っていいのだ。そして定期的なフィードバックが超重要。
続いて成功する求人について。
今は人が会社を選ぶ時代。採用活動も営業活動と全く同じなのだ。
ただ、転職市場は活気づいているからチャンスもある。
自社HPやランディングページ、SNSなどを中心に戦略的に行うべし。余力があればネット広告もいい。
更に当所が手掛けた求人をいくつか紹介した。
最後は社員が定着するために大切な「理念経営」「コミュニケーション」「多様な働き方」「動機づけ」「不満足要因の解消」について解説。
更にこの1年くらいの間に実際に僕自身が見学に伺った「いい会社」(ESが高く離職率が低く、かつ業績が伸びている会社)に共通する理念や仕組みを紹介した。例えば、
・社員が幸せになることを理念に掲げている
・家族主義である
・「サンクスカード」でお互いに感謝の気持ちを伝えている
・社員が主体となるプロジェクト活動がある
・有休消化率が高い
・掃除や整理整頓が徹底されている
・経営者が本気 など
今回お話した内容は、いわば僕自身の集大成的な内容ともいえる。
是非参考にしていただき、社員が集まり定着する「いい会社」になっていただきたいと切に願っています。
JTB様主催の同セミナーを甲府市にあるホテル談露館にて開催した様子。
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