最近ドラマ化されたベストセラー本を読んでみた。
前半はよく理解できたし、その通りだと思うことが多かった。
人は、自他とも含めてよく言い訳をするけれど、まさにアドラーが言うところの目的論がピッタリと当てはまる。
僕は日頃からよく「ヒトの心の中まではコントロールできない」と自ら言い聞かせ、自他との境界線を引くよう心がけているのだが、これなどは課題分離そのものだ。
最も興味深かったのは、自己実現欲求・承認欲求・集団欲求のあたり。そう、マズローでいうところの自己実現論ね。
そんなマズローに相反するようなアドラーの考え方は、新鮮であり痛快でもあった。(実際はマズローの方が後生だから、マズローがアドラーを否定した?)
アドラーが明確に否定する承認欲求は、確かによくよく考えれば「外発的動機づけ」であり、故に「承認を求める(人の課題に立ち入る)→自由を自ら束縛する(相手にこびへつらう)→幸せになれない」というアドラー方程式が成り立つ。なるほど。
更に、自己実現論において帰結する自己実現欲求でさえ真っ向から否定し、「自分はここにいてもいいんだ(共同体感覚)」という、マズローでいうところの集団欲求を最も重視している。
僕の中では天と地がひっくり返ったような感覚で、まだ頭の中が整理つかない(笑)
自己受容・他者信頼・他者貢献は、理想としてはよく分かるけど、そんなん神や仏の領域ですやん!と突っ込みを入れたくなった。
またアドラーは「幸福とは貢献感」と説いているけど、今は幸せの尺度も人それぞれだと思う。
そんな感じで、後半の「共同体感覚」くらいから、腹に落ちるようなスカッとした納得感を得ることが難しかった。
一読しただけでアドラーを理解できるとは思っていないし、同書の内容はそのほんの一部だろう。僕の理解不足もある。
その上で、アドラー心理学は心理学というより、いかに人として自律するかの大切さ・そもそも自律とは何か・自律の先にある自由と幸せについて説いた、言ってみれば「哲学」とか「道徳」に近い感じがした。
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