去り際

”去り際”ほど、その人の人間性がよく出るものはない。

例えば、無断欠勤を続け、そのままフェードアウトする人。

周囲の迷惑も顧みない極めて身勝手な行動で、社会人としてどうかと思う。僕の経験上、若い人に多い。

 

 

何年も前の話だが、クライアント先で無断欠勤を続けている社員がいた。

会社がいくら連絡をしようとしても、全くなしのつぶてだった。

 

相談を受けた僕は、律儀に?公示送達の手続きをしようと、簡易裁判所に出向いた。

ところが、窓口に出てきた職員を始め、そこにいた他の職員も今までそのようなケースを取り扱った経験がなく、困惑した様子だった。

専門書を開くも、やはりそのようなケースについては記載されていない。

「では自力でやります」と言って、一般的な手続き方法について聞いてはみたものの、これがまた非常に面倒なものだと判明…

 

結局、公示送達はあきらめて(笑)就業規則の一部分を内容証明として配達証明で送り、無理やり?自己都合退職として扱った。

就業規則には、正当な理由のない無断欠勤を一定以上続け、会社からの督促に対して何ら応じない場合には、「みなし自己都合退職」となる旨規定しておいたのだ。(もちろん、不当解雇と訴えられるリスクは残るが、現場はそんなこと言ってられないのだ)

 

 

フェードアウトした人間は、「しのげた」と思うのかもしれないが、しょせんその場しのぎだ。

遠方へでも越さない限り、いつまたどこで再会するか分からない。というか、往々にしてばったり再会するものだ。

そんなときに、コソコソしなくてはならないのは、自分で自分の行き場(生き場?)を狭めているようなものだ。

 

 

僕は、独立する前に在籍していた会社の人や新卒入社時の同期らと、今でも時々連絡を取り合ったりして付き合いが続いている。つい先日も、前職の「人事制度プロジェクト」のメンバーらと飲んだばかりだ。

去り際さえちゃんとしていれば、いい関係を続けることができる。

(最近、突然出家して世間を騒がせている芸能人を見ていて、一言言いたくなった(笑))


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