人事制度設計における長時間労働の悩ましさ

今3社ほどの人事制度の見直し、導入を手掛けている。

それぞれ業種もバラバラだし、経営者の意向も違う。

ただ、長時間労働が常態化しているという点は共通している。

 

人事制度設計において、残業時間(残業代)をどう考えるかという視点はとても大切だが、これがなかなか悩ましい。

 

理想を言えば、残業(残業代)が減り、その浮いた原資を他の賃金原資に回せられたらいいのだけど、実際は難しい。人手不足でとても残業は減らず、仕事は山積したままだ。

結局、残業が多い会社は、残業代ありきの賃金からいつまでたっても脱却できない。

 

 

ただ一方で、それでいいとも言ってられない懸念材料がある。

 

まず来年度から時間外労働の上限規制が導入され、厳罰化される予定だ。更に、再来年度から中小企業も月60時間を超える時間外労働の割増率が50%になる。

長時間労働は、健康被害やブラック企業のレッテル、人が寄り付かなくなるといったリスクをはらんでいることは、今や子どもだって知っている。

 

 

これらのリスクを承知の上で、長時間労働ありきの制度を導入するということは、専門家としてやはり気が引ける。

一方、これらのリスク回避を鑑み、残業を減らすことを想定し、減った原資を別の賃金原資に活用する制度を導入したところで、実際に残業が減らなければ企業の人件費は膨張してしまう。

 

人事制度設計において長時間労働は悩ましい。


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