ご存知、稲盛和夫氏のアメーバ経営についての本。
アメーバ経営って言われても、せいぜい「独立採算性?」くらいの認識しかなかったので、読んでみることにした。
さすがは、京セラやKDDI、JALを立て直してきただけに、非常に理にかなっている管理会計システムだと感じた。
誰もが「経営参加」「利益最大、経費最少」の意識をもって日々仕事に当たれるよう、いろいろ工夫されている。最終的に落とし込む「時間当たり採算」もシンプルで分かりやすい指標だ。
おざなりになりやすいが、日々の数字を意識するって非常に大切。僕の経験上、優秀な経営者(業績が伸びている企業)ほど、数字に細かい。
ただ、製造業などはイメージしやすいが、サービス業や非採算性部門などは付加価値額を出すことに苦慮しそうで、アメーバシステムを適用するのは少々ハードルが高いような印象をもった。
アメーバ経営ではフィロソフィも重要になる。
理念やビジョンはあっても、しっかりとした経営哲学をもって実践できている経営者って、正直かなり少ないと思う。
フィロソフィって、人は何のために生きるのか?みたいな人生観と大いに関係するだろうから、それなりの人生経験が必要かもしれない。
稲森氏は、経営にはシステムとフィロソフィの両輪が必要であることを繰り返し述べている。
理想だけでは経営は成り立たないし、数字だけ追っていては人はついてこない。
実践的な事例もいくつか紹介されていて、経営者には参考になる本だと思う。