フィードバックの話。
年末に向けて、これから賞与査定をする企業も多いかと思う。
そこで重要になるのがフィードバック。
左本では、フィードバックとは「耳の痛いことを含めて、部下の現在の仕事の様子・状況をしっかりと伝え、彼らの成長を立て直すこと」であり、そのためには情報伝達(ティーチング)と立て直し(コーチング)の技術が必要だといっている。
僕なりの言い方をすれば、フィードバックとは「目標やビジョンに照らして行動と成果を振り返り、動機づけること」で、言わば上司と部下の「PDCA共同作業」みたいなものだと思っている。(ただ共同作業と言っても、上司は極力部下の言うことに耳を傾け、かつ必要に応じてアドバイスや支援するというスタンス)
僕は普段クライアントに、定期的に(少なくとも四半期に一度)フィードバック(個別面談)することを勧めている。
特に初めてまともに面談した経営者や上司は、決まって「今まで部下のことを知っているようで、実は何も知らなかった」と異口同音に口にする。
フィードバックは、”オフィシャルな”コミュニケーションという、忘れがちだが大切な役割を果たす。
ただ、フィードバックをちゃんとやっている会社って少ない。
理由はいくつか考えられる。
・査定だけ(点数化だけ)が目的になっている
・フィードバックの目的ややり方、効果、必要性をよく理解していない
・部下育成の意識が乏しい
・考課が形骸化している
・明確な目標を立てていない
・フィードバックする時間がない
・ただ面倒くさい など
仕事柄、人事制度の提案や導入を手掛けることも多いのだが、最近は評価シートをあえて「フィードバックシート」という名称で作成することが多い。それは「評価して終わりではなく、フィードバックこそ重要ですよ」というメッセージに他ならない。
フィードバックに対する企業の認識はまだまだ低いのが実態なのだが、故に、フィードバックの重要性を理解してもらうことが専ら最近の課題となっている。