最近の残業事情

運送業を営むクライアントからこんな写真が送られてきた。

では「運送業の経営者様、ドライバーから残業代請求されない賃金制度を導入しませんか?」というポスターはどうだろう(笑)
では「運送業の経営者様、ドライバーから残業代請求されない賃金制度を導入しませんか?」というポスターはどうだろう(笑)

このポスター、県内某サービスエリアの店内に、大きく目立つように貼られていたという。

何とも大胆不敵というか、景観無視というか(笑)

運送業者にとっては迷惑極まりないが、法に基づいて適正に残業代を支給していなければ、訴訟リスクがあるのは事実。

昨今、運送業者から賃金制度や諸規程の見直しに係る相談・依頼が増えているのもうなずける。

 

 

さて、最近何かと話題の裁量労働制。

 

国会では、根拠データがずさんであったということで野党から追及され、働き方改革法案から削除された。

知的創造的な仕事が求められ、働き方が多様化していく中で、働き方の選択肢・メニューを増やすことは必要だ。

過重労働につながると危惧されているが、誤解を恐れず言えば、それはどんな制度も同じこと。結局は使い手側の意識やモラル、知識の問題だ。

いつも思うが、政治が重箱の隅をつついて無駄な時間と税金を浪費することは、ホント勘弁してほしい。ビジョンを明確に示し、本質的な議論をして欲しいと願う。

 

ちなみに、先日の日経にトヨタが企業独自の裁量労働を導入したという記事があったが、よくよくみたら固定残業代の話だった。裁量労働制は労基法で要件が限定されていて、企業で独自に導入できるものではない。ましてや固定残業代とは別ものだ。

こういったメディアの誤解を招く表現や偏った情報が、時として世論や政治に影響するから困ったもんだ。

 

 

そんな二歩進んで三歩下がるような政治とは裏腹に、僕の周りの一部の経営者は既に動き始めている。特に休日を増やそうとする動きが増えていて、最たる理由は人材確保のためだ。

ただ悩ましいのが、製造業などが特にそうなのだが、休日を増やすと平日にしわ寄せがいく(残業が増える)ということ。

社員はどうかというと、例え平日の残業が増えても、休日が増えることを望む声が多いようだが、36協定の時間外上限規制に抵触するとなるとまずい。

これについては、テクニック的だが、変形労働時間制をうまく活用する方法もあるにはある。或いは、シニアや主婦など短時間社員を採用し、ワークシェアすることで一人当たりの残業を減らす方法もある。ただこれはこれで、残業代が減ることへの不満が懸念される。

 

 

とまぁこんな感じで、最近は残業を取り巻く話題は事欠かない。


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