先日、クライアント先が法人成りしたのだが、同時に社長が交代した。
そこで僭越ながら、新社長に経営者・リーダーとして必要な、経営理念やビジョン、行動指針について話をさせてもらった。
正直、経営理念がなくても経営はできるし、あったとしても単にお飾りなっているだけの会社も多い。そういった会社が、業績が伸びていることもある。
ただそれは「非常にもったいない」とも言える。
なぜなら、”生きた”経営理念や行動指針は、いざというときの経営判断や社員の自律に役立ったり、或いは求職者のエントリーを喚起するといった効果があるからだ。
そんな話をしている中、新社長の口からこんな話が飛び出した。
「実は法人化するにあたり、近々試験を受けなければならないんですよ。しかも社長の僕が受けなければならないんです(笑)試験内容は、事業に関する法令についてなんですけど、試験は2回チャンスがあって、2回とも不合格だと事業資格が剥奪され、最初からまた事業申請しなくてはならなくなるんですよ(涙)」
そんな試験・制度があるとは初耳で驚いたのだが、帰所後、早速ネットで調べてみた。
すると当該業界では、10年ほど前から事業を開始する経営者(又は役員)は法令試験の受験が必須になっている。合格のための及第点は8割で、合格率は8~6割くらいで推移しているようだ。試験内容には、労働基準法や労働安全衛生法もある。
恐らく、背景にはコンプライアンス意識の高まりがあるのだろうが、それにしても社長がテストを受け、しかも合格しないと経営できないとは何とも大変だ。
ただ考えてみれば、必要な勉強をせずにそのまま社長になってしまうケースもある。自己研磨し続けられる人ならいいけど、そうでない人も多い(と思う 笑)。
決算書の見方、部下のモチベーションの上げ方、マーケティング、関係法令、そして経営理念などなど、トップとして最低限知っておくべきことは多々ある。
「社長テスト」って必要かもね。