人事評価に悩む経営者や上司は多い。
人が人を評価することほど難しいものはない。できればやりたくない(笑)評価に「これが絶対正しい」という答えがあればいいのだが、残念ながらそれはない。
まぁそれはそれとして、仕事柄、或いは前職の人事経験から、評価に対する僕なりの持論みたいなものはある。
その擦り合わせではないけれど、先日、評価制度に関するセミナーを受けてきた。
今の時代の評価の傾向・ポイントとして、改めて次のようなことを再確認した。
・目的は、処遇だけに留まらず人材育成も意識する
・個人目標は、会社や部署の目標達成に資するようにする
・評価項目は数を絞り、具体的な行動レベル(コンピテンシー)に落とし込む
・コンピテンシーは会社や上司から与え、目標は個人で設定させる
・相対評価ではなく絶対評価
・定期的な評価とフィードバック(少なくとも四半期に一回) など
正直、かなり自分の頭の中のイメージ・持論と重なっていたので、驚いた。
もちろん、全てではない。例えば、定性的な業務にまで細かな評価尺度を用いてその達成度を数値化し、成果を処遇に反映させることを推奨していたが、(社風や職場風土によるところも大きいが)基本的に僕の中ではそれは「なし」だったりする。(達成度を数値化し、おおよその進捗状況を可視化することは大切)
新たな気づきやヒントもあった。
・評価ランクは10段階とし、フェアな差をつける
・4段階評価で中間点をなくす
・コンピテンシーに優先順位をつける など
ワークショップでは、事例を元に、自分が経営者だったらどんなコンピテンシーを選択するか、そのコンピテンシーの優先順位をどうするかを考え、参加者同士で意見交換を行った。
人によって選んだコンピテンシーやその順位は、微妙に、或いは全く違ったりして興味深かったが、社内において評価に対する目的意識やベクトル、或いは求める人材像を合わせるのがいかに難しいかということがうかがい知れる。
こういったワークショップは初めてで、クライアント先や相談先に対して使えそうだ。
今は人材不足もあって、人を大切にする(育てる)・生産性を上げるための評価が求められる。よくある処遇だけを目的とした評価は、すぐに形骸化するばかりか、時代に合わなくなってきている。
評価の目的意識を変える、個人の具体的な行動レベル・コンピテンシーまで落とし込む、会社と個人の目標設定は揃える、定期的なフィードバックで支援する、そういったことがこれからの評価には欠かせないのだろう。