先日、またまた求人票セミナーで登壇した。
主催は介護労働安定センター。参加者は、今年度の「ネットワーク活動」に参加している介護の経営者ら。
主催者側からの依頼もあって、今回は求人作成のポイントをレクチャーし、実際に求人票を作成するワークと個別アドバイスを行った。
効果的な介護の求人にする最大のポイントは、何と言ってもどれだけ他社との差別化が図れるか。これに尽きる。
しかし、それが非常に難しい業界でもある。
・介護施設(の求人)は数多くある
・賃金で差別化するのは難しい
・仕事内容で差別化するのは難しい(おおよそどこも似た内容)
・やりがいで差別化するのは難しい(最もやりがいを感じるのは「利用者から感謝されるとき」が断トツに多く、それを強調しても引っかからない)など
「じゃあ一体どうすればいいのよ!」とお怒りの声が聞こえそうだが、そんな時僕は、現場の声を拾うことを勧めている。そこにヒントや答えがある。
求人で訴求するためには、乾いたタオルを絞るように、差別化や強みを無理にでも絞り出す・作り出すことが必要なのだ。
今や求人におけるネット活用は当たり前。とはいえ、中小企業はまだまだ活用しきれていないというのが実態だろう。
案の定、参加者は全員、施設HPをもっていたが、効果的に活用しているところはほとんど無かった。
サンプルを元にネット求人の基本構成やターゲティングする際のポイント、検索ワードの活用などをレクチャーした。
続いてワーク。
その間、一人ずつ回って個別アドバイスしたのだが、皆さん、差別化・強みの”絞り出し”に苦慮されている様子。
重度の痴呆症の利用者をケアするグループホームを運営し、自ら看護師の資格まで取ってしまった参加者(経営者)には、なぜそこまでするのか、その思いやこだわり、そしてここまでの道のりをストーリーで伝えることを提案した。もちろん、ネットで。
「畳のある施設」にこだわっている経営者には、表面的な内容だけに留まらず、そこまでするこだわりや思いを伝えることを提案した。
求職者に「共感」を与え、エントリーの動機付けを図るという戦略だ。
時間が限られていたせいで、完成までこぎつけた参加者はほとんどいなかったが、セミナー後、早くも数名、個別指導をして欲しいと依頼が来た。
求人作成は文章力もそうだけど、ちょっとしたセンスやアイデアが必要なだけに、やはり自分でやるのは限界があるのかもしれない。