タイムマネジメントは全ての基本~佐々木常夫氏講演

先日、佐々木常夫氏の講演を聴きに行った。

佐々木氏は元東レ役員で、自身の経験を元に記したビジネス書を何冊か出版されている。書店でよく拝見するその笑顔の写真の印象とは違って、話し方は実に淡々としていた。

 

佐々木氏には自閉症の息子や精神疾患の奥さんがいて、仕事や転勤生活の傍ら長年ご家族の面倒をみるためにかなり苦労されたようだが、それが仕事におけるタイムマネジメントの意識につながったようだ。

 

今でこそ世間では、ワークライフバランスとか両立支援とか言い始めたが、当時は、そんな認識はほとんど乏しい中での話だ。

だからこそ佐々木氏には先見の明があったというか、佐々木氏の話は一聴に値するだろうと感じたのが、今回の講演に足を運んだ主な動機だ。

 

 

「タイムマネジメントとは時間の管理ではなく仕事の管理」と言う佐々木氏。会社員時代・役員時代に実践された話は興味深かった。

・部下に仕事の重要度とそれにかけた時間を調査させ、計画的に仕事をするよう意識付けさせる。(リーダーの役割とは「成果」と「部下育成」)

・何か提案する場合、過去の先輩の優れた資料を活用する。(「プアなイノベーションより優れたイミテーション」)

・極力人に合わない。(会ってもデッドラインを決める)

・分からないことは社内のプロに聞く、上司の注文(仕事の品質や方向性)を聞く、上司の強みを活かす等「部下力」をつける。

・仕事を捨てる。(パレートの法則)

・会議は最小限に(資料はA4一枚で十分)、但し(5~10分程度の)ミーティングは頻繁にやる。などなど。

 

リーダー側だけでなく、部下側に立った話も多く、バランス感覚に優れた方なんだろうと感じた。きっと上司から可愛がられ、一方で部下からは厳しくも頼りになる上司だったに違いない。

 

 

長時間労働について、「プロ意識や想像力、羞恥心(たいした結果も出さないのに残業代は請求してくる)の欠如」というストレートな言い方は、妙に清々しかった(笑)が、全くその通りで、長時間労働ほど(する側だけでなくさせる側も)”カッコ悪い”ということに気付くべき。

「オレ、一生懸命残業やってます!」というのは一昔前なら通用したのだろうが、今の時代は自ら「オレ、仕事できないっす、タイムマネジメントできないっす」と露呈しているようなものだ。(くどいけど、する側だけでなくさせる側も)

ちなみに僕は、会社員時代から仕事が終わったらさっさと帰っていたタイプで、今も基本変わっていない。

 

 

講演の最後には「7つの習慣」と「嫌われる勇気(アドラー心理学)」の話も交え、「これからの時代をどう生きるか」について言及。

・「起きたことは全て正しい」は正しくない

・運命を引き受けよう

・愛とは責任である

・誰でも幸せになれる

 

苦労された佐々木氏の話だからこそ身に染みた。

 

講演の前に行われた「静岡働き方改革ダイバーシティ」受賞企業の表彰式。
講演の前に行われた「静岡働き方改革ダイバーシティ」受賞企業の表彰式。


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