仕事柄、経営者と組織や経営の話をすることも多い。
その際、経営目標などを数値化していない、可視化していない企業が意外と多いことに驚く。
せいぜい日々の売上目標や来客目標数くらいしか数値化しておらず、しかもそれを周知しているのは店長や現場リーダーくらい。
例えば、限界利益やコスト、損益分岐点を知らずして、果たしてリーダーの役割が務まるのだろうか。
中小企業は、業務遂行能力が人より長けている、といった理由だけでリーダーに抜擢していることが多い。そのことを否定するつもりは全くないが、それ以降の教育指導があまりにも無さ過ぎる。
僕は、数値化(可視化)することは経営の基本だと思っている。
数値化することで、目標に対する進捗状況が明確化になる。特に目標に未達だった場合は、その原因を探り対策を練って、次の目標・行動に移すといった、いわゆるPDCAが可能になる。
そして数値化が何より重要なのは、誰の目にも共通認識として届くということ。数値化していないと、結果漠然とした内容にしかならない。
そのような意味で、KPIは重要だ。
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」を意味する。似た言葉で、KGI(Key Goal Indicator)「重要目標達成指標」もある。
数値化は基本、どんな職種も可能だ。
人事で言えば、定着率・労働生産性・一人当たり人件費・離職率・採用コスト・健診受診率・労災事故・研修実施などなど。
例え定性的な目標であっても、独自に基準を作り、おおよその進捗状況を把握することは大切なことだ。
ちなみに、こういった数値化した結果を何でもかんでも評価査定に反映させることは、慎重になった方がよいだろう。リーダーなど一定の裁量権をもっているのであれば原則問題ないが、そうでなければやめた方がよい、というのが僕の意見だ。
数値化・可視化の目的は、共通認識をもつこと、進捗状況を把握すること、PDCAを回すこと。
KPIマネジメントは非常に大切である。