本の紹介。
「なんのために学ぶのか?」
こんなストレートな質問をされたら、(自分も含め)世の大人たちはどう答えるのだろうか?
この本では、池上彰氏が学ぶことの意義や大切さについて、さまざまな観点から説いている。学生へのメッセージ色が強いが、大人でも十分興味深く読み進められる良書。
アメリカの大学では、今すぐ役立つこと(=すぐ陳腐化すること)はあえて4年間では教えないという、徹底した「リベラルアーツ」の話は意外だった。
確かに専門知識を学ぶ前に、まずは「人間・人の心」を知ることが大切。
18歳にして初めて読み書きができるようになったネパール人の女性が語った「私は本当に世の中に存在しているんだと思った」という言葉。
我々は「義務教育病」になってやしないか?いつでも自由に学べるということは、本当にありがたいことなのだ。
また読書の大切さも説いていて、お勧めの古典も紹介している。
哲学者ショーペンハウアーの「読書について」の一節、「本を読めば読むほどバカになる」は衝撃的だ。自分の頭を「他人の思想の運動場」にしないためには、読んだ後に自分でしっかり考えることが必要になる。
自律した豊かな人生にするためにも、学ぶことに務めていきたい。