助成金の方針

クライアントを訪問していると、何かと雇用調整助成金の話題になる。

「社労士に依頼したら高額な報酬を要求された」とか、「今は申請手続きをしてくれる社労士を見つけるのは大変」とか、そんなニュースを見たという。

 

ネット検索してみると、確かに「助成額が8万円のケースで、手数料10万円と言われ断念した」「不正受給に対する厳罰化に社労士は及び腰」とある。

助成額以上要求するのはどうかと思うが、及び腰な理由は他にも色々あろう。今は労働保険や算定で一番忙しい時期。クライアントの申請が増えつつある中、スポットを受けるのは物理的にも精神的にもしんどいと思う同業者は正直多いと思う。

 

 

当所の助成金に対する方針は以前から明快だ。

①成功報酬10%

②無理に代行しない

③スポットは受けない

 

これでずっとやってきている。

①については、先日もあるクライアントが「トモノさんは、助成金の報酬が全然高くないよね」と言ってくれたのだが、10%より高く設定している同業他社は、以前よりも多くなっている気がする。

無理に高く設定しないことには理由があって、それは「所詮、助成金は『水物』」と思っているから。そんなものに(当所が経営していく上で)頼っていても仕方がない、という気持ちが強いのだ。「ちょっとしたお小遣いが入ってラッキー♪」程度に捉えているだけ。

 

あともう1つ理由があって、報酬を高い率や金額で設定すると、いわゆる「交換条件付きインセンティブ」の弊害が起こりやすくなるから。高く設定すればするほど、視野が狭くなり、コンプライアンス違反につながりかねない。

 

ちなみに誤解の無いよう申し添えておくと、活用できる助成金はどんどん活用すべきだし、クライアントへは随時情報提供している。

 

 

②については、これはちょっと同業他社ではないかもしれない(笑)

クライアントと一口に言っても色々で、中には自社で申請したがるところもある。そりゃそうだろう、依頼すれば手数料がかかるしね。ま、このあたりの考え方は色々で、特に総務担当者で決まることも多いが、いずれにせよ、無理に当所で申請代行しないというスタンスでやっている。

もちろん、どんなクライアントであっても平等に情報提供はするし、何か質問があればお答えする。

これでいいのだ。←バカボンか(古!)

 

 

③については、何も知らない新規の企業について色々調べる必要があり、それが非常に大変で骨が折れ、下手したらタダ働きになる可能性もある。だからスポットはやらない。

 

 

雇調金は、自社で書類を作成・準備できない中小企業はたくさんあると思われる。ハローワークへ聴きに行ったが、結局チンプンカンプンで帰ってきた、という経営者の話を直接聞いている。

救いの手を求めている企業を前に、確かに率先して作成・申請代行し少しでも社会貢献したいところだが、クライアントのことを考えれば、やはり方針を変えるのは難しいと言わざるを得ない。


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