マイボドゲ大賞2020

今年はコロナ禍の影響で外出が減り、海外ボドゲに触れる機会が増えた。ということで、勝手にマイボドゲ大賞2020と称し(笑)、今年プレイした中で特に気に入ったボドゲをいくつか挙げてみたい。

旅をするほどアクションスペースが増えていく。ダイスプレイスメントの傑作。
旅をするほどアクションスペースが増えていく。ダイスプレイスメントの傑作。

第7位 マルコポーロ2(2020年)

 

プレイヤーは、マルコポーロよろしく商人に扮して、ユーラシア大陸を旅しながら点数を稼いでいく重量級ユーロゲーム。

 

最大の特徴は、何と言ってもダイスプレイスメント。

各ラウンドの初めにプレイヤーは5つのダイスを振り、そのダイスを配置しアクションを実行する。

運ゲーでは?と思いがちだが、アクションは早い者順だったり、ダイス目の制約があったりと考えどころが結構ある。更に、一定の条件でダイス目を変えられたり、リロールできたりと、決して運ゲーになっていない点がお見事。

 

前作の延長線上にある作品だが、キャラクターの個性や移動コスト、リソース管理がマイルドになり、一般受けするよう調整されている。ここは好みが分かれるところ。また、アクションスペースが盤面にちりばめられマップは見づらくなった。

自分的には、見た目がスッキリしていて、かつ尖がっていた前作の方が好みだが、本作でもダイスプレイスメントの醍醐味を存分味わえる。

 

1人のプレイヤーが迷えるダイバー「サトシ」を連れて脱出に成功した瞬間。「後は俺たちに任せろ!」
1人のプレイヤーが迷えるダイバー「サトシ」を連れて脱出に成功した瞬間。「後は俺たちに任せろ!」

第6位 レフュージ(2020年)

 

チェス+パンデミック。プレイヤーはダイバーとなって、タコの化け物「クラーケン」をかいくぐって脱出する。このクラーケン、横だけでなく前にも出てくるから最高にスリリング。

 

プレイヤーの特殊能力とアクションカードの使い方が肝で、パズルチックな要素が強いのも個人的に気に入っている。

対戦モードもいいが、協力モードがお勧め。「俺が最後まで残るから、皆は先に行ってくれ!」と自ら犠牲になるもよし、「お先に失礼します」と一目散で逃げるもよし。なかなかドラマチックな展開が楽しめ、ワイワイ盛り上がること受けあい。

 

最後に各宝石の価値が判明した瞬間。この瞬間、最高にドキドキする⤴
最後に各宝石の価値が判明した瞬間。この瞬間、最高にドキドキする⤴

第5位 キュリオス(2020年)

 

最も価値の高い宝石を集めた人が勝つ心理ゲーム。

各宝石の価値は、相手の動きやカードから予想していく。最後に各宝石の価値が判明する瞬間は、最高にドキドキし盛り上がる。「7」と予想し集めた結果、「1」だった日にゃ目も当てられん。

 

超軽量級ながら、ブラフ(心理戦)、競り、ワープレ、エリアマジョリティといった要素が含まれていて、更にこれだけ盛り上がれるのはなかなかない。間違いなく良ゲー。

シンプルなルールと15分のプレイ時間で、今年はクライアン先で最も稼働率が高かった。←仕事しろよ

 

さっぱり分からない盤面(笑)でも見てると何故かワクワクする♪
さっぱり分からない盤面(笑)でも見てると何故かワクワクする♪

第4位 ロビンソンクルーソー(2020年)

 

無人島をサバイバルしながら目的達成を目指す、他に類を見ない重量級の「協力型ワープレRPG」。

 

島の探索、アイテムの作成、テントの設置、食料の捕獲等、やりたいことがたくさんある中、限られた手数の中で最適手を考えるのが悩ましい。

バッドイベントが多く心が折れそうになるが、何とかゴールしたときは一塩だ。

 

シナリオごとに違ったストーリーが楽しめ、何と自分でシナリオを作ってしまった(笑)更に特製トークンを海外から取り寄せたりと、一時はかなりドはまりした。

しかしよくもまぁこんなゲームを作れるもんだ。その発想力が凄い。ヨーロッパで数々の賞を受賞しているのも納得。それにしても、なぜ7年ほどの時を経て今年、突然日本語版が出たのだろう。(その1ヵ月前に英語版を輸入したという…涙)

 

アフリカを舞台とした独特のインタラクションが展開される。
アフリカを舞台とした独特のインタラクションが展開される。

第3位 モンバサ(2015年)

 

設定は植民地時代。アフリカを占拠する特許会社に対して、プレイヤーは投資家となって投資し、最も資産を増やした人が勝つという重量級の経済ユーロゲーム。

 

デッキ構築、ワープレ、エリアマジョリティ、パズルと、いろんな要素がてんこ盛りながら、非常に高いレベルで有機的に関連し合っていて、どのアクションを優先すべきか常に悩まされる仕掛けになっている。

特筆すべきは、カードを回すための独特のルール。手順と次ラウンド以降のことをよく考えた上でカードを選択・配置しないと、点が伸びないどころか手詰まりとなり、「やっちまったぁ!」「ああすればよかった…」となる。逆に全てがかみ合いうまく回ったときは、これほど気持ちいいものはない。常に計画性(何がしたいのか)、広い視野(最適手は何か)、冷静さ(ミスはないか)が求められる。これらスキルは仕事でも活かせそう?

更に、各特許会社は誰のものでもないため、独特の押したり引いたりのインタラクション・心理戦が生まれる。狙った会社の株価を上げてもよし、人がつり上げた会社に相乗りしてもよし、人が狙っている会社の株価を下げてもよし。

 

難しいゲームで、経験者が圧倒的に有利なゲーマーズゲーム。更にインストも面倒(笑)ということで、やる人・やる機会を選ぶ。でもやる度に発見があり、ヨーロッパで数々の賞を受賞しているのも納得。

 

中央ボードにダムが建てられていく様は面白い。でもそれ以上にムズイ!
中央ボードにダムが建てられていく様は面白い。でもそれ以上にムズイ!

第2位 バラージ(2019年)

 

水力ダムを建設し、発電し得点を競うワープレ。

中盤くらいまでは金や重機がカツカツで、そのリソース管理が悩ましい。

その中でダムの建設をしていくわけだが、いかに水の挙動を自分に有利にもってくるか。人のダムの前にダムを建て邪魔したり、自他が発電した水のおこぼれを頂戴したりと、強烈なインタラクションが楽しめる。

更に、自国やキャラクターの能力を活かしながら、効率的に発電・得点することも勝利へ近づく条件となる。

 

個人的には、テーマ性、ダムの再現性然り非常に見通しが良い点、引き締まったシステム、そして強烈なインタラクションが特に気に入っている。最終ラウンドに向け徐々に能力解放・発電していく拡大再生産も実にお見事。

非常に難しいゲームだが、無駄なくうまく回せたときの快感はこの上ない。これはモンバサと同じ感覚だ。難ゲーのご褒美。

3人プレイがベストと思うが、3時間はかかる重量級。とは言え海外のみならず国内でも評価は非常に高く、既に名作だと思う。ちなみにゲームデザイナーはマルコポーロと同じ人。尊敬するわ。

 

アートも美しい。パンデミックシリーズはホント丁寧に作られている。
アートも美しい。パンデミックシリーズはホント丁寧に作られている。

第1位 パンデミックイベリア(2016年)

 

今年のNo1は、最も稼働率が高かったこれ。バラージと悩んだが、やはりプレイは1時間一本勝負がいい(笑)

 

設定は19世紀中頃のイベリア半島。実際にさまざまなウイルスが流行した史実が元となっていて、プレイヤーは協力しながら4つのウイルス根絶を目指す。

 

パンデミックベーシック版をベースとしつつ、線路の敷設と浄化の要素が加わることで、戦略性とリプレイ性がグッと高まっている。何と言ってもここが最大の特徴であり魅力で、やりごたえ十分の傑作となっている。

各キャラクターの特殊能力と他プレイヤーを考えた行動、イベントカードの使い方、病院を建てるタイミングと場所、そして前述の線路と浄化のアクション。これらがうまくできないとなかなか勝てない。

ゲームでこれだけの緊張感を出せるってなかなかないし、ゲームバランスも素晴らしい。カードの引き運もあるにせよ、勝つも負けるも終始ギリギリだ。イベリアに限らず、名作・傑作と呼ばれる作品は、相当テストプレイされているのだろう。感服する。

 

 

という感じで、今年のマイボドゲ大賞は以上の7作品。ざっと見渡すと、ほとんどがユーロゲームでうち4作品がワーカープレイスメント。今の海外ボドゲの潮流をいってる?まぁ、改めて「戦略系」「重量級」「協力系」「インタラクション系」が好きなんだということがよく分る。

特に上位三作品は、オールタイムベストと言って良いと思う。これからも時間とタイミングが合えばプレイすることになるんだろうね。

 

コロナ禍もあって、ボドゲが流行りつつあるといったニュースや話題を今年はよく聞いた。確かにハンズや書店でもボドゲコーナーができてたり。これを機に海外ボドゲ人口が増え、いいコミュニケーションの場が増えるといいと思う。

実際、今年一緒にプレイしたクライアント先の社長が「ウチの家族はバラバラだから、ボドゲは家族が一緒になれるいいツールになるのでは」と強い興味を示してくれた。

来年はサクッとできる軽量級ももっとプレイし、気に入ったものは周り(クライアント含む(笑))に紹介していきたい。そしてウチでクローズ会も開きたいと思っている。(今年はゲーミングテーブルを買ってしまったし)

そうできることを祈りつつ、そして何より、今年一緒にプレイしてくれた人に感謝だ。


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