いよいよ間近に迫ってきた社保適用拡大。
現在、次の4つの要件を全て満たす労働者が501人以上の企業においては、例えパートであろうが、社会保険(厚生年金・健康保険)に加入しなくてはならい。(扶養から抜けるということ)
①週の所定労働時間が20時間以上
②月額賃金が8.8万円以上(通勤手当や残業代、賞与等は含まず)
③1年以上の雇用見込み
④学生でない
要するに雇用保険に加入するような人は社保に加入しろ、ということだ。
これがいよいよ来年10月から、101人以上の企業へ適用拡大となる。(③は「2ヵ月以上の雇用見込み」となる)
更に3年後(2024年)の10月からは、51人以上の企業へ適用拡大となる。
そんなこんなで、最近厚労省は専用サイトを立ち上げたりしている。
話は少し変わるが、健康保険の扶養制度。
個人的には廃止した方がよいと思っている。なぜなら、これは昭和の世相(夫は働き、妻は家事)を反映した古いシステムであり、共働きが普通である今の時代に全くなじまない。
このシステムのおかげで、年末になると扶養の範囲内(年収130万円未満)に収めるために労働時間の調整をするはめになる。会社は人手不足なのに、本人はもっと働きたいのに。一体誰が得してる?(低所得者や障がい者等、やむを得ない事情がある人にはあっていいと思う)
ついでに言うと「103万円の壁」も。
世帯の可処分所得で考えれば、所得税103万円の壁は原則気にする必要はない。正しく理解している人は圧倒的に少ない。
でも実際はこの壁を気にする人は多い。正しくない知識や情報により、これも足かせになっているのであれば、実にもったいない話だ。
国や行政が積極的に議論のテーブルに乗せ、システムの見直しや周知をする必要性を感じる。(果たして、これらシステムを正確に理解している政治家はいるのだろうか?)
今回の社保の適用拡大は、扶養システムを今の時代にマッチさせるという意味ではいいと思う。
但し、会社負担の増大や人材流出(扶養を希望するパートが、労働時間を短くしたり、規模の小さい会社へ転職してしまうとか)の懸念材料も否定できない。国は、厚生年金に加入すれば将来の年金に反映するとは言うものの、果たしてどれだけの訴求力があるか。←ほとんどないだろうね。
最近は例の女性蔑視発言により、何かと男女平等についての話題が上がるが、これら古いシステムこそ、人材活用や女性活躍の足かせになっている。