今月から70歳までの就業確保の努力義務がはじまる。
背景には枯渇していく年金財源問題があるわけだが、これからは、労働者は独立・起業できるくらいのスキルを身につけないと、70歳までずっと会社に従事し続けるはめになる。
雇う方も大変だ。人件費の増大、シニアの賃金制度、同一労働同一賃金、健康管理、増える労災、偽装請負…さまざまな課題が出てくる。
さて、(特に退職金制度がない)中小企業では、中小ならではの?定年問題が時々起こる。
それは「知らない間に定年過ぎてた問題」。
「そろそろあの人定年じゃね?」と確認したら、とっくに定年を過ぎていたとか、定年を機に辞めてもらいたい人が定年を過ぎていて、言いそびれたとか。
また、定年後の再雇用を適切に運用しているところは、果たしてどれくらいあるのだろうか?
中小企業は、依然として人手不足だし、何より今は60歳でも全然元気でバリバリに働ける人は多いから、定年や再雇用なんてほとんどあってないようなものなのだ。
ただ、70歳くらいになると話は違ってくる。特に健康問題や体力的なところで、人により差が出てくる。
この度の70歳までの就業確保措置。恐らく多くの企業では、今の65歳までの再雇用制度を70歳まで延長することになると思う。
今までは笑ってすませられた「知らない間に定年過ぎてた問題」も、これからは定年や再雇用の運用を適切にしないと、そうはいかなくなる。