今年プレイした海外ボドゲのうち、印象に残ったベスト5を発表!
No5 クライオ(2021年)
アメリカ人が最近のユーロゲーを作るとこうなりまっせ的作品。自分的にはそこがとても興味深かった。(残念ながら世間の評価は今一つ)
SFがテーマなのと、シンプルなルールはやっぱアメリカ人だなと思うけど、システムは完全に最近のユーロゲー。
メインボードは結構なインタラクション(ワカプレとエリアマジョリティ)があり、個人ボードは自分なりのエンジンを作っていく面白さがある。終了トリガーも、ゲームがダラけなくていい。70年代風のキャッチーなアートワークも個人的に◎。
ん~やっぱもっと評価されていいと思う作品。
No4 ゴッドファーザー(2017年)
ご存知、映画「ゴッドファーザー」をテーマとしたバチバチの対戦ゲーム。プレイヤーはマフィアのファミリーとなって、1950年代のニューヨークを舞台とした覇権争いを繰り広げる。
手番では、「縄張り争い」「ゆすり」「マネーロンダリング」「賄賂」「略奪」「射殺」といったエグいことを平気でやる(笑)射殺されると、その死体(フィギュア)はハドソン川に捨てられる。怖~
でもまじめな話、テーマ性とシステムがすごくマッチしている。美しいとさえ思う。例えば、縄張り争いはまさに「エリアマジョリティ」そのもの。賄賂フェーズでは、多くの金を提示したプレイヤーが市長や警察署長らを味方にできるのだが、これは「入札」というメカニズムをうまくゲームに取入れている。
最終的に、所持金が一番多いプレイヤーが勝利するというのも分かりやすい。ゲーム中に得た金は、一切換金や両替できず(だって違法行為で得た金だから)、マネーロンダリングしないと全く意味のない紙屑と消える。このマネーロンダリングだが、得た金をスチール製のスーツケースに入れるというこだわりよう。
正直、プレイする前は微妙かな?と思っていたが、いざやってみると面白い。深い戦略性はないけれど、終始ジリジリした熱いインタラクション(やられたらやり返す!の報復合戦)が楽しめる。(これを笑って楽しめる人じゃないと無理だが)
ゴッドファーザー愛のテーマをBGM♪で流しながらプレイしたのだが(笑)、それもあってか参加者には大ウケだった。やっていることは違法でも、なぜか哀愁漂う「人間ドラマ」になってしまう。音楽の力ってやつね。
番狂わせなこの作品、ひょっとして定番になるかも。ちなみに、版権の関係で日本語版はまず出ない。
No3 バラージ(2019年)
ダムを建設し発電することで得点を競う。
序盤はリソースがカツカツで思うようにダムを建設できずキリキリするが、中盤から後半にかけて徐々にゲームが回り出す仕掛けは、何度やってもお見事。
ダムをどこに建設するかが悩ましい。他プレイヤーを邪魔するように川上に建てたり、他プレイヤーが発電したおこぼれがもらえる場所に建てたり。やっぱインタラクションが強いゲームは好みだ。
今までプレイしたルチア―ニが絡む作品はどれも素晴らしい。当作品も然りで、世界的な評価も年々上がるばかりだ。この人、天才としか言いようがない。
No2 ブラス(黒2007年、白2018年)
ブラスは、イギリスの産業革命をテーマとしたゲームで、通称「黒ブラス」と「白ブラス」の2種類ある。ルールはほとんど共通だがマップが違う。幸運にも今年は両方プレイできた。(順位はバラージと甲乙つけ難かったが、黒白両方できたという単純な理由だけでこれを2位とした)
特に白ブラスは、BGGの世界ランキングで対戦型では約2年間もNo1の座をキープしている!レイトも8.7(世界中のボドゲギークが10点満点で投票した平均)という、圧倒的な支持を得ている。
前半は運河の時代、後半は鉄道の時代となっていて、産業や鉄道を敷設していき得点を競う。ちなみに、前半は後半に備えて、あえてしゃがむのが自分流。
敷設には、お金以外に石炭や鉄のリソースが必要になるが、これらリソースの相場がそのときの生産量やニーズにより変動する。この超シンプルながらも、市場経済の原理をうまく反映したギミックが秀悦。
テーマやアートワーク、手札のカードをきって行うアクション…何もかもが渋い雰囲気の大人なゲーム(とは言え子供だって十分楽しめるが)。酒を飲みながらゆったりやってみたい。
No1 アルママータ(2020年)
イタリアのゲームデザイナーチーム「アッキトッカ」の作品。
テーマは大学運営。学生や教授、学長を集めていき、そのカード効果のコンボによって得点を稼いでいく。
コンボは実に多くのパターンがあって、やるたびに新たな発見がある。これがリプレイしたくなる最大の動機付けになっている。(願わくば、教授や学長の拡張カードを出して欲しい)
少ない手番の中、効率よくプレイできれば、後半にかけてカード効果がどんどん連鎖し、拡大再生産が存分楽しめる。これぞユーロゲー。
学生や教授を獲得するためのリソースが、本になっているのも面白い。自分の本の価値を高めるほど、より有利に学生や教授を獲得でき、また他プレイヤーへ高く売れてお金になる。ちょっとした経済ゲームの要素もある。
弱点としては、初見者はカード効果を把握できていないため、どうしても経験者と差がついてしまう点。そこは致し方ないにせよ、いやぁ何回やっても面白い(スルメゲーってやつ?)。今年一はまった。
最後に、今年一緒にプレイしてくれた全ての人に感謝!