本の紹介。
今年4月から、いわゆるパワハラ防止法(正確には労働施策総合推進法)が施行される。(大企業は一昨年6月に既に施行済み)
パワハラの話題になると、必ずと言っていいほど出てくるのが、「指導とパワハラの境界」。
パワハラ法では、パワハラを次のように定義している。
①優越的な関係を背景とした
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③労働者の就業環境が害されるもの
(③は「平均的な労働者の感じ方」で判断する)
クライアントに対して、そういった法的な話はもちろんするが、でもそれだけでは足りないと思っている。
例えパワハラが定義されたとしても、いくら「パワハラは、原則客観的に判断されるもの」と説明しても、結局「指導とパワハラの境界」問題は解決せず、モヤモヤしたままだ。
明確な答えなどなく永遠のテーマというのは承知だが、それでも何か実務的なヒントが得られないものかと思い、当書を読んでみた。
例えば、
・「パワハラかどうか」よりも「より良いマネジメントは何か」という視点、発想が大切。
・指導とパワハラの境界線は、「目的と方法が適切かどうか」に置き換えて考えてみる。
・「一方的」「繰り返す」行為はパワハラ認定されやすい。
・パワハラは下から上での情報伝達をなくす。等
なぜ人はパワハラするのか・怒りの感情が湧き出てくるのかといった心理的な内容があればなお良かったが、それでもそれなりに参考になった。
(ちなみに現在、別会社にてパワハラをテーマにした研修用ボドゲを企画開発中)