今年も早くも半年が過ぎた。そこで、上半期にプレイした海外ボドゲのうち、印象に残ったものを3つほど挙げてみたい。
19〜20世紀にかけ鉄鋼王と呼ばれて活躍した実業家、アンドリュー・カーネギーをモチーフとした作品。アメリカンドリームの象徴であり、慈善活動にも力を入れた。この作品はベルギー産で、世界的評価(BGG評価)も徐々に高まっている。
各プレイヤーは企業のオーナーとなり、ワーカーを雇用し、輸送網を発展させ、建築・投資し、慈善活動しながら得点を競う。
最大の特徴が、ラウンドごと手番プレイヤーが選択したアクションを他プレイヤーも実行するという点。これにより、他プレイヤーのアクション選択に依存したり、他プレイヤーが空振りしそうなアクションを選んだりと、常に他プレイヤーの動向を気にする必要がある。実際3人戦でやったのだが、2ラウンド程空振りした(笑)
個人的に刺ささったポイント・要素がいくつかあった。
まずテーマとシステムがマッチしている。例えばドネーション(寄付)アクションでは、自分が選んだ対象にいくらか金を払う。支払いはきついが、目標を達成するほどゲーム終了時にリターン(名声という名の勝利点)が入る。
エンジンビルディングも面白い。ゲーム中、個人ボード(会社ボード)上に「部署タイル」を増やせるのだが、自分なりの個人ボードを作り上げていく面白さがある。その結果、強力かつ効果的なアクションが打てたときの快感がたまらん。
建築アクションによって、アメリカマップに自分のネットワークが広がっていくのも気持ちいい。3年前にブルーズツアーで実際に訪れたメンフィスは、どうしても肩入れして建築したがる(笑)
必勝パターンもありそうだが、そこはランダム要素や拡張で払拭できるのでは?今年初プレイしたユーロゲーの中では、断トツの面白さだ。
以前も紹介したドイツゲーを代表するテラミスティカ。10年経った今でも世界的評価(BGG評価)は高く、色あせない。
各プレイヤーはファンタジー世界の一種族となり、特殊能力を活かしながらエリアマジョリティ(陣取り)をしていく。次第に街ができていくボードは、キャッチーで華やかだが、それとは裏腹に終始ジリジリとした展開が続くゲーマーズゲームだ。
今年、そんなテラミスティカにソロ対応拡張が出た(近年はソロ常備の作品が実に多い)。2人プレイ時にソロオートマ(敵)を入れ3人戦もできる。上半期の前半はコロナで自粛ムードだったため、一時期このソロはよく回した。ソロでもやっぱおもろいね。
通常ルールは、オートマは1体だけだが、オートマカードをコピーし対2体(要は3人戦)としてハウスルールでやるのが自分流だ(ソロの場合、僕は面白くなると思えばどんどんルールを変えてしまう派)。オートマと言えどもこちらのプレイを邪魔してくるから、それなりに実践っぽいプレイが楽しめる。たまに勝手に詰んでしまうが(笑)
今はアプリ版が出ているので(僕もスマホに入れている)、わざわざソロは必要ないとも思うが、やっぱこの立体コマを実際に触ってボードに配置し、立体的な街が出来上がったボードを、想像力を膨らませながらニヤニヤ見るのが好きなんだよねぇ。(バラージも同じようなことが言える)
最近流行りの「紙ペンゲーム」(正確にはRoll and Write)というジャンルのパーティゲーム。2018年ドイツゲーム賞エキスパート部門ノミネート作品。
いくつかダイスを振って1つ選び、その色や出目に対応するシート上のマスを埋めていき、コンボにより得点を競う。まぁ一言で言えばビンゴ。
どのダイスを選ぶか・どの順でコンボを達成させるか結構悩ましい。タイトルの意味は、確か「賢いヤツ」みたいな。その名の通り、単にダイス運だけでは勝てない。
紙ペンは総じてソロプレイ感が強く(インタラクションが弱く)、特に盛り上がることもなく、全プレイヤーが同時進行することが多いため処理の正確性も担保されない。だから全く自分好みでないのだが、この作品はそのようなネガティブ要素が薄い。
実際いろんな人とやったが、誰からも好評だった。ルールはシンプルだし、そもそもビンゴ嫌いな人はいないだろうし、ダイスをジャラジャラ振ったり、コンボを連鎖させた時は気持ちいいしね。
重ゲーやった後の隙間時間にもサクッとやれるし、これは重宝する。