見誤りやすい有効求人倍率

有効求人倍率の話。

5月の全国の有効求人倍率は1.24倍、6月は1.27倍だった。静岡県では、それぞれ1.28倍と1.31倍だった。

全国のフルタイム(≒正社員)は、6月は0.99倍だった。

 

全体では1倍を超えるため売り手市場、すなわち人手不足の状態だ。正社員だけで見れば、ほぼ1倍で需要と供給のバランスがよい状態と言える。

いずれもコロナ前の水準には及ばないものの、徐々に上がってきている。年度替わりということも大きいが、企業は経済再活動に伴い、採用活動も少しずつ強化し始めた感がある。

 

 

とは言え、有効求人倍率はあくまでも平均値なので注意が必要だ。

全国や都道府県別の平均だったり、全労働者の平均だったりするので、そのまま額面通りに受け取ると見誤る可能性がある。

 

例えば、当所があるハローワーク静岡管内の5月有効求人倍率は全体で1.59倍だ。

フルタイムだと実に1.76倍、パートタイムでも1.35倍ある。全国平均を明らかに大きく上回っている。

更に職業別で見ると、販売は6.30倍、介護は5.55倍、保安は11.52倍だ。

反して、人気の事務職だと0.41倍と求職者には狭き門だ。

 

有効求人倍率が他より高い主な理由は、大手企業の営業所が多いからだ。

静岡に限らず、地方都市では恐らくどこもそのような傾向がある。

 

もし僕が警備業のクライアントに「社長、正社員の有効求人倍率は約1倍ですから、今求人を出せば人はすぐに来ますよ!ちょろいすね」なんてアドバイスしようもんなら、それは間違いなくお門違い。真冬に冷たいかき氷を勧めているようなもんだ。

 

有効求人倍率は見誤らないよう注意が必要だ。


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