秋はやっぱボドゲ会。
ご存じみんな大好き「バックトゥザフューチャー」をモチーフとした中量級作品。
40代以降のおじさんは、デロリアンのミニチュアを見た瞬間、テンション上がること間違いなし。
各プレイヤーは、マーティやドク、アインシュタインなどのキャラクターを担当し、ゲーム終了時(1955年10月という設定)にデロリアンを時計台まで移動させ、かつジョージとロレインの恋愛メーターを一定以上に上げていれば勝利するという協力系。
二人の恋仲をビフやその仲間がしつこいくらい邪魔してくる。完全にストーカーだ。ビフに出会わないよう二人を誘導しながら各ミッションの達成を目指すのだが、その成否判定はダイス。
ビフの目が出るとビフが二人に近づいてくるのだが、これがまぁよく出る。あまりに腹立つので、もとい辛過ぎるので、ウチではハウスルールを入れバランス調整している。賛否あるだろうが、自分たちでルールを変えて楽しめるところは、アナログゲームの良いところだと思っている。(所詮ゲームなんで)
70%運要素といった作品だが、ダイスを振り直せたりグレードアップできたり、アイテムの使いどころや誰が何をすべきかの役割分担など、戦略性の部分もちゃんとしないととても勝てない。
ゲーム展開やイベント、アイテムが、映画の内容をよく再現していて思わずニヤリとする。リアルタイムで観ていた世代は、ノスタルジーを感じながら楽しめる。ヒューイ・ルイスでもかけながらやるといいかも。
古代ギリシャの貴族アトランティスとなり、自分たちの一族や街を発展させていくエンジンビルド文明発展系の重量級作品。
彫刻のようなフィギアと美しい円状の街が描かれたボードに思わず目がいく。
ゲームは3つの時代に分かれていて、時代が進むほど「テックツリー」方式により、できるアクションが連鎖・拡大していく。内政力か軍事力か一族固有能力か、どの技術を深堀していくか悩ましい反面、エンジンビルディングは自分だけの個人ボードを作っていく楽しさがある。
手番では、ダイス状のワーカーを配置しアクションしていくのだが(いわゆるワカプレ)、どの順でどこに配置するのか、まるで詰将棋のようだ。
中央に構えるポセイドンの恩寵を受けるとご褒美を受けられるが、敵の進軍を許すと洪水が起こり、街は瞬く間に崩壊、ポセイドンの怒りを買ってしまう。
そこで活躍するのが各一族が操る神獣メック。これが滅茶苦茶強い。敵を簡単に食い止めたり一網打尽にしたりと、かなりド派手にやってくれる。この時ばかりはプレイヤー間で自然と協力するから何だか面白い。(基本対戦型だが、完全協力やチーム戦、ソロなどいろいろなモードが用意されている)
時代が進むごとにできるアクションがどんどん派手になり、VPがじゃんじゃん入るようになる。それはそれで気持ち良く痛快なのだが、ちょっと大味か。その辺のバランスが調整されていれば自分的にはもっと好印象だったが、それを差し引いても魅力的な作品。
実在したパンアメリカン航空の歴史をモチーフとした中量級作品。飛行機の模型がいいね!
各プレイヤーは航空会社の経営者となり、自社のルートを拡大したり売却したりしながら収入を増やし、パンナムの株式を購入していく。終了時、最も株式を得ていたプレイヤーが勝利する。
感心したのはメカニクス。手番では順に自分のエンジニア(コマ)をやりたいアクション(空港を作ったり、目的地カードやルートを獲得したり、飛行機を購入したり)のマスに配置していく。その際、いわゆる「押し出し競り」になっていて、他のプレイヤーが後から自分よりコスト高のマスに置くと、自分のコマは手元に戻ってくる。皆が同じアクションに集中すると、自然とコスト高になる仕組みだ。
エンジニアを全員が置き切ると、後はAのアクションから順に解決していくだけ。非常にシンプルで分かりやすい。各ラウンドのスタートプレイヤーの決め方も、なるほどと思わせるちょっとした工夫がある。
史実に基づき、パンナム航空はマイアミから始まり、アジア路線を中心に拡大していく。戦略的には、パンナムにルートを売却すべく、アジア中心に自社ルートを拡大し短期収入を目指すのか、或いはあえて遠方にルートを拡大し定期収入を増やしていくのかの大きく2つに分かれそう。
運要素も適度にあり、ルールやアクションもシンプルで(要は金儲け)、初見者も一緒になって楽しめる。コンポーネントも非常に凝っていて、フレーバーがよく効いている。決して派手さはないけど良き作品。