来年4月から労働条件の明示ルールが見直される。(労基法施行規則や雇止告示の改正)
簡単に言うとこんな感じ。
1雇入れ直後の就業場所と業務内容に加え、これらの変更の範囲
2更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)
3無期転換申込機会(無期転換を申し込むことができる旨)
4無期転換後の労働条件
1は全労働者、2~4は有期契約労働者に対して明示することになる。
今回の見直しの背景には、労働契約に係るトラブルが増えていたり、無期転換ルール(労働契約法)を知らない人がまだまだ多いことがあると思われる。
最近クライアントへの定期訪問時には、この話題をお伝えすることが多いのだが、その際決まって聞くのが、
「無期転換ルールって何でしたっけ?」
その瞬間、たいがいの人は僕と目を合わせないようにするのだが(笑)、僕がじっ~と待っていると、誰かが恐る恐る口火を切り、
「…え~と、有期契約が5年以上になると~」と答えるパターンが多いのだが、厳密には「5年超」。ここを正確に答えた人は今までいない。(←やな顧問だね~)
とは言え、実務で影響を及ぼすところなので担当者にはしっかり基本知識を抑えていただく必要があり、そういった場合は、僕はよく質問をする。
話は無期転換ルールだけに留まらず、テーマは多岐にわたる。
・求人の出し方(どこまで明示するのが妥当か。今は異動したがらない人が多い)
・企業の人事裁量権(限定採用VS異動命令)
・更新基準(契約時にどこまで明示するのが妥当か。人のモチベーションにも関係してくる)
・雇止めトラブル(労契法に照らして考える)
・再雇用に係る有期特措法(必要なら手続きをやっておく)
・第二定年の設定(「無期転換時に定年を超えてた問題」をどうするか)
実務に大きな影響を与える今回の見直しは、周辺テーマを含めてしっかり議論していく必要がある。
その最初の一歩として、実務担当者は「無期転換ルールって何でしたっけ?」という質問にちゃんと答えられるようにしておく必要がある。