実際にあった話。
ある会社を辞めた社員が労基署へ駆け込んだらしく、ある日突然、労基署からその会社に調査が入った。
調査の結果、全社員及び辞めた社員へ過去半年分の未払い賃金を払うこととなった。
その後その会社から相談され、賃金規程を見たら固定残業代を払っている体になっていたのだが、それで安心していたのか、何ら残業時間管理をしていなかった。こういうの、未だ中小企業に時々見受けられるが、今の時代全く通用しない。
その時、僕が社長に伝えたのは
・半年分払っても、未払いリスクは残っている。民事上は、過去3年(いずれ5年になる)請求される可能性がある。
・残業代を正確に払うことは、労務管理をする上での大前提。
残業代を正確に払うためには、そこに至るまで次のような基本的かつ重要な労務管理が求められる。
・労働時間、残業時間を正確に把握する
・残業申請させ、必要な残業か否か上司が判断する
・36協定を作成届け出する
・変形労働時間制を理解する
・賃金制度(残業代算出や固定残業代)
・安全配慮義務 など
言い方を変えれば、残業代を正確に払っていない会社は、基本的な労務管理ができていないということ。
残業代を正確に払うことは、労務管理をする上で大前提になる。