本質は103万でなく130万の壁

先の衆議院選挙。

大方の予想通り自民党の大敗になったが、反面、国民民主党の躍進が目立った。

でその党首が「国民の所得増のため103万円の壁を見直す」と言っている。

 

当該ブログでも過去に度々書いているが、正直103万円の壁はほとんどどうでもいい話で、問題の本質は130万円の壁だ。その壁を超えないよう、年末に労働時間を減らすパートが多く、ただでさえ人手不足なのに更にそれを加速させるブーストになってしまっている。

 

収入が103万円以上になれば所得税が発生するが、所得があれば税金が発生するのは当然だし、手取りは増えていく。更に配偶者特別控除があるので、夫婦の可処分所得も簡単に減らない仕組みになっている。だからほとんど気にしなくてよいのだ。(但し配偶者の年収(103万円)を家族手当の要件としている会社では、当該手当が減るのでそこは注意)

実際、クライアント先で103万円を気にして労働時間を控えるパートの話はほとんど聞かない。(僕が啓蒙しているということもあるが)

 

他方、年収が130万円以上(60歳以上は180万円以上、一定の企業は106万円以上)あると、社保の扶養に入っている人は扶養から外れなくてはならず、結果自身で社会保険料を払うことになり、その分手取りや可処分所得が減る。それを避けるために、前述のとおり労働時間をわざわざ減らすというわけのわからないことになっているのが現状だ。(実際クライアント先でよくある)

この130万円の壁(社保の扶養制度)は、夫は会社、妻は家事というサザエさんのような家族モデルを反映した昭和のシステム。共働きが当たり前の時代に、一体いつまで続けるのか。

 

加えて言えば、多くの政治家が「時給1500円」と声高々に叫んでいるが、最賃が上がることもパートの労働時間を減らすブーストになっていることを理解しているのだろうか。そのこととセットに議論する必要があるというのにね。

 

政治家がどこまで制度や実態を理解しているか甚だ疑わしい限りだが、ちゃんとお勉強してから発言してもらわないと、この国マジでやばいね。本質は130万円の壁なのだ。


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