初任給の落とし穴

明治安田生命は、25年度の新卒初任給を332,000円にするらしい。

前年度より37,000円の引上げとなり、大手金融機関では最高額だそうだ。但し、全国転勤可能な人が対象であり固定残業代を含む。

 

僕ら労務の専門家がこの固定残業代という言葉を見ると、思わずソワソワ反応してしまう。なぜなら、適切に運用していないとそれ自体が無効となり、思わぬ未払い賃金リスクが発生するからだ。残念ながら、適切に運用していない企業が未だ多い。

当然、何時間分の残業代なのかという疑問も出てくる。

 

そこでこの保険会社のサイトを調べてみたら、募集要項はリンクが貼られておらず、賃金に関する詳細は分からなかった。

例えば30時間分の固定残業代とすると同手当は約59,000円、基本給その他諸手当で約273,000円になる。

40時間分の固定残業代とすると同手当は約75,000円、基本給その他諸手当で約257,000円になる。

 

もし後者であった場合、所定賃金257,000円という金額は、大企業であれば驚くほど高いという印象はない。しかも残業が40時間付きという。

固定残業代は、ぱっと見賃金を高く見せる効果があるのは確かだ。しかしそれに目を奪われて、中身をよく見定めないと後々後悔する。初任給の落とし穴だ。


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